サボ/強引な彼/現代パロ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―出会いは突然。突然であればあるほどドラマチックを感じてしまう。
それが色気のない居酒屋でも。そんな居酒屋の隅っこのトイレでも。
「―カタル?」
「え…」
向き合うように配置された男子トイレと女子トイレ。そこからほぼ同時にトイレから出てきて、廊下でばったりなんてどんな出会いなんだろう。
それもただの友人なんて穏やかな関係じゃない。私と彼が。
2年ぶりに見た彼――サボ。あの頃と変わらないたくましい体つき、ゆるやかなウェーブのかかった金髪は何も変わらない。
「…カタル、話しがしたい」
「……私はしたくない」
「……ちょっと来い」
腕を引かれるがまま廊下を出て、そのまま外へと出る。
外に出た瞬間ひんやりとした空気に包まれた。お酒でほてった体が冷やされて心地いい。
サボは私が逃げないようにと店の入り口を塞ぐように立つ。
「…ずっと会いたかった。誤解を解きたくて」
「……誤解も何も」
「あれは誤解だ!酔った女が俺の携帯に勝手に出て適当喋っただけだ」
――2年前。私とサボは付き合っていた。
彼は会社でも人気者で、女性からの好意をもらうことが多い。プレゼントもお誘いもしょっちゅうで、付き合っている私は結構我慢することが多かった。
そんな中、ある夜に彼にかけた電話に知らない女性が出て、彼は今私の横で寝ていると宣った。
毎日彼を疑ってしまう気持ちと彼を信じたい気持ちとで疲れ果てていた私の心には、十分な止めだった。
それが事実かどうかなんてもう関係なくなっていたんだ。
「…私、サボのこと、信じようと思ってた。付き合ってる間ずっと。…あなたは優しいし、裏切ったりしないって」
「…実際裏切ってねぇ。ずっとお前だけだ」
「……ありがと。でも、でもね。毎日不安で泣いちゃうんだよ。仕事で忙しいってわかってても、本当は女の子にまた引きとめられてるんじゃないかとか、……いつか私より他の子に夢中になって捨てられるんじゃないかとか」
…そう。大好きなサボと付き合っているはずなのに、毎日不安で泣いていて、気づけば辛い感情ばかりだった。
なんでもできる彼と、何のとりえもない私。吊りあっているようには思えなくて、こんな感情をさらけだしてはただ彼を縛るだけだと思った。
だからあの日、いいタイミングだと思ったんだ。この辛さから抜けようって。
「…私、サボと付き合ってて、…辛いことの方が多かった」
「……カタル」
「…だからね。あの日、あなたが女の子といたのが本当かどうかなんて、…もうあの時はそんな問題じゃなかったの。…あなたを信じられない毎日が辛かった」
サボは何も悪くないのに、酷なことを伝えてしまったかもしれない。眉を寄せて難しい表情になっている。
「…カタル。一つだけ、確かめたいことがある」
「……なに?」
「……最後に話す。送るから、鞄取って来いよ。もう今日は飲む気分でもねぇだろ」
確かにもう今日はこれ以上飲める気分じゃなかった。
サボに言われた通り、おとなしく店に一度戻り、一緒に飲んでいた人に適当に事情を話して鞄を持って出てくる。
サボは同じ場所に立って待っていた。
これ以上一緒にいるのも正直辛い。…だけど、あの日、彼の言い分を何もきかず、彼から逃げるように関係を切ってしまったツケとして、彼の望む限りのことは応える義務がある気がする。
彼から何も言わず離れてから、家も逃げるように引っ越したから、新しい住所もサボは知りようがなかったと思う。
この居酒屋からすぐ近くで、彼との無言の時間を気まずいと思うこともわずかの間で、あっという間に自宅についた。
「ここなの。ありがとう、送ってくれて」
「ここか。近ぇんだな」
「うん。…それで、聞きたいことって」
鞄から鍵を取り出してガチャリと鍵を開ける。サボをなるべく見ないように玄関に入ったところで、背中に「カタル」と声がかけられた。
