即興SS
痛いなどと考えてしまえば更に痛くなる気がして、気を紛らわそうと景色を見た。砂利の上に煙が立ち、ひどく天気が悪い。単独行動を終え、俺はゼロロと合流すべく目的地へ向かっていた。だがどんなに気を紛らわせようと痛いものは痛かった。体を改造してもなお生身の体は正直に痛みを訴えて来た。口に巻いていた包帯を引きちぎり止血をしてみたが、包帯に滲んだ鮮血が生々しく痛んだ。俺は右腕をそっと撫でる。腕は爆風で切れた。ただそれだけなのに傷が深かったのか、血が止まることはなく今も包帯に滲み出していた。
目的地にはすでにゼロロがいた。一人、曇った空を見上げていた。俺は通信機でゼロロと合流したことを伝えた。
「随分遅いから心配したよ……って、どうしたのその腕」
ゼロロは俺の腕を見ながら目を丸くした。俺は腕を見た。
「かすり傷だ……」
ゼロロは俺に近づくとそっと腕に触れた。そして傷をまじまじと見る。
「ちゃんと止血できてないよ。包帯はこれしかないの?」
俺は包帯を転送した。ゼロロはその包帯を取ると器用に俺の腕に巻き出した。その真剣な顔が伊達にアサシンじゃないなと思ったりした。今行動を別にした時間でこいつは何人もの命を奪ったのだろう。
「これでよし」
ぎゅっと包帯を結ぶ。白い清潔な包帯がしっかりと止血をしているようだった。
「……すまん」
「いいよ。君は包帯の扱いが下手みたいだし」
ゼロロはさらりとそう言ってのけた。鼻につく台詞も今は気にならなかった。それくらい腕が痛んだ。生身の体がこんなにも弱いものだったことを改めて思い知った。
「……痛む?」
ゼロロは俺の顔を覗き込んだ。俺は顔を離す。ゼロロは包帯越しに俺の腕に触れた。
「痛いの痛いのとんでいけ!」
そう言って手を空に向かって振り上げた。ひどく子供じみた、とてもここが戦場とは思えない言動だった。馬鹿みたいに呑気で俺は思わず呆れてしまった。
「なんだ、それは……」
「何って、おまじない」
ゼロロは至って真面目な顔をして言った。何も言い返す気になれず、俺はゆっくりと歩き出した。ゼロロが慌てたように着いてくる。確かに、呆れてるほんの少しの間は痛みを感じなかったかもしれない。だがいい大人がそう子ども扱いされるのは癪だった。俺は腕をちらりと見る。血が止まったのか、包帯は白く綺麗なままだった。
目的地にはすでにゼロロがいた。一人、曇った空を見上げていた。俺は通信機でゼロロと合流したことを伝えた。
「随分遅いから心配したよ……って、どうしたのその腕」
ゼロロは俺の腕を見ながら目を丸くした。俺は腕を見た。
「かすり傷だ……」
ゼロロは俺に近づくとそっと腕に触れた。そして傷をまじまじと見る。
「ちゃんと止血できてないよ。包帯はこれしかないの?」
俺は包帯を転送した。ゼロロはその包帯を取ると器用に俺の腕に巻き出した。その真剣な顔が伊達にアサシンじゃないなと思ったりした。今行動を別にした時間でこいつは何人もの命を奪ったのだろう。
「これでよし」
ぎゅっと包帯を結ぶ。白い清潔な包帯がしっかりと止血をしているようだった。
「……すまん」
「いいよ。君は包帯の扱いが下手みたいだし」
ゼロロはさらりとそう言ってのけた。鼻につく台詞も今は気にならなかった。それくらい腕が痛んだ。生身の体がこんなにも弱いものだったことを改めて思い知った。
「……痛む?」
ゼロロは俺の顔を覗き込んだ。俺は顔を離す。ゼロロは包帯越しに俺の腕に触れた。
「痛いの痛いのとんでいけ!」
そう言って手を空に向かって振り上げた。ひどく子供じみた、とてもここが戦場とは思えない言動だった。馬鹿みたいに呑気で俺は思わず呆れてしまった。
「なんだ、それは……」
「何って、おまじない」
ゼロロは至って真面目な顔をして言った。何も言い返す気になれず、俺はゆっくりと歩き出した。ゼロロが慌てたように着いてくる。確かに、呆れてるほんの少しの間は痛みを感じなかったかもしれない。だがいい大人がそう子ども扱いされるのは癪だった。俺は腕をちらりと見る。血が止まったのか、包帯は白く綺麗なままだった。
