エース/筋肉ください/学パロ
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「エースくんおはよう!!エースくんの筋肉もおはよう!!」
「きん…え?」
聞き返してきたエースくんにこてんと首をかしげる。私何か変なこと言ったかな?
何か驚いているエースくんには申し訳ないけど、あの素晴らしい体つきを目前にして黙っちゃいられない。次々と見るところが多すぎて忙しい。
制服のシャツ1枚を少し気崩して首にチョーカーをつけているエースくん。首筋からセクシーな鎖骨が見えています。
制服を着ているのにがっしりとした肩幅がわかります。うんうん、素敵!!
「あー…エース。その、なんつーか悪ぃ」
「おいサボ。お前の妹どうした。一夜で何があった」
「実はこの間の学祭の写真を見せたらこいつがお前の筋肉に惚れたらしくてな…。ほら、カタルそこまでだ。ここは外だぞ、脱がすんじゃねぇ」
サボ兄がエースくんと話しているうちにとさりげなくエースくんのシャツのボタンを一つ、二つと外してみたけど、さすがにサボ兄に首根っこ掴まれて止められた。
くそ。学校まで我慢するか。
―――
衝撃は突然。サボ兄の部屋に飾ってあった学祭の写真。
肉体美コンテストとやらでエースくんが優勝したらしく、その時の写真だ。上半身裸のエースくん。
それがなんのコンテストの写真か聞くまでもなく、一目見てそのエースくんの体つきに惚れてしまった。美しくバランスのいい筋肉。たくましく、いかにも男性らしさを体現したような体つき。
エースくんは普段からサボ兄と仲が良かったからしょっちゅう家にも遊びに来てた。
でもまさか、あの制服の下にこんな肉体美を隠していたなんて。
「…サボ兄。エースくんてめちゃめちゃかっこいいね。特にこの筋肉」
「え?お前エースが好きなの…?」
「たった今惚れた。筋肉やばいね。ねぇ今度触らせてもらうように頼んで」
サボ兄はなぜかこの世の終わりだというくらいショックを受けた顔をしていた。なんで?
かと思えば「エースは確かにいいやつさ…。だけど…」なんてぶつぶつ言い始める。
「っ、カタル…!いくらエースでもお前をやるなんて兄ちゃん…まだ決断しきれねぇ…!」
「出たシスコン」
「あぁ、お前が可愛いのは認めるさ。筋肉ならほら、兄ちゃんだって鍛えてて結構すごいぞ」
「……」
そう言って勝手に服を脱いで裸を見せつけてくるサボ兄。どういう状況なんだろう。
だけど素直に興味があったから私も黙ってサボ兄の裸――その筋肉をじっと見る。
「……なんか薄い」
「っ!!!」
「確かに鍛えられてるけど、厚みがないなぁ。細マッチョって感じ。私はエースくんみたいな分厚いたくましい感じが好きなんだよねぇ。でもそういうのが好きな子も多いと思うよ」
固まっているサボ兄からエースくんの写真に目線を戻し、ぽー…と頬をピンクに染める。
後ろでサボ兄が砂のようにサラサラと流れていきそうな顔をしていたけど、それに気づくのはだいぶ時間がたってからだったりする。
―――
そして今日。生エースくんを見て、私の好奇心はさらに抑えきれないものになる。
あのシャツの下にむちむちとした筋肉が隠れていると考えただけで、あの制服が邪魔で邪魔で仕方ない。
昼休みになるとすぐ。私はダッシュで3年生の教室―もちろんエースくんがいるクラスに駆け込んでいた。
エースくんを発見。サボ兄と話している。ダッシュで近寄りその助走のまま、エースくんのたくましい体めがけて突進。
「エースくんっ!!」
「ッわ!?カタル!?」
突然の私のタックルに当然驚いた様子のエースくん。でも女の子に触れ慣れていないのか、抱き着いてきた私を振り払うのも離そうとするのもどうしたらいいものかわからない様子で、手が宙をさまよっている。