「俺のこと、まだ好きか」
「……」
そんなこと聞いてどうするんだろう。この2年間、あなたが辛くて別れたと確かにつたえたはずなのに。
辛くて別れた、はずなのに。
別れた後の2年間の方がずっと辛かったなんて、どうしてなんだろう。
あなたと久しぶりに会って今まで、心臓がバクバクとうるさくて苦しくてたまらない。
「…好きだよ。なかなか忘れられない。…だから早く忘れたい」
「……」
涙が零れそうで、顔を見られないように俯いた。
バタン、と思い切りドアを閉める。
―閉めた、はずだった。
「!?」
ガッと隙間にサボの指が入って、驚いて怯んだ瞬間、一気に馬鹿力でドアをこじ開けられた。
驚いてドアから手を放し玄関に立ち尽くす私に、サボが有無を言わさず玄関に入ってきて後ろでにドアを閉める。
「…それが聞きたかった」
逃げ場のない空間。――頭の中で警報が鳴っている。
彼の気に圧されてあっという間に壁に追い詰められて、自分の頭の上の壁に彼の拳がトン、とのせられ、一気に彼との距離が近くなる。
―この強引な彼の空気は知っている。今まで何度も傍で感じてきた。
「俺のことがまだ好きだっていうんなら、俺ももう容赦しねぇ。好きなようにさせてもらう」
「…さ、ぼ」
「俺がお前だけだって嫌というほど思い知らせてやる」
強引に顎を上げさせられてキスをされた。彼の指が頬に食い込むほど強い指の圧を感じる。身長差で真上を向く形になり、自然と弱点の喉がむき出しになる。
真上から噛みつくようなキスを受けて、逃げ場もなく、弱点もさらしたまま、ただ目の前の獣のように捕食されるような感覚。
一瞬の身震いするような恐怖。だけど次の瞬間、口内をねっとりと彼の暖かい舌でなめ上げられて、ぞくぞくと体に覚えこまされた昔の快楽が湧き上がってくる。
「んん、」と喉から紡がれた声はそのまま彼の口内に吸いこまれていって、逃げる舌をからめとられ、痛いほどちゅうっと吸い上げられた。
ぷは、と口を開放されたらすぐに首筋をかぷりと噛まれて、弱いところに彼の髪の毛が触れてくすぐったくてぶるりと体が震える。
「…っや、ぁ、サボ…」
「嫌なもんか」
くるりと体を反転させられて、壁に胸を押し付ける形で後ろから押さえつけられる。
服の隙間から簡単に彼の手の侵入を許し、ぱちりと簡単に指先でブラの留め具を外され胸が彼の手のひらに解放される。
くりくりと指先で胸の突起をいじられれば、私の好きな加減を知り尽くしている彼にとっちゃ私を喘がせることなんて簡単なもので、息を吐くと同時に声が出た。
内腿がむずむずして擦り合わせる癖も、わかっているというように間に彼の腕が割り入ってきて、強引に脚を開かされる。
スカートの下から入ってきた彼の手にそのまま下着を脱がされて、何もかも性急に進められているのに彼の指が触れる頃にはもう、私のソコはすっかり期待に膨らんで濡れてしまっている。
「ハ、…すっげぇ濡れてるけど」
「いやぁ、サボ、」
「嫌だとか言う割には体は喜んでるな」
私たち別れたはずなのに。なんでこんな玄関先で脱がされちゃってるんだろう。
サボが強引なのもそうだけど、押しに弱い自分も自分だと思う。彼に強引に進められると、結局負けてしまって強く抗えない。
表面を滑るだけだったサボの指がくんっと中に入ってくる。
広げるようにくるくるとするだけだった指が2本に増やされて、的確に私の弱いところを狙って指が曲げられる。
「…っ、あ、ぅ」
そのまま指を抜き差しされて、耳を塞ぎたくなるくらいの恥ずかしい水音。
わざと音をたてているようにサボの指がゆっくり出ては入ってを繰り返して、くちゅくちゅとした音が玄関に響く。
そうしてゆっくりだった動きがだんだんと早まっていって、激しく指がバラバラと中で動かされると、だんだん粘質だった液がサラサラなものに変わってくる。
ピチャピチャとサボの手を濡らしてどんどん下に垂れていくのがわかって、「やだぁ…!」と恥ずかしくてふるふると頭を振る。
