サボ+エース/お節介な幼馴染/学パロ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「カタル、今日もナイトがお迎えに来てるよ」
「もう~その言い方やめてよ!」
放課後になり皆が各々のペースで教室から出ていく中、教室を覗くように立っているエースとサボ。ちらっと目線をやるとサボがニッと笑って、「帰るぞ」と口を動かしているのが見えた。
毎日、毎日。放課後のお迎え。これはもうこの教室では見慣れた光景だ。
「ねぇねぇ、しつこいの承知できくけど本当に付き合ってないんだよね?」
「付き合ってないよ。ただの幼馴染」
「どっちとも?」
「どっちとも」
鞄に教科書をしまいながら、もう何度となく答えた回答を同じように答える。
この「お迎え」。今でこそようやく慣れたけど、初めは恥ずかしくてたまったものじゃなかった。
ふざけた男子たちはお決まりの「お前ら付き合ってんの?え?」みたいなにやけ顔でつついてくるし、女子たちも女子たちで「絶対付き合ってるよね」「どっちとだろうね」とひそひそ話をしているのが聞こえてくるのが当たり前で。
中にはサボかエースのどちらかに恋でもしていたのか、私との関係を誤解して涙ぐんでいる子すらいた。
けどそんな反応も最初だけで、最近になって光景に慣れてきたせいか今では周りがいちいち何かひそひそと話すこともなくなった。
待たせちゃ悪いと急いで帰り支度を済ませ、小走りで教室の入り口で待つ二人のもとへかける。「お待たせ」というとサボがアイコンタクトで返事をしてくれてそのままいつも通り3人で並ぶと、エースが私の荷物に気づいたのか「ん?」と声を出した。
「なんだその荷物」
「あぁ、なんかいらなくなったテキスト捨てられそうになってたから、学童保育のところに寄付しようかなって。ちょうど困ってたみたいなんだよね。ほら、家の近くの」
「あ~あそこな」
「俺らも通ってたよなぁ、あそこ」と言いながら当たり前のようにひょいっと私の荷物を持ってくれるエース。正直重かったから助かった。「ありがと」というと前を向いたまま「おー」とぶっきらぼうな返事だけをしている。
「そういえばカタルが言ってた新しいドーナツ屋。いくつか家にあるけど食うか?」
「えっ!?それってあの〇〇屋の!?人気で買えないって有名なのに…」
最近できた新しいドーナツ屋さんで、この間友達が買ってきてくれて一個食べたけどそれが美味しくて美味しくて、という話を昨日熱弁したんだっけ。
ふわっとしたドーナツ生地に、どこを食べてもぎっしりと入ったくるみ、それに邪魔しない程度の量のなめらかなこしあんとクリームチーズが絶妙のおいしさで、忘れられないんだと話した気がする。
で、早速友達からもらった次の日曜日に一回買いに行ったらもう売り切れで店も閉まっててすごく悔しい思いをしたんだよね…。
「それにしてもよく買えたね。サボ、ドーナツ好きだったっけ?」
「ばぁか、お前が食べたいって言ってたからわざわざ買ったんだろ」
「えっ」
さも当たり前のようにさらりと言ってのける目の前の男はなんだ。ただのイケメンですか
?
わざわざ買ってくれたとか優しすぎん?何かあった?
「いらねーんならいい」
「ッ、た、食べる食べる!はやくサボの家行こー!!」
「はいはい。エースも来るだろ?」
「おー。これ学童に置いたら行くわ」
嬉しさのあまり万歳していた腕を上げたまま「ん」と固まる。学童置いてくるって…さっきの私のテキストでは?