ああ、そんなところも可愛らしいエースくん。ぎゅうっと思い切り抱き着く。たくましくて硬い胸板にすりすりと頬ずりをするとエースくんの顔がかぁっと赤くなった。
「な、なん、っ…とりあえず離れろ!」
「…っカタル!バカお前っ、離れなさい!」
「やだ~~」
呆けていたサボ兄もハッと気を取り戻した様子でエースくんから私を引きはがそうとしてくる。どこまでも邪魔をしてくる兄貴め。
すると、周りからはヒュゥ~♪と囃し立てるような口笛と声。「エース!お前彼女いたのかよ!」「積極的~!」と様々な声で私たちのことを口々に言い始める。
エースくんは赤い顔のまま「ばかっ、ちげぇよ!」なんて言ってるけど、それでも強引に私を引きはがそうとはしない。優しいんだ、そういうところもすごく素敵。
「エースくん、二人になれるところに行こう…」
「っ!?」
厚い胸板に頬をたっぷり押し付けてうっとりした表情でエースくんに懇願する。
周りの目なんて関係ない。こんなたくましい筋肉に触れて、もうこれ以上我慢しろなんて言う方が無理。はやく脱いでもらって色んな箇所の筋肉たちに触れたい。
きっと自分もみたことないくらいだらしない顔をしているんだろう。エースくんは赤い顔のまま呆気にとられたのか力が抜けたようで、私が腕を絡めて引っ張るとそのまま着いてきてくれた。
後ろでサボ兄が「待てカタル!」なんて追いかけようとしたところを、周りの女子たちに「サボ~それはさすがに野暮でしょ~」と止めてくれているのが見えた。女子ナイス。さすが。
エースくんをぐいぐいと引っ張って、私のお気に入りの隠れ部屋である理科準備室にエースくんと二人で入る。
理科担当の先生がいつも適当で、部屋にまともに鍵もかけなければ手入れもしていず、ほとんど人通りがないのはずいぶん前から知っている。ここは最高のさぼりスポットだ。
「おい、お前ちょっと落ち着け…」
「無理…っ落ち着いてなんていられないよ…」
後ろ手に鍵をかければここはもう私とエースくんしかいない密室。
未だに私への対応をどうすればいいか考えている様子のエースくんに、力づくで来ないのをいいことに私はぐいぐいと彼の体を押して壁へと追い詰める。
「エースくん…急にごめんね。でも我慢できなくて…」
「…っ、お前、」
「ちょっとだけ。ちょっとだけでいいから、触らせて…」
するり、彼のシャツの上からそっと筋肉の輪郭を撫でてみる。胸板から腹筋にかけてまで硬く、それでも圧してみると指先にわずかな柔らかさも感じる柔軟な筋肉。
指は我慢できないといった様子ですぐに彼の襟まで移動して、ぷち、ぷちとシャツのボタンをはずしていく。ボタンを全部外し、はらりと彼の胸から腹部までがすらっと見えて、一気に鼓動が早くなった。はぁ、はぁと自分の息が荒くなっていくのがわかる。
「あ…、あ…エースくんの筋肉…!すごい…」
「、」
首筋から鎖骨、肩にかけての綺麗なラインを指先でなぞり、はらりと彼のシャツを肩から撫でるように落とせば彼のたくましい肩、腕の筋肉が見える。
サボ兄より分厚い、大きな肩。うっとりとその筋肉を撫で、太い腕を両手で包むようにぴたぴたと触って上から下へと筋肉を撫でていく。
エースくんは、くすぐったいのか時々ピクッと揺れては何かに耐えるように歯を食いしばっている。
「エースくん…、くすぐったい?ごめんね。でも、もうちょっと…もうちょっとだけ…」
「…っ、カタルお前、…他の男にもこんなことしてんのか?…サボは知ってんのかよ」
「筋肉だけでこんなに惹かれるのはエースくんだけだよ…。他の人にはこんな風に触らせてほしいなんて思わない…。エースくんだけ、こんなに我慢できないのは…」
うっとりとエースくんのたくましい腕に腕を絡めて頬を預ける。
あったかいエースくんの温もり。硬くて柔らかい何とも言えない筋肉の感触。