恥ずかしくて壁に手をついて俯けば、空いていた方のサボの手がそっと私の手の上に重ねられる。やることはすべて強引なのに、こういうところが優しく見えてしまうからずるい。
脚ががくがくして力が入らなくなってきたところで、ようやくサボの指が抜かれて刺激から解放される。
と、目の前に水滴を滴らせたままのサボの指を見せられて。
「あーほら。俺の手びしょびしょ」
「…っやだ、そんなの汚い…!」
そうして彼は、わざと見せつけるように私の前でその指をおいしそうにしゃぶる。
私が恥ずかしがるのを知っててやってるんだから。
「汚くねぇよ。俺がどれだけお前を好きか見せてやるって言っただろ」
「…っ」
そういわれてぴとっと後ろに当たる感覚。何かなんて考えればわかる、彼の熱い昂ぶり。
粘膜と粘膜が触れてあったかい。私の方から出る液が多すぎてぬるぬるで、彼が少し押し込んだらすぐ入ってしまいそう。
彼も先が触れているだけなのに私に興奮してくれてるみたいで、私の手を上から握りながら溜息を吐くのが聞こえる。
「あーやべぇ…こうしてるだけで。今すぐお前の中に入りたい」
「…っ、や、こすらないで、」
感触を確かめるようにサボの熱の先が入口をぬるぬると行き来する。
時々ぬっ、と丸みの部分が入ってきて、そのたびに粘膜がくっと広がる感覚がして、そこから伝わる質量にぞくっとする自分がいる。
――だから、冷静に考えたら私たち、別れてるはずなのに。
もう終わった関係のはずなのに。なんで、こんな。
「…っ、カタル…、」
「――んぁッ…!」
入った、と思った瞬間、ぬるついた入口のせいで一気にサボの質量がぐっと奥まで入ってくる。ぐっと中を質量で圧される感覚に、はふ…、と息が震えた。
―――ああいやだ、こんな。満たされているような感覚。
「…ふ、ぁ…、サボ、」
「っ、おま、…びくびくしすぎ、」
無意識に軽く痙攣していたようで、サボが気持ちよさそうにふー…と落ち着かせるように息を吐いている。
そして私の腰を掴んで、「全部いれるぞ」と声が聞こえて。え?全部?
「え、ぇ、まって、もうこれで全部じゃ…っ、ひあッ!」
ずんっ、とさらに奥へと侵入してくる質量に、自然と体がこわばった。
こんなに奥まで来ちゃうなんて、壊れそうで怖い。
「…んな、まるで俺と初めてみてぇな反応…」
「ぁ、あ、…だって、だってぇ」
「それもそれで、そそるけどよ…!」
ぬるぬると引き抜かれて、またずんっ!と奥まで穿たれて、びりっとした電気のような快楽。こんな快楽、知らないはずなのに私の体は知ってる。
こんなところまで届くの、サボしかいなくて。サボに開発されたのしかありえなくて。
遠慮なく腰を打ち付けてくるせいでぶつかる尻がパン、パンと乾いた音をたてている。
こんな浅ましい音まで恥ずかしいと思うのに、もっと浅ましい声が自分の喉から出てやまない。止められない。
「あっ、あん!っあぁ!」
「……ッああ、…やっぱカタルの声、いいな」
「ッ、んぅぅ!」
奥までずんっと入ってきて、そのまま後ろからサボに顎を掴まれ後ろを向かせられて唇を塞がれる。
ただでさえ声が出て気持ちよくてたまらないのに、キスで満足に呼吸もできなくなって、何もかもサボに奪われてしまう。
「ん!んっ!」
ぶるぶると脚が震えて立てなくなって、がくっと力が抜けたのと同時に、サボに体を支えられてそのまま床に膝をつく形になる。
腰を高くつきあげる形で後ろからサボがのしかかってきて、獣の交尾みたいに後ろからガンガンと攻められて。
「あっ、あ…!」
――だからここ、玄関で。一枚扉を隔てたらすぐそこは共通の廊下なのに。
扉の前を通られたらたった扉一枚だから、こんな声だって恥ずかしい音だって聞こえてるかもしれないのに。こんな。
「興奮すんだろ、カタル。こういうの好きだよな?」
「あっ、あ、ん、そんな、ことぉ…!」
そんなこと、――ありまくる。興奮しまくってしまう。
――ベッドの上じゃないってだけで、ただでさえ興奮しちゃうのに…!!