「!!テキスト忘れてた!エースいいよ私置いてくるから!」
「うるせー。いいから行って来いよ。ドーナツ楽しみにしてたんだろ」
「ドーナツは…食べるけど。これ置いてからでも全然いけるし!」
「やめとけって。重たくて腕とれるぞ」
「とれないよ!?」
結局エースから荷物をもらおうと一生懸命引っ張ったけど、馬鹿力で抱えられた荷物はびくとも動かなくて。
最終的にはいざ分かれ道の前でしっしっと犬のようにエースに追い払われてしまい、なんだか負けたような気分になりながらも「ありがと…」と悔しいながらお礼を言う。
なんだこの複雑な気持ちとか思っているうちに、なんだかんだでサボの家に到着した。
相変わらずご両親はいつも出掛けていてサボ一人だけみたい。何度も来て間取りを既に把握している私は、何食わぬ顔で洗面所て手を洗いリビングへ。
「わぁぁ~!ドーナツ!!」
「好きなだけ食えよ」
ギフトボックスにぎっしり詰められたドーナツは、いろんな味をまんべんなく買ってくれたみたいで私が見たことのないものがいっぱいあった。
その中で私の大好きなあんことくるみとクリームチーズがあるのも確認。他のも食べてみたい気が少ししたけど、悩んだのは一瞬で簡単にそのドーナツを掴んでいた。
「これこれ!これがすっごくおいしいの!」
「へぇ~。くるみか?」
「そうそう!で、あんことチーズも入ってるんだよ!」
我慢できずがぶり。かじった瞬間にふわっと唇が柔らかい生地に沈む。ドーナツの表面には何も塗されていなくて、かじった瞬間は薫らなくても、ゆっくり生地を噛んでいるとほんのりとくるみの香り、それにあんこの甘さとチーズのしょっぱさが絶妙に絡み合う。
「んんん~~まっ!」
「どれどれ。俺にも一口」
「ん」
どーぞと差し出したドーナツをサボも人かじり。あ、ちゃんと一口サイズでかじってくれた。
この間かじらせたらサボの一口って私の二口分くらいあって、思ったより減って悲しんでたからかな。
「うん、甘すぎなくてうまいな」
「ね!おいしいでしょ~!」
「そのまま食ってろよ。コーヒーでも入れてくる」
「ん!ありがと~!」
もふもふとドーナツを頬張る。おいしい…。おいしいって幸せ…。食べ終わるのがもったいなくてついつい少しずつ食べてしまう。
「ほら、ミルクと砂糖も。って、何ちまちま食ってんだよ」
それを見られてすぐ気づかれ、サボがおかしそうに笑う。
「同じ味のもう1個あるだろ。遠慮せずに両方食っていいから」
「う…。それは嬉しい、けど。エースにも食べてほしいし」
「あー、平気平気。あいつ全種類食って味知ってるから」
「嘘!?」
「うそ」
べ、と意地悪そうに舌を出すサボ。またやられた。すぐ嘘つくんだから。
「サボの嘘つき」
「はいはい。ご機嫌悪くしないでくれよお嬢さん」
「お嬢さんじゃないし」
「なんだ。ご機嫌ななめなのか」
「エース!!」
さりげなく会話に入ってきたエースは、今帰ってきたところみたいでバタンとリビングの扉を閉めたところだった。
残っていた最後のドーナツのかけらを口に入れて、手をティッシュで拭いてエースを出迎える。
「確かに渡してきたからな」
「ごめんね、ありがと!」
手を洗ってきたエースがソファに座ると同時に、サボがエースの前にコーラ缶を置く。そうそう、コーヒー飲むのは私とサボくらいで、エースはいつも缶コーラばっかり飲んでんだよね。
「で、なんでご機嫌ななめなんだ?」
「もうその話はいいよ!それよりエースはドーナツどれ食べる?」
「んーなんでもいいな。お前がいらねぇやつでいい」
「え~~~~ん~~~」
いらないやつと言われてもう一度まじまじとドーナツたちを見る。
そういえば大好きないつものやつに飛びついただけで、他の色とりどりのドーナツたちをまだちゃんと見てなかった。
「ん~まだ全部見てないけど、一番好きなのはこれ」
「ほー。なんだそりゃ。くるみか」
「そうそう。あんことくるみとクリームチーズ!めっちゃおいしいからエースも食べてみて!」
そんなに言うならとエースが私のおすすめのドーナツを手に取りがぶりと噛みつく。
もぐもぐと食べて…わぁ、一口で半分くらいなくなってる。
「あ、うまいなこれ。甘すぎなくて食いやすい」
「でしょでしょ!すんごくおいしいんだから!」
そう、そう。すんごくおいしいんだけど、最後の一つ。
もう私はさっき1個食べちゃった。食べ終わっちゃったから、もうないんだ。
「…………」
「……やるよ」
「えっいいの!?」
「んな見られたら食えるもんも食えねぇ」
つい口を半開きのままじーっとドーナツを見てたら、エースが仕方ねぇなって顔で残りをくれた。私が欲しがってるのわかったんだろうな。