エースくんは私の回答に満足したのか、はっと一つ笑って、「…そうかよ。ならいい」と言ってまた耐えるように眉を寄せる。
エースくんも限界いっぱいで耐えているかのようで、ふぅー…とついたため息が震えている。顔が赤くて、まるで興奮している獣のようでドキドキしてしまう。
ああ、こんなに近くにエースくんの体。このたくましい腕に抱かれたら、ぎゅうっと抱きしめられたらどんな気持ちになれるか。
「ねぇ、エースくんお願い。ぎゅってしてほしい。…私を抱きしめて」
「……」
エースくんに自分から抱き着きながらお願いする。こんなに密着できるだけで幸せだけど、エースくんの腕に包まれながら、力強い抱擁を感じたい。
「……だめだ」
「…っ、エースくん…」
「俺から触れたら、止まんなくなる。だからダメだ」
!!ビリビリと、エースくんの言葉に衝撃を感じた。
それって、それって。そういう意味だよね。エースくんも興奮して私に触りたくなってるって意味だよね。
「エースくん…!私に興奮してくれてるの…?嬉しい…っ」
「~~~…煽んじゃねぇ。とにかくダメなもんはダメだ」
「どうして?私ならいつでもエースくんに捧げる準備はできてるよ…」
エースくんにぎゅうっと抱き着き、幸福に目を閉じてうっとりする。たぶんそこら中にハートが散っていることだろう。
これだけ身を寄せているように、エースくんの腕はだらりと脱力したままで私にされるがままだ。私に触れようとはしてくれない。
どうして?と彼を上目で見れば、彼はうっとたじろいだように目線を反らし、ぽつりと「…用意がねぇ」といった。
きゅん、と私の心がまたときめいた音がした。どこまで紳士なの。
「用意ってゴムのこと?ゴムがないから悪いって思ってくれてるの…?」
「…なんで言うんだよ…。…そうだよ、だから今日はしねぇ」
「エースくん…!嬉しいっ!でも、私エースくんとなら生でもいいよ…!」
サボ兄がいたら、情緒のかけらもないだとかはしたないだとかうるさく言われるんだろう。だけど全部本音だ。
エースくんだったらゴムなしで繋がったっていいくらい、全部を捧げられる。
「…馬鹿、そういうわけにはいかねぇだろ。お前に負担かけらんねぇ」
「エースくん…いいのに…。私がサボ兄の妹だから、気にしてるの?」
「そういう問題じゃねぇ。だいたい俺の方が前から…」
あ。ハッとした顔でエースくんがまた視線をそらした。
今、俺の方が前から…って言いかけた。前から…?前からって…。
「エースくん、前からって…もしかして私のこと…!?」
「…っ、なんでもねぇよ!」
「え!?えっ、ねぇじゃあ、次はゴム用意してくれてるってこと!?そしたら次はエッチしてくれるの!?ねぇエースくん!」
「…っもう今日は終わりだ!」
「!?あぁぁ~~~っもうちょっと待ってえ~」
無慈悲にシャツを着てボタンをかけていってしまうエースくん。
あぁ…あぁぁ。筋肉が…シャツに隠れていく。まだ背中見てないのに…。
理科準備室を出ようとするエースくんに、しおしおとなりながら最後のお願いをしてみる。
「ぐす…エースくん。…帰りは一緒に…」
「……あー…。俺はいいけど、お前の兄貴がどういうか」
「……う」
確かに。冷静に考えてみれば、今この瞬間はうまくサボ兄をまけたわけだけど、帰りにはまた同じクラスにサボ兄がいる。
というか今日、家に帰ったら酷く面倒なことになるような気しかしない。
はぁ…と深いため息をついたら、エースくんが「お前も大変だな」なんて同情してくれた。そうして私の先を歩く、エースくんのたくましい背中。
「……」
やっぱり背中の肉づきもシャツの上からでもわかるほど素晴らしい。今までこんなふうにまじまじと見たことがなかったから気づかなかった。
「エースくんっ!!」
目の前のたくましい背中に助走をつけてタックルをかます。
――とりあえず今は、目先の欲求にまっすぐに。
END.