私がこういう強引なことに弱くて実は好きだとか、いつもと違う場所とか違う体位でするのが好きだとか、そういうのも全部、お見通しなわけで。
「あっぁ…!」
「――く、…っ締まる」
サボが短く唸って、最後にずんっ、と最奥をついてから少し、ぶるりと震えてしばらく動かなくなる。
―あれ、まさか。と思ったら、サボのが抜け出ていったあとに、後を追うようにたらりと垂れるものがあって、瞬時に彼が中に出したんだとわかった。
「…は、すげー出た。……できちまうかもな?」
「…ふ、…ぁ?…さぼ、?」
「何驚いてんだよ。さっさと孕んだ方がお前逃げねぇだろ?」
さっきからのサボの、強引すぎる行動の連続にぱちぱちと瞬きを繰り返して彼を見る。
通常の女の子なら怒ってビンタしてもいいくらいかもしれない。
でも、自分に自信がもてなくて彼の気持ちを心配していた私からすれば、どれもこれもが彼の私への執着を行動にしてくれたようで嬉しくさえ思ってしまうんだから私も大概だ。
私を逃がさまいと、独占欲を感じさせるその発言ですら、きゅんと心が軋む。
一人で自分の胸を押さえて悶えている間に、サボは軽々と私の体を抱き上げたかと思えばそのまま当たり前のようにベッドに私を下ろした。
ふわりとしたベッドに私の体が沈み、続いてギシリとサボの体重分でスプリングが軋む。
改めて近づく彼の顔。ちゅ、ちゅ、と顔に触れるだけのキスを落とされて、目があって。
もう一回するのかな、とサボを見上げたら、今まで見たことのないような妖艶な笑みを向けられて。
「―わからせてやるって言っただろ?もう二度と変な勘違いしねぇように」
…そのあとは言葉通り、空が明るくなるまでいじめられて愛されて、彼の執着を嫌というほど思い知らされた。
END.
それが色気のない居酒屋でも。そんな居酒屋の隅っこのトイレでも。
「―カタル?」
「え…」
向き合うように配置された男子トイレと女子トイレ。そこからほぼ同時にトイレから出てきて、廊下でばったりなんてどんな出会いなんだろう。
それもただの友人なんて穏やかな関係じゃない。私と彼が。
2年ぶりに見た彼――サボ。あの頃と変わらないたくましい体つき、ゆるやかなウェーブのかかった金髪は何も変わらない。
「…カタル、話しがしたい」
「……私はしたくない」
「……ちょっと来い」
腕を引かれるがまま廊下を出て、そのまま外へと出る。
外に出た瞬間ひんやりとした空気に包まれた。お酒でほてった体が冷やされて心地いい。
サボは私が逃げないようにと店の入り口を塞ぐように立つ。
「…ずっと会いたかった。誤解を解きたくて」
「……誤解も何も」
「あれは誤解だ!酔った女が俺の携帯に勝手に出て適当喋っただけだ」
――2年前。私とサボは付き合っていた。
彼は会社でも人気者で、女性からの好意をもらうことが多い。プレゼントもお誘いもしょっちゅうで、付き合っている私は結構我慢することが多かった。
そんな中、ある夜に彼にかけた電話に知らない女性が出て、彼は今私の横で寝ていると宣った。
毎日彼を疑ってしまう気持ちと彼を信じたい気持ちとで疲れ果てていた私の心には、十分な止めだった。
それが事実かどうかなんてもう関係なくなっていたんだ。
「…私、サボのこと、信じようと思ってた。付き合ってる間ずっと。…あなたは優しいし、裏切ったりしないって」
「…実際裏切ってねぇ。ずっとお前だけだ」
「……ありがと。でも、でもね。毎日不安で泣いちゃうんだよ。仕事で忙しいってわかってても、本当は女の子にまた引きとめられてるんじゃないかとか、……いつか私より他の子に夢中になって捨てられるんじゃないかとか」
…そう。大好きなサボと付き合っているはずなのに、毎日不安で泣いていて、気づけば辛い感情ばかりだった。
なんでもできる彼と、何のとりえもない私。吊りあっているようには思えなくて、こんな感情をさらけだしてはただ彼を縛るだけだと思った。
