このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第2章 未来からの使者編

ある日のこと

ジョルノは仕事で不在の中、茜李とジョーイは2人で過ごしていた

「でも、向こうのジョルノと仲良く出来て安心だわ」

「なんとかね…あの人ってほんと不器用なんだな」

「まぁ…分かるような分からないような…」

「あの人は母さんにはベタ惚れだからね」

その言葉を聞いては茜李の頰が緩みえへへと嬉しそうに笑っていた

「…茜李さんはさぁ」

「ん?」

「ジョルノさんの父さんの存在を知ってる?」

「え?」

ジョルノのお父さん…

「やっぱり知らないか…実は僕、隠れて過去に行って見に行ったことあるんだよね」

「ど、どうして?」

「たまたま父さんの写真入れに父さんによく似た男の人がいたんだ

気になって調べたらその人の名はディオ・ブランドー…」

「ディオ・ブランドー?」

「ジョルノさんもいないしちょうどいい機会だ。少しだけ見に行こう」

茜李の手を引いてはスタンドを出しその場から去るように消えた

「確か、場所はエジプトのカイロ…」

ジョーイは年代と場所を設定してはその時の場まで歩く

「ジョルノのお父さんってどんな人なのかな?」

「…あまり期待しない方がいいのかもしれない」

「…?」

ジョーイの一言に茜李は首を傾げれば目の前はある館だった

太陽の光を一筋も入れないようなとても暗黒に満ちた館

「見つかったら厄介だから静かに」

「うん」

2人は話し声のする部屋の壁に隠れながら会話を聞く

「DIO様…ジョースター共がエジプトに着いたと」

「忌々しいジョースターめ…」

一言聞いただけで、とても安心しその人に惹かれてしまうぐらい引力のある声

フワッと香る男とも思えない色気

妖艶な笑みで部下を釘付けにする男

「この女も飽きた…」

DIOは血を吸い尽くした女を床に投げ捨てた

「彼は吸血鬼なんだ…」

「ッ…」

とても怖い

何を考えているのか分からないのに、周りはそれに惹かれていく

似ている…

部下を惹きつける声色、カリスマ性整った色気のある容姿

あのジョルノに…

「…」

ジョーイは茜李の腕を引っ張ればそこは真っ白な空間だった

茜李は気が抜けたのかその場に座り込んだ


「これ以上は見てはいけない…見るとあの男に見つかってしまう」

「…見つかるとどうなるの?」

「見つかると…僕の憶測だが永久に縛られ使えるとこまで使われ

必要なくなったら屍のように捨てられる」

顔を青ざめる茜李をジョーイは目線を合わせるようにしゃがみ込む

「大丈夫…あの人はそんな人じゃないということは茜李さんが1番分かっているはず

これは悪い夢だ…もう一度眠るんだ」

茜李は言われるままに瞬きをすれば
いつの間にか辺りは先程までいたリビングだった


「あれ?私…」

隣を見ればそこにはすーすーと寝息をたてるジョーイの姿

ジョーイを見れば先程の事を思い出し夢ではないと実感していた


思い出しただけで寒気がする

あんなにも怖い人を見たのは初めてだ

茜李は震える体を抑えると突然ドアが開いた

「ただいま…茜李?」

「あ、ジョルノ…」

心臓がドクドクと早く打つ

ジョルノが一歩近づいてくる

そしてその手が顔に触れる

「顔が青ざめてる…大丈夫かい?」

「…」

温かい手

心配そうに覗き込む顔

違う…ジョルノは違う

似ているけど、あの人のように悪に染まらず正義の心を持っている

「ううん…ちょっと怖い夢を見ただけ…」

ギュッと抱きつけばジョルノは子供をあやすように頭を撫でる

何も言わずにただ撫でるだけ

この事は言わないでおこう

そう心に決めた茜李だった…。

時は遡り1989年1月13日エジプト、カイロでは…

「…」

「どうされましたかDIO様?」

「壁から何やら人の気配を感じたのだ」

DIOは壁の方に足を向け歩き覗くがそこには誰もいなかった

「気のせいか…」

「人の気配とは?」

「何やら、輝かしい色が見えたのだ。だが、私の気のせいだ」

フンッと鼻を鳴らしジョースターを倒すよう部下に命ずるDIO

「…心が軽くなった気がする…」

あの真っ白い光を放つ者は一体誰だったのかはDIOは死ぬまで分かる事はなかった…。
12/14ページ
スキ