「きん…え?」
聞き返してきたエースくんにこてんと首をかしげる。私何か変なこと言ったかな?
何か驚いているエースくんには申し訳ないけど、あの素晴らしい体つきを目前にして黙っちゃいられない。次々と見るところが多すぎて忙しい。
制服のシャツ1枚を少し気崩して首にチョーカーをつけているエースくん。首筋からセクシーな鎖骨が見えています。
制服を着ているのにがっしりとした肩幅がわかります。うんうん、素敵!!
「あー…エース。その、なんつーか悪ぃ」
「おいサボ。お前の妹どうした。一夜で何があった」
「実はこの間の学祭の写真を見せたらこいつがお前の筋肉に惚れたらしくてな…。ほら、カタルそこまでだ。ここは外だぞ、脱がすんじゃねぇ」
サボ兄がエースくんと話しているうちにとさりげなくエースくんのシャツのボタンを一つ、二つと外してみたけど、さすがにサボ兄に首根っこ掴まれて止められた。
くそ。学校まで我慢するか。
―――
衝撃は突然。サボ兄の部屋に飾ってあった学祭の写真。
肉体美コンテストとやらでエースくんが優勝したらしく、その時の写真だ。上半身裸のエースくん。
それがなんのコンテストの写真か聞くまでもなく、一目見てそのエースくんの体つきに惚れてしまった。美しくバランスのいい筋肉。たくましく、いかにも男性らしさを体現したような体つき。
エースくんは普段からサボ兄と仲が良かったからしょっちゅう家にも遊びに来てた。
でもまさか、あの制服の下にこんな肉体美を隠していたなんて。
「…サボ兄。エースくんてめちゃめちゃかっこいいね。特にこの筋肉」
「え?お前エースが好きなの…?」
「たった今惚れた。筋肉やばいね。ねぇ今度触らせてもらうように頼んで」
サボ兄はなぜかこの世の終わりだというくらいショックを受けた顔をしていた。なんで?
かと思えば「エースは確かにいいやつさ…。だけど…」なんてぶつぶつ言い始める。
「っ、カタル…!いくらエースでもお前をやるなんて兄ちゃん…まだ決断しきれねぇ…!」
「出たシスコン」
「あぁ、お前が可愛いのは認めるさ。筋肉ならほら、兄ちゃんだって鍛えてて結構すごいぞ」
「……」
そう言って勝手に服を脱いで裸を見せつけてくるサボ兄。どういう状況なんだろう。
だけど素直に興味があったから私も黙ってサボ兄の裸――その筋肉をじっと見る。
「……なんか薄い」
「っ!!!」
「確かに鍛えられてるけど、厚みがないなぁ。細マッチョって感じ。私はエースくんみたいな分厚いたくましい感じが好きなんだよねぇ。でもそういうのが好きな子も多いと思うよ」
固まっているサボ兄からエースくんの写真に目線を戻し、ぽー…と頬をピンクに染める。
後ろでサボ兄が砂のようにサラサラと流れていきそうな顔をしていたけど、それに気づくのはだいぶ時間がたってからだったりする。
―――
そして今日。生エースくんを見て、私の好奇心はさらに抑えきれないものになる。
あのシャツの下にむちむちとした筋肉が隠れていると考えただけで、あの制服が邪魔で邪魔で仕方ない。
昼休みになるとすぐ。私はダッシュで3年生の教室―もちろんエースくんがいるクラスに駆け込んでいた。
エースくんを発見。サボ兄と話している。ダッシュで近寄りその助走のまま、エースくんのたくましい体めがけて突進。
「エースくんっ!!」
「ッわ!?カタル!?」
突然の私のタックルに当然驚いた様子のエースくん。でも女の子に触れ慣れていないのか、抱き着いてきた私を振り払うのも離そうとするのもどうしたらいいものかわからない様子で、手が宙をさまよっている。
ああ、そんなところも可愛らしいエースくん。ぎゅうっと思い切り抱き着く。たくましくて硬い胸板にすりすりと頬ずりをするとエースくんの顔がかぁっと赤くなった。
「な、なん、っ…とりあえず離れろ!」