だからあの日、いいタイミングだと思ったんだ。この辛さから抜けようって。
「…私、サボと付き合ってて、…辛いことの方が多かった」
「……カタル」
「…だからね。あの日、あなたが女の子といたのが本当かどうかなんて、…もうあの時はそんな問題じゃなかったの。…あなたを信じられない毎日が辛かった」
サボは何も悪くないのに、酷なことを伝えてしまったかもしれない。眉を寄せて難しい表情になっている。
「…カタル。一つだけ、確かめたいことがある」
「……なに?」
「……最後に話す。送るから、鞄取って来いよ。もう今日は飲む気分でもねぇだろ」
確かにもう今日はこれ以上飲める気分じゃなかった。
サボに言われた通り、おとなしく店に一度戻り、一緒に飲んでいた人に適当に事情を話して鞄を持って出てくる。
サボは同じ場所に立って待っていた。
これ以上一緒にいるのも正直辛い。…だけど、あの日、彼の言い分を何もきかず、彼から逃げるように関係を切ってしまったツケとして、彼の望む限りのことは応える義務がある気がする。
彼から何も言わず離れてから、家も逃げるように引っ越したから、新しい住所もサボは知りようがなかったと思う。
この居酒屋からすぐ近くで、彼との無言の時間を気まずいと思うこともわずかの間で、あっという間に自宅についた。
「ここなの。ありがとう、送ってくれて」
「ここか。近ぇんだな」
「うん。…それで、聞きたいことって」
鞄から鍵を取り出してガチャリと鍵を開ける。サボをなるべく見ないように玄関に入ったところで、背中に「カタル」と声がかけられた。
「俺のこと、まだ好きか」
「……」
そんなこと聞いてどうするんだろう。この2年間、あなたが辛くて別れたと確かにつたえたはずなのに。
辛くて別れた、はずなのに。
別れた後の2年間の方がずっと辛かったなんて、どうしてなんだろう。
あなたと久しぶりに会って今まで、心臓がバクバクとうるさくて苦しくてたまらない。
「…好きだよ。なかなか忘れられない。…だから早く忘れたい」
「……」
涙が零れそうで、顔を見られないように俯いた。
バタン、と思い切りドアを閉める。
―閉めた、はずだった。
「!?」
ガッと隙間にサボの指が入って、驚いて怯んだ瞬間、一気に馬鹿力でドアをこじ開けられた。
驚いてドアから手を放し玄関に立ち尽くす私に、サボが有無を言わさず玄関に入ってきて後ろでにドアを閉める。
「…それが聞きたかった」
逃げ場のない空間。――頭の中で警報が鳴っている。
彼の気に圧されてあっという間に壁に追い詰められて、自分の頭の上の壁に彼の拳がトン、とのせられ、一気に彼との距離が近くなる。
―この強引な彼の空気は知っている。今まで何度も傍で感じてきた。
「俺のことがまだ好きだっていうんなら、俺ももう容赦しねぇ。好きなようにさせてもらう」
「…さ、ぼ」
「俺がお前だけだって嫌というほど思い知らせてやる」
強引に顎を上げさせられてキスをされた。彼の指が頬に食い込むほど強い指の圧を感じる。身長差で真上を向く形になり、自然と弱点の喉がむき出しになる。
真上から噛みつくようなキスを受けて、逃げ場もなく、弱点もさらしたまま、ただ目の前の獣のように捕食されるような感覚。
一瞬の身震いするような恐怖。だけど次の瞬間、口内をねっとりと彼の暖かい舌でなめ上げられて、ぞくぞくと体に覚えこまされた昔の快楽が湧き上がってくる。
「んん、」と喉から紡がれた声はそのまま彼の口内に吸いこまれていって、逃げる舌をからめとられ、痛いほどちゅうっと吸い上げられた。
ぷは、と口を開放されたらすぐに首筋をかぷりと噛まれて、弱いところに彼の髪の毛が触れてくすぐったくてぶるりと体が震える。
「…っや、ぁ、サボ…」
「嫌なもんか」
