即興SS
※189話の前の話
俺は自分を解放してくれる人を毎晩のように探し続けた。自由になりたい、ただその一心だった。自分でどうにもならないことを誰かに頼って変えてもらおうとするおこがましさに内心辟易しつつ、だが他に方法など思いつかなかった。ケロン軍の厳重な管理の下、兵舎を抜け出すなどあまりに命がけで、だがそうでもしなければここから逃げ出すことなどできない。死ぬのが怖くてアサシンなどやっていられるものか。真夜中に兵舎を、そして星を抜け出し地球へ向かう。俺を救い出せるのは、あのゼロロしか居ないと思ったのだ。
ゼロロはケロロ小隊に配属され、地球侵略に向かった先でドロロと名を変えたそうだ。詳細は知らない。支給された軍帽は忍者のような頭巾に形を変え、銀色の腕輪も腰に下げた短刀へと変わっていた。
死ぬために戦場へ向かうような気持ちで地球へ降りた。ケロンとはまるで違う、噂通りの片田舎の星だった。ゼロロなら、そう思った。ゼロロなら青く綺麗な星だと感想を漏らすだろう。俺は今から殺されに行く相手のことを考えながら地球を眺めていた。
青い、汚れを知らない目。ゼロロの澄んだ綺麗な瞳は決してアサシンの目ではなく、天使。あれは天使の目だ。俺を救い出してくれる天使の目。ゼロロなら俺を天国へ救い出してくれる。そして俺はアサシンとしての人生を終わらせる。そして残りの人生を、「生きて」みたい。何人もの人を傷つけ、殺めてきた長い鉄の指をその短剣で切り落として欲しい。自由になりたいと思ったのはあの時ゼロロを除隊させたときから芽生えた、今まで知らなかった感情だった。籠の中の青い鳥は自由に羽を広げたのだ。
降り立ったのは田舎の山奥だった。草が生い茂り視界が悪い。まだ日の出ていない薄靄の中を進む。今頃目を覚ました隊員たちが大慌てで俺を捜索している頃だろう。数時間後には俺は脱走兵として宇宙中で指名手配される。見つかりようがないような田舎の星でのんびり暮らすのも悪くない。だが、俺は。本心ではもう一度、ゼロロに会いたかった。ゼロロがケロロ小隊として地球に行く前のパレードには密かに足を運んでいた。だが声をかけるのは何か違うような気がして、ただ大きなモニターからゼロロの姿を眺めることしかできなかった。だから直接ゼロロと会うのは実に数百年ぶりのことだった。ゼロロが俺を忘れていることはないだろう。蜘蛛の巣に捕らわれる夢を未だに見ているかもしれない。
空からわずかに太陽の光が差し込んでいたが、空気は冷たく乾いていた。もうすぐ、俺は望み続けた自由を手に入れられる。それはゼロロが、ドロロが叶えてくれる……。天使の目が俺を見つめて、心ごと射抜く。天国への道はすぐそこにあった。
俺は自分を解放してくれる人を毎晩のように探し続けた。自由になりたい、ただその一心だった。自分でどうにもならないことを誰かに頼って変えてもらおうとするおこがましさに内心辟易しつつ、だが他に方法など思いつかなかった。ケロン軍の厳重な管理の下、兵舎を抜け出すなどあまりに命がけで、だがそうでもしなければここから逃げ出すことなどできない。死ぬのが怖くてアサシンなどやっていられるものか。真夜中に兵舎を、そして星を抜け出し地球へ向かう。俺を救い出せるのは、あのゼロロしか居ないと思ったのだ。
ゼロロはケロロ小隊に配属され、地球侵略に向かった先でドロロと名を変えたそうだ。詳細は知らない。支給された軍帽は忍者のような頭巾に形を変え、銀色の腕輪も腰に下げた短刀へと変わっていた。
死ぬために戦場へ向かうような気持ちで地球へ降りた。ケロンとはまるで違う、噂通りの片田舎の星だった。ゼロロなら、そう思った。ゼロロなら青く綺麗な星だと感想を漏らすだろう。俺は今から殺されに行く相手のことを考えながら地球を眺めていた。
青い、汚れを知らない目。ゼロロの澄んだ綺麗な瞳は決してアサシンの目ではなく、天使。あれは天使の目だ。俺を救い出してくれる天使の目。ゼロロなら俺を天国へ救い出してくれる。そして俺はアサシンとしての人生を終わらせる。そして残りの人生を、「生きて」みたい。何人もの人を傷つけ、殺めてきた長い鉄の指をその短剣で切り落として欲しい。自由になりたいと思ったのはあの時ゼロロを除隊させたときから芽生えた、今まで知らなかった感情だった。籠の中の青い鳥は自由に羽を広げたのだ。
降り立ったのは田舎の山奥だった。草が生い茂り視界が悪い。まだ日の出ていない薄靄の中を進む。今頃目を覚ました隊員たちが大慌てで俺を捜索している頃だろう。数時間後には俺は脱走兵として宇宙中で指名手配される。見つかりようがないような田舎の星でのんびり暮らすのも悪くない。だが、俺は。本心ではもう一度、ゼロロに会いたかった。ゼロロがケロロ小隊として地球に行く前のパレードには密かに足を運んでいた。だが声をかけるのは何か違うような気がして、ただ大きなモニターからゼロロの姿を眺めることしかできなかった。だから直接ゼロロと会うのは実に数百年ぶりのことだった。ゼロロが俺を忘れていることはないだろう。蜘蛛の巣に捕らわれる夢を未だに見ているかもしれない。
空からわずかに太陽の光が差し込んでいたが、空気は冷たく乾いていた。もうすぐ、俺は望み続けた自由を手に入れられる。それはゼロロが、ドロロが叶えてくれる……。天使の目が俺を見つめて、心ごと射抜く。天国への道はすぐそこにあった。