「…っカタル!バカお前っ、離れなさい!」
「やだ~~」
呆けていたサボ兄もハッと気を取り戻した様子でエースくんから私を引きはがそうとしてくる。どこまでも邪魔をしてくる兄貴め。
すると、周りからはヒュゥ~♪と囃し立てるような口笛と声。「エース!お前彼女いたのかよ!」「積極的~!」と様々な声で私たちのことを口々に言い始める。
エースくんは赤い顔のまま「ばかっ、ちげぇよ!」なんて言ってるけど、それでも強引に私を引きはがそうとはしない。優しいんだ、そういうところもすごく素敵。
「エースくん、二人になれるところに行こう…」
「っ!?」
厚い胸板に頬をたっぷり押し付けてうっとりした表情でエースくんに懇願する。
周りの目なんて関係ない。こんなたくましい筋肉に触れて、もうこれ以上我慢しろなんて言う方が無理。はやく脱いでもらって色んな箇所の筋肉たちに触れたい。
きっと自分もみたことないくらいだらしない顔をしているんだろう。エースくんは赤い顔のまま呆気にとられたのか力が抜けたようで、私が腕を絡めて引っ張るとそのまま着いてきてくれた。
後ろでサボ兄が「待てカタル!」なんて追いかけようとしたところを、周りの女子たちに「サボ~それはさすがに野暮でしょ~」と止めてくれているのが見えた。女子ナイス。さすが。
エースくんをぐいぐいと引っ張って、私のお気に入りの隠れ部屋である理科準備室にエースくんと二人で入る。
理科担当の先生がいつも適当で、部屋にまともに鍵もかけなければ手入れもしていず、ほとんど人通りがないのはずいぶん前から知っている。ここは最高のさぼりスポットだ。
「おい、お前ちょっと落ち着け…」
「無理…っ落ち着いてなんていられないよ…」
後ろ手に鍵をかければここはもう私とエースくんしかいない密室。
未だに私への対応をどうすればいいか考えている様子のエースくんに、力づくで来ないのをいいことに私はぐいぐいと彼の体を押して壁へと追い詰める。
「エースくん…急にごめんね。でも我慢できなくて…」
「…っ、お前、」
「ちょっとだけ。ちょっとだけでいいから、触らせて…」
するり、彼のシャツの上からそっと筋肉の輪郭を撫でてみる。胸板から腹筋にかけてまで硬く、それでも圧してみると指先にわずかな柔らかさも感じる柔軟な筋肉。
指は我慢できないといった様子ですぐに彼の襟まで移動して、ぷち、ぷちとシャツのボタンをはずしていく。ボタンを全部外し、はらりと彼の胸から腹部までがすらっと見えて、一気に鼓動が早くなった。はぁ、はぁと自分の息が荒くなっていくのがわかる。
「あ…、あ…エースくんの筋肉…!すごい…」
「、」
首筋から鎖骨、肩にかけての綺麗なラインを指先でなぞり、はらりと彼のシャツを肩から撫でるように落とせば彼のたくましい肩、腕の筋肉が見える。
サボ兄より分厚い、大きな肩。うっとりとその筋肉を撫で、太い腕を両手で包むようにぴたぴたと触って上から下へと筋肉を撫でていく。
エースくんは、くすぐったいのか時々ピクッと揺れては何かに耐えるように歯を食いしばっている。
「エースくん…、くすぐったい?ごめんね。でも、もうちょっと…もうちょっとだけ…」
「…っ、カタルお前、…他の男にもこんなことしてんのか?…サボは知ってんのかよ」
「筋肉だけでこんなに惹かれるのはエースくんだけだよ…。他の人にはこんな風に触らせてほしいなんて思わない…。エースくんだけ、こんなに我慢できないのは…」
うっとりとエースくんのたくましい腕に腕を絡めて頬を預ける。
あったかいエースくんの温もり。硬くて柔らかい何とも言えない筋肉の感触。
エースくんは私の回答に満足したのか、はっと一つ笑って、「…そうかよ。ならいい」と言ってまた耐えるように眉を寄せる。