くるりと体を反転させられて、壁に胸を押し付ける形で後ろから押さえつけられる。
服の隙間から簡単に彼の手の侵入を許し、ぱちりと簡単に指先でブラの留め具を外され胸が彼の手のひらに解放される。
くりくりと指先で胸の突起をいじられれば、私の好きな加減を知り尽くしている彼にとっちゃ私を喘がせることなんて簡単なもので、息を吐くと同時に声が出た。
内腿がむずむずして擦り合わせる癖も、わかっているというように間に彼の腕が割り入ってきて、強引に脚を開かされる。
スカートの下から入ってきた彼の手にそのまま下着を脱がされて、何もかも性急に進められているのに彼の指が触れる頃にはもう、私のソコはすっかり期待に膨らんで濡れてしまっている。
「ハ、…すっげぇ濡れてるけど」
「いやぁ、サボ、」
「嫌だとか言う割には体は喜んでるな」
私たち別れたはずなのに。なんでこんな玄関先で脱がされちゃってるんだろう。
サボが強引なのもそうだけど、押しに弱い自分も自分だと思う。彼に強引に進められると、結局負けてしまって強く抗えない。
表面を滑るだけだったサボの指がくんっと中に入ってくる。
広げるようにくるくるとするだけだった指が2本に増やされて、的確に私の弱いところを狙って指が曲げられる。
「…っ、あ、ぅ」
そのまま指を抜き差しされて、耳を塞ぎたくなるくらいの恥ずかしい水音。
わざと音をたてているようにサボの指がゆっくり出ては入ってを繰り返して、くちゅくちゅとした音が玄関に響く。
そうしてゆっくりだった動きがだんだんと早まっていって、激しく指がバラバラと中で動かされると、だんだん粘質だった液がサラサラなものに変わってくる。
ピチャピチャとサボの手を濡らしてどんどん下に垂れていくのがわかって、「やだぁ…!」と恥ずかしくてふるふると頭を振る。
恥ずかしくて壁に手をついて俯けば、空いていた方のサボの手がそっと私の手の上に重ねられる。やることはすべて強引なのに、こういうところが優しく見えてしまうからずるい。
脚ががくがくして力が入らなくなってきたところで、ようやくサボの指が抜かれて刺激から解放される。
と、目の前に水滴を滴らせたままのサボの指を見せられて。
「あーほら。俺の手びしょびしょ」
「…っやだ、そんなの汚い…!」
そうして彼は、わざと見せつけるように私の前でその指をおいしそうにしゃぶる。
私が恥ずかしがるのを知っててやってるんだから。
「汚くねぇよ。俺がどれだけお前を好きか見せてやるって言っただろ」
「…っ」
そういわれてぴとっと後ろに当たる感覚。何かなんて考えればわかる、彼の熱い昂ぶり。
粘膜と粘膜が触れてあったかい。私の方から出る液が多すぎてぬるぬるで、彼が少し押し込んだらすぐ入ってしまいそう。
彼も先が触れているだけなのに私に興奮してくれてるみたいで、私の手を上から握りながら溜息を吐くのが聞こえる。
「あーやべぇ…こうしてるだけで。今すぐお前の中に入りたい」
「…っ、や、こすらないで、」
感触を確かめるようにサボの熱の先が入口をぬるぬると行き来する。
時々ぬっ、と丸みの部分が入ってきて、そのたびに粘膜がくっと広がる感覚がして、そこから伝わる質量にぞくっとする自分がいる。
――だから、冷静に考えたら私たち、別れてるはずなのに。
もう終わった関係のはずなのに。なんで、こんな。
「…っ、カタル…、」
「――んぁッ…!」
入った、と思った瞬間、ぬるついた入口のせいで一気にサボの質量がぐっと奥まで入ってくる。ぐっと中を質量で圧される感覚に、はふ…、と息が震えた。
―――ああいやだ、こんな。満たされているような感覚。
「…ふ、ぁ…、サボ、」
「っ、おま、…びくびくしすぎ、」
無意識に軽く痙攣していたようで、サボが気持ちよさそうにふー…と落ち着かせるように息を吐いている。
そして私の腰を掴んで、「全部いれるぞ」と声が聞こえて。え?全部?