我ながら意地汚いと思うけど、このドーナツには勝てない。意地汚くて構わない。
「うまっっっ」
2個目のドーナツ。知ってる味でさっきも食べたばっかりなのに、どうしてこの一口目のうまさは変わらないんだろう。
「エースごめんね…今度5個くらい買ったときに1個あげるね…」
「そんなに食うのかよ。俺はほんとに何でもいいからいいんだ」
「だよな。お前このドーナツ全部制覇したって言ってたもんな」
「おう。俺にかかればこのドーナツ作ってる店員も全部覚えてる」
もふもふとドーナツを頬張りながら二人のやりとりを黙って聞く。
ほんと毎回思うけど、よくこれだけ中身のないやり取りできるよね男子って。
エースなんかこのドーナツ屋初めて知ったはずだし店員の顔なんて覚えてるわけないのに口ばっかり達者だ。
「カタル。それ食ったらもう暗くなるから送ってくからな」
「ん。ありがと。食べた!」
「じゃあこいつ送ってそのまま帰るわ。また明日なサボ」
「おう(襲うなよ)」
「(努力する)」
残ってても俺食わねえからって、結局残ったドーナツは全部わたしにくれた。神か。
エースに家まで送ってもらって、「じゃあまた明日な」と別れて家に入る。
あ~お風呂入ったらまたドーナツ食べよ!太っちゃうな…。
―――――――
「おはよう、カタル。相変わらずナイト2人連れての登校ね」
「またそんな言い方。あの二人ナイトって柄じゃないけどね」
「でもさぁ、ただの幼馴染で毎日登下校するもん?カタルも嫌なら正直に言っちゃえば?」
「私も言ってるんだよ。教室まで来ると目立つしやめてほしいって。玄関で待ち合わせでいいじゃんって」
「え、そこ?」
「?うん」
「……毎日迎えに来てて一緒に帰ること自体をおかしいと思ってないあたり、あんたも染まってるね」
END.
「もう~その言い方やめてよ!」
放課後になり皆が各々のペースで教室から出ていく中、教室を覗くように立っているエースとサボ。ちらっと目線をやるとサボがニッと笑って、「帰るぞ」と口を動かしているのが見えた。
毎日、毎日。放課後のお迎え。これはもうこの教室では見慣れた光景だ。
「ねぇねぇ、しつこいの承知できくけど本当に付き合ってないんだよね?」
「付き合ってないよ。ただの幼馴染」
「どっちとも?」
「どっちとも」
鞄に教科書をしまいながら、もう何度となく答えた回答を同じように答える。
この「お迎え」。今でこそようやく慣れたけど、初めは恥ずかしくてたまったものじゃなかった。
ふざけた男子たちはお決まりの「お前ら付き合ってんの?え?」みたいなにやけ顔でつついてくるし、女子たちも女子たちで「絶対付き合ってるよね」「どっちとだろうね」とひそひそ話をしているのが聞こえてくるのが当たり前で。
中にはサボかエースのどちらかに恋でもしていたのか、私との関係を誤解して涙ぐんでいる子すらいた。
けどそんな反応も最初だけで、最近になって光景に慣れてきたせいか今では周りがいちいち何かひそひそと話すこともなくなった。
待たせちゃ悪いと急いで帰り支度を済ませ、小走りで教室の入り口で待つ二人のもとへかける。「お待たせ」というとサボがアイコンタクトで返事をしてくれてそのままいつも通り3人で並ぶと、エースが私の荷物に気づいたのか「ん?」と声を出した。
「なんだその荷物」
「あぁ、なんかいらなくなったテキスト捨てられそうになってたから、学童保育のところに寄付しようかなって。ちょうど困ってたみたいなんだよね。ほら、家の近くの」
「あ~あそこな」
「俺らも通ってたよなぁ、あそこ」と言いながら当たり前のようにひょいっと私の荷物を持ってくれるエース。正直重かったから助かった。「ありがと」というと前を向いたまま「おー」とぶっきらぼうな返事だけをしている。
「そういえばカタルが言ってた新しいドーナツ屋。いくつか家にあるけど食うか?」
「えっ!?それってあの〇〇屋の!?人気で買えないって有名なのに…」
最近できた新しいドーナツ屋さんで、この間友達が買ってきてくれて一個食べたけどそれが美味しくて美味しくて、という話を昨日熱弁したんだっけ。
ふわっとしたドーナツ生地に、どこを食べてもぎっしりと入ったくるみ、それに邪魔しない程度の量のなめらかなこしあんとクリームチーズが絶妙のおいしさで、忘れられないんだと話した気がする。
で、早速友達からもらった次の日曜日に一回買いに行ったらもう売り切れで店も閉まっててすごく悔しい思いをしたんだよね…。
「それにしてもよく買えたね。サボ、ドーナツ好きだったっけ?」
「ばぁか、お前が食べたいって言ってたからわざわざ買ったんだろ」
「えっ」
さも当たり前のようにさらりと言ってのける目の前の男はなんだ。ただのイケメンですか
?
