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第2章 未来からの使者編

「茜李…起きなさい」

未来の茜李は茜李の額に自身の額をくっ付けては呼び起こす

そして瞬時に光り、あっという間にその光は消えていった

「これで大丈夫…さすがにここじゃ可哀想だからパッショーネにいらっしゃい。

いいでしょジョルノ?」

未来の茜李がクルッと振り向けばいつのまにか未来のジョルノがいた

「あぁ、みんなも来るといいよ。茜李ちゃんは…」

「僕が運ぶ」

茜李を抱き上げ茜李の眠っている顔を見れば静かに寝息をあげていた

心配そうに見つめるジョルノをジョーイはただ見つめていた

「ん…ここは…」

「おはよう」

茜李は目を覚ませばジョルノが優しく微笑んでいた

「ふぁ〜…おはようジョルノ…私何を…」

するとドアにもたれる未来のジョルノが声をかけた

「茜李ちゃん…向こうで未来の君が待ってるよ」

「未来の!?」

茜李は急いで飛び起きては扉を開けるとそこには…

「あら、もう起きたのね」

ニコッと笑う自分がいた

「え?え?えぇ!?」

慌てる茜李をクスクスと笑う未来の茜李

そして少し呆れた感じに笑うジョーイ

「ジョーイ…少し2人で話したいから席を離してもらえるかしら」

「うん…分かったよ母さん」

母親に頭を撫でられ幸せそうな顔をしたジョーイは部屋から出て行く

「…本当に私なの?」

「えぇ、そうよ。本当は過去と未来の人物が出会う事は禁忌らしいの。

でも、どうしても会いたかったの。貴方に…」

茜李の手をギュッと握る未来の茜李

「ありがとう…私の息子ジョーイを救ってくれて…」

その言葉を聞いた茜李は涙を流す

「ほんとはね…私、貴方に怒ってやろうと思ってたの…もっと子供のことを考えなさいって…

でも違った…貴方は子供のことを思って私達を呼んでくれたのね…」

「…貴方が思うほど私は立派な母親じゃないわ

後先考えず思い立ったら行動する私の悪い癖のせいで、あの子を無駄な心配をさせてしまった


…本当に申し訳なかったわ

過去でもあの子を愛してくれてありがとう」

涙を流し笑う未来の茜李を優しく抱きしめる茜李

お互い涙を流しては笑い合う

「…ちょっと待っててね」

未来の茜李は突然立ち上がってはドアを開ければジョルノ達が一斉に転がってきた

「もう、ジョルノ!ジョーイ!そして過去のジョルノ!ミスタ達!聞き耳はよくないわよ!!」

ぷんすかと怒る姿に茜李はなんだか親近感が湧いた

「あら、もう36歳なのにこんな子供っぽくいちゃダメだわ!

せめて過去の自分には大人っぽく見せたかったのに!きゃー!!」

1人で騒ぐ未来の茜李に茜李は歩み寄る

「うん!やっぱり私は私だわ!そっちの方がいいよ!!」

「えー?ほんとー?なら、こっちにするわ!こっちの方が楽だもの!あはは!」

盛り上がる2人にジョルノと未来のジョルノ、ジョーイは仏頂面になる

「「なっ!!3人とも同じ顔でこっち見ないでよ!!」」

「あ、ハモった」

「さすが同じ人間」

「ぐぬぬ…!あ、こうしてる場合じゃないわ!

茜李達は早く帰らないと帰れなくなるわよ!!
ジョーイ!!」

「分かってるよ母さん。さぁさぁ、皆さん過去に帰るよ」

「よっしゃー!帰れる!!しっかし未来の茜李は美人だなー!元から美人だけど!」

「ミスタキモいわよ。あんたって人妻が趣味なの?」

「なんだとー!」

言い合いをしながら前に進むミスタとトリッシュ

未来のジョルノ達にお辞儀をして去るフーゴ

ジョルノは行こうと茜李の手を握る

「茜李…」

「…」

茜李は後ろを振り向けば未来の自分が笑顔で手を振っていた

さよなら…未来の私達…いつか訪れる未来…

茜李はジョルノの手を握り返してはジョーイの元へと歩いて行った

いつ戻ったのか分からない。

目が覚めるとそこは自身のベッドの上だった

「…あれ、私…ってうわっ結構臭うな」

茜李はとりあえず着替えを持って風呂に入った

風呂から入ってリビングに行くとそこには…

「おはよう、茜李」

「おはよう、茜李さん」

「えっ…なぜジョーイがいるの?」

「実はね、母さんからもう1週間向こうへ遊んでおいでって言われたんだ

これ、手紙」

茜李はジョーイから渡された手紙を見ては目をまん丸にしていた

『過去の私へ

ジョルノとイチャイチャしたり遊んだりするのもいいけどテスト勉強だけはしなさい!後悔するわよ!!

あの時勉強しとけばよかった〜!って…

この日の為だけに私の息子を1週間お貸しします。
しっかり勉学に励んで下さいね♡』

「うっそぉ〜〜!?帰って早々勉強ってなんなのよぉぉぉ!!!

嫌だぁぁぁぁ!!!びぇぇぇん!!」

泣き叫ぶ茜李の側に寄り添ったのはジョルノだった

「茜李…この1週間のうちに3日間はテストだけどその後は、夏休みじゃぁないか

これを乗り越えたら僕とデートしたり、ジョーイと3人で遊ぼう」

「ほんと?」

「うん、ほんと」

「じゃあ私頑張る!」

パァァァと明るく満面な笑顔になる茜李を見てジョルノは目を細めてはジョーイにアイコンタクトを取る

「テストは明日からで今日は休日…」

「茜李さん…今日はしっかり勉強しようね」

2人して悪どい笑顔で茜李に詰め寄る

「ひっ…!!やっぱりあんた達は親子揃って鬼よ〜!!!!」

そう家で叫ぶ茜李だった
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