エースくんも限界いっぱいで耐えているかのようで、ふぅー…とついたため息が震えている。顔が赤くて、まるで興奮している獣のようでドキドキしてしまう。
ああ、こんなに近くにエースくんの体。このたくましい腕に抱かれたら、ぎゅうっと抱きしめられたらどんな気持ちになれるか。
「ねぇ、エースくんお願い。ぎゅってしてほしい。…私を抱きしめて」
「……」
エースくんに自分から抱き着きながらお願いする。こんなに密着できるだけで幸せだけど、エースくんの腕に包まれながら、力強い抱擁を感じたい。
「……だめだ」
「…っ、エースくん…」
「俺から触れたら、止まんなくなる。だからダメだ」
!!ビリビリと、エースくんの言葉に衝撃を感じた。
それって、それって。そういう意味だよね。エースくんも興奮して私に触りたくなってるって意味だよね。
「エースくん…!私に興奮してくれてるの…?嬉しい…っ」
「~~~…煽んじゃねぇ。とにかくダメなもんはダメだ」
「どうして?私ならいつでもエースくんに捧げる準備はできてるよ…」
エースくんにぎゅうっと抱き着き、幸福に目を閉じてうっとりする。たぶんそこら中にハートが散っていることだろう。
これだけ身を寄せているように、エースくんの腕はだらりと脱力したままで私にされるがままだ。私に触れようとはしてくれない。
どうして?と彼を上目で見れば、彼はうっとたじろいだように目線を反らし、ぽつりと「…用意がねぇ」といった。
きゅん、と私の心がまたときめいた音がした。どこまで紳士なの。
「用意ってゴムのこと?ゴムがないから悪いって思ってくれてるの…?」
「…なんで言うんだよ…。…そうだよ、だから今日はしねぇ」
「エースくん…!嬉しいっ!でも、私エースくんとなら生でもいいよ…!」
サボ兄がいたら、情緒のかけらもないだとかはしたないだとかうるさく言われるんだろう。だけど全部本音だ。
エースくんだったらゴムなしで繋がったっていいくらい、全部を捧げられる。
「…馬鹿、そういうわけにはいかねぇだろ。お前に負担かけらんねぇ」
「エースくん…いいのに…。私がサボ兄の妹だから、気にしてるの?」
「そういう問題じゃねぇ。だいたい俺の方が前から…」
あ。ハッとした顔でエースくんがまた視線をそらした。
今、俺の方が前から…って言いかけた。前から…?前からって…。
「エースくん、前からって…もしかして私のこと…!?」
「…っ、なんでもねぇよ!」
「え!?えっ、ねぇじゃあ、次はゴム用意してくれてるってこと!?そしたら次はエッチしてくれるの!?ねぇエースくん!」
「…っもう今日は終わりだ!」
「!?あぁぁ~~~っもうちょっと待ってえ~」
無慈悲にシャツを着てボタンをかけていってしまうエースくん。
あぁ…あぁぁ。筋肉が…シャツに隠れていく。まだ背中見てないのに…。
理科準備室を出ようとするエースくんに、しおしおとなりながら最後のお願いをしてみる。
「ぐす…エースくん。…帰りは一緒に…」
「……あー…。俺はいいけど、お前の兄貴がどういうか」
「……う」
確かに。冷静に考えてみれば、今この瞬間はうまくサボ兄をまけたわけだけど、帰りにはまた同じクラスにサボ兄がいる。
というか今日、家に帰ったら酷く面倒なことになるような気しかしない。
はぁ…と深いため息をついたら、エースくんが「お前も大変だな」なんて同情してくれた。そうして私の先を歩く、エースくんのたくましい背中。
「……」
やっぱり背中の肉づきもシャツの上からでもわかるほど素晴らしい。今までこんなふうにまじまじと見たことがなかったから気づかなかった。
「エースくんっ!!」
目の前のたくましい背中に助走をつけてタックルをかます。
――とりあえず今は、目先の欲求にまっすぐに。
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