「え、ぇ、まって、もうこれで全部じゃ…っ、ひあッ!」
ずんっ、とさらに奥へと侵入してくる質量に、自然と体がこわばった。
こんなに奥まで来ちゃうなんて、壊れそうで怖い。
「…んな、まるで俺と初めてみてぇな反応…」
「ぁ、あ、…だって、だってぇ」
「それもそれで、そそるけどよ…!」
ぬるぬると引き抜かれて、またずんっ!と奥まで穿たれて、びりっとした電気のような快楽。こんな快楽、知らないはずなのに私の体は知ってる。
こんなところまで届くの、サボしかいなくて。サボに開発されたのしかありえなくて。
遠慮なく腰を打ち付けてくるせいでぶつかる尻がパン、パンと乾いた音をたてている。
こんな浅ましい音まで恥ずかしいと思うのに、もっと浅ましい声が自分の喉から出てやまない。止められない。
「あっ、あん!っあぁ!」
「……ッああ、…やっぱカタルの声、いいな」
「ッ、んぅぅ!」
奥までずんっと入ってきて、そのまま後ろからサボに顎を掴まれ後ろを向かせられて唇を塞がれる。
ただでさえ声が出て気持ちよくてたまらないのに、キスで満足に呼吸もできなくなって、何もかもサボに奪われてしまう。
「ん!んっ!」
ぶるぶると脚が震えて立てなくなって、がくっと力が抜けたのと同時に、サボに体を支えられてそのまま床に膝をつく形になる。
腰を高くつきあげる形で後ろからサボがのしかかってきて、獣の交尾みたいに後ろからガンガンと攻められて。
「あっ、あ…!」
――だからここ、玄関で。一枚扉を隔てたらすぐそこは共通の廊下なのに。
扉の前を通られたらたった扉一枚だから、こんな声だって恥ずかしい音だって聞こえてるかもしれないのに。こんな。
「興奮すんだろ、カタル。こういうの好きだよな?」
「あっ、あ、ん、そんな、ことぉ…!」
そんなこと、――ありまくる。興奮しまくってしまう。
――ベッドの上じゃないってだけで、ただでさえ興奮しちゃうのに…!!
私がこういう強引なことに弱くて実は好きだとか、いつもと違う場所とか違う体位でするのが好きだとか、そういうのも全部、お見通しなわけで。
「あっぁ…!」
「――く、…っ締まる」
サボが短く唸って、最後にずんっ、と最奥をついてから少し、ぶるりと震えてしばらく動かなくなる。
―あれ、まさか。と思ったら、サボのが抜け出ていったあとに、後を追うようにたらりと垂れるものがあって、瞬時に彼が中に出したんだとわかった。
「…は、すげー出た。……できちまうかもな?」
「…ふ、…ぁ?…さぼ、?」
「何驚いてんだよ。さっさと孕んだ方がお前逃げねぇだろ?」
さっきからのサボの、強引すぎる行動の連続にぱちぱちと瞬きを繰り返して彼を見る。
通常の女の子なら怒ってビンタしてもいいくらいかもしれない。
でも、自分に自信がもてなくて彼の気持ちを心配していた私からすれば、どれもこれもが彼の私への執着を行動にしてくれたようで嬉しくさえ思ってしまうんだから私も大概だ。
私を逃がさまいと、独占欲を感じさせるその発言ですら、きゅんと心が軋む。
一人で自分の胸を押さえて悶えている間に、サボは軽々と私の体を抱き上げたかと思えばそのまま当たり前のようにベッドに私を下ろした。
ふわりとしたベッドに私の体が沈み、続いてギシリとサボの体重分でスプリングが軋む。
改めて近づく彼の顔。ちゅ、ちゅ、と顔に触れるだけのキスを落とされて、目があって。
もう一回するのかな、とサボを見上げたら、今まで見たことのないような妖艶な笑みを向けられて。
「―わからせてやるって言っただろ?もう二度と変な勘違いしねぇように」
…そのあとは言葉通り、空が明るくなるまでいじめられて愛されて、彼の執着を嫌というほど思い知らされた。
END.
1/1ページ