わざわざ買ってくれたとか優しすぎん?何かあった?
「いらねーんならいい」
「ッ、た、食べる食べる!はやくサボの家行こー!!」
「はいはい。エースも来るだろ?」
「おー。これ学童に置いたら行くわ」
嬉しさのあまり万歳していた腕を上げたまま「ん」と固まる。学童置いてくるって…さっきの私のテキストでは?
「!!テキスト忘れてた!エースいいよ私置いてくるから!」
「うるせー。いいから行って来いよ。ドーナツ楽しみにしてたんだろ」
「ドーナツは…食べるけど。これ置いてからでも全然いけるし!」
「やめとけって。重たくて腕とれるぞ」
「とれないよ!?」
結局エースから荷物をもらおうと一生懸命引っ張ったけど、馬鹿力で抱えられた荷物はびくとも動かなくて。
最終的にはいざ分かれ道の前でしっしっと犬のようにエースに追い払われてしまい、なんだか負けたような気分になりながらも「ありがと…」と悔しいながらお礼を言う。
なんだこの複雑な気持ちとか思っているうちに、なんだかんだでサボの家に到着した。
相変わらずご両親はいつも出掛けていてサボ一人だけみたい。何度も来て間取りを既に把握している私は、何食わぬ顔で洗面所て手を洗いリビングへ。
「わぁぁ~!ドーナツ!!」
「好きなだけ食えよ」
ギフトボックスにぎっしり詰められたドーナツは、いろんな味をまんべんなく買ってくれたみたいで私が見たことのないものがいっぱいあった。
その中で私の大好きなあんことくるみとクリームチーズがあるのも確認。他のも食べてみたい気が少ししたけど、悩んだのは一瞬で簡単にそのドーナツを掴んでいた。
「これこれ!これがすっごくおいしいの!」
「へぇ~。くるみか?」
「そうそう!で、あんことチーズも入ってるんだよ!」
我慢できずがぶり。かじった瞬間にふわっと唇が柔らかい生地に沈む。ドーナツの表面には何も塗されていなくて、かじった瞬間は薫らなくても、ゆっくり生地を噛んでいるとほんのりとくるみの香り、それにあんこの甘さとチーズのしょっぱさが絶妙に絡み合う。
「んんん~~まっ!」
「どれどれ。俺にも一口」
「ん」
どーぞと差し出したドーナツをサボも人かじり。あ、ちゃんと一口サイズでかじってくれた。
この間かじらせたらサボの一口って私の二口分くらいあって、思ったより減って悲しんでたからかな。
「うん、甘すぎなくてうまいな」
「ね!おいしいでしょ~!」
「そのまま食ってろよ。コーヒーでも入れてくる」
「ん!ありがと~!」
もふもふとドーナツを頬張る。おいしい…。おいしいって幸せ…。食べ終わるのがもったいなくてついつい少しずつ食べてしまう。
「ほら、ミルクと砂糖も。って、何ちまちま食ってんだよ」
それを見られてすぐ気づかれ、サボがおかしそうに笑う。
「同じ味のもう1個あるだろ。遠慮せずに両方食っていいから」
「う…。それは嬉しい、けど。エースにも食べてほしいし」
「あー、平気平気。あいつ全種類食って味知ってるから」
「嘘!?」
「うそ」
べ、と意地悪そうに舌を出すサボ。またやられた。すぐ嘘つくんだから。
「サボの嘘つき」
「はいはい。ご機嫌悪くしないでくれよお嬢さん」
「お嬢さんじゃないし」
「なんだ。ご機嫌ななめなのか」
「エース!!」
さりげなく会話に入ってきたエースは、今帰ってきたところみたいでバタンとリビングの扉を閉めたところだった。
残っていた最後のドーナツのかけらを口に入れて、手をティッシュで拭いてエースを出迎える。
「確かに渡してきたからな」
「ごめんね、ありがと!」
手を洗ってきたエースがソファに座ると同時に、サボがエースの前にコーラ缶を置く。そうそう、コーヒー飲むのは私とサボくらいで、エースはいつも缶コーラばっかり飲んでんだよね。
「で、なんでご機嫌ななめなんだ?」
「もうその話はいいよ!それよりエースはドーナツどれ食べる?」
「んーなんでもいいな。お前がいらねぇやつでいい」
「え~~~~ん~~~」
いらないやつと言われてもう一度まじまじとドーナツたちを見る。
そういえば大好きないつものやつに飛びついただけで、他の色とりどりのドーナツたちをまだちゃんと見てなかった。
「ん~まだ全部見てないけど、一番好きなのはこれ」
「ほー。なんだそりゃ。くるみか」
「そうそう。あんことくるみとクリームチーズ!めっちゃおいしいからエースも食べてみて!」
そんなに言うならとエースが私のおすすめのドーナツを手に取りがぶりと噛みつく。
もぐもぐと食べて…わぁ、一口で半分くらいなくなってる。
「あ、うまいなこれ。甘すぎなくて食いやすい」
「でしょでしょ!すんごくおいしいんだから!」
そう、そう。すんごくおいしいんだけど、最後の一つ。
もう私はさっき1個食べちゃった。食べ終わっちゃったから、もうないんだ。
「…………」
「……やるよ」
「えっいいの!?」
「んな見られたら食えるもんも食えねぇ」
つい口を半開きのままじーっとドーナツを見てたら、エースが仕方ねぇなって顔で残りをくれた。私が欲しがってるのわかったんだろうな。
我ながら意地汚いと思うけど、このドーナツには勝てない。意地汚くて構わない。
「うまっっっ」
2個目のドーナツ。知ってる味でさっきも食べたばっかりなのに、どうしてこの一口目のうまさは変わらないんだろう。
「エースごめんね…今度5個くらい買ったときに1個あげるね…」
「そんなに食うのかよ。俺はほんとに何でもいいからいいんだ」
「だよな。お前このドーナツ全部制覇したって言ってたもんな」
「おう。俺にかかればこのドーナツ作ってる店員も全部覚えてる」
もふもふとドーナツを頬張りながら二人のやりとりを黙って聞く。
ほんと毎回思うけど、よくこれだけ中身のないやり取りできるよね男子って。
エースなんかこのドーナツ屋初めて知ったはずだし店員の顔なんて覚えてるわけないのに口ばっかり達者だ。
「カタル。それ食ったらもう暗くなるから送ってくからな」
「ん。ありがと。食べた!」
「じゃあこいつ送ってそのまま帰るわ。また明日なサボ」
「おう(襲うなよ)」
「(努力する)」
残ってても俺食わねえからって、結局残ったドーナツは全部わたしにくれた。神か。
エースに家まで送ってもらって、「じゃあまた明日な」と別れて家に入る。
あ~お風呂入ったらまたドーナツ食べよ!太っちゃうな…。
―――――――
「おはよう、カタル。相変わらずナイト2人連れての登校ね」
「またそんな言い方。あの二人ナイトって柄じゃないけどね」
「でもさぁ、ただの幼馴染で毎日登下校するもん?カタルも嫌なら正直に言っちゃえば?」
「私も言ってるんだよ。教室まで来ると目立つしやめてほしいって。玄関で待ち合わせでいいじゃんって」
「え、そこ?」
「?うん」
「……毎日迎えに来てて一緒に帰ること自体をおかしいと思ってないあたり、あんたも染まってるね」
END.
1/1ページ
