その他
「風邪引いちゃうよ」
そう言って幼いゼロロが薄紫色の傘を俺に差し出した日のことを思い出していた。あの日は確か帰り道の途中まで一つの傘に二人で入っていた。断っても強引にゼロロに傘に入れられたような気がする。俺はゼロロと違って雨に濡れたくらいで風邪など引かない。それよりも男二人で一つの傘に入るほうが恥ずかしいと思ったのだった。
テントに打ち付ける雨音は強さを増している。今日は朝からずっと雨が降っていた。夜になってドロロがテントを訪ねた時も軍帽の裾がしっとりと濡れていた。あの頃とは違う、丈夫になった体。だが柔和な笑みは何も変わらない。ドロロの水滴のついた体をタオルで拭いた。すっかり冷えていて流石に風邪を引くんじゃないかと思った。だがドロロはあっけらかんと病は気からなどと言うのだった。
テントの中で体を重ねたあと、ドロロは何度も愛おしむようなキスを繰り返していた。今だけは武器を磨く手を止めてドロロに付き合った。愛されているな、と思う。ドロロの指が俺の指に絡みつく。俺はそれを握ってやるとドロロはふふと笑った。
「今日のギロロ君、ずっと手を握ってたね」
「そ、そうか」
俺はドロロから目を逸らす。ドロロの指が俺の指をリズミカルに握る。
「昔二人で一つの傘で帰った時のこと覚えてる?」
俺はその言葉で先ほどの記憶を再び思い起こした。
「嫌がるギロロ君の手を僕が握ってたんだよ」
そんなことがあったのか俺にはいまいち思い出せなかった。ドロロは俺の手を開く。そしてぴったりと自分の手をくっつけた。同じ大きさの手が綺麗に重なった。
「今日はギロロ君が僕の手を握ってくれて嬉しい」
ドロロの指が折り曲げられ俺の手を握る。俺はその手を受け止めるように握り返すとドロロは満足そうに笑った。
「傘、要らないのか」
俺はドロロの背中に言う。手元にあった黒い傘をドロロに差し出した。ドロロは傘を受け取ると「明日返しに来るね」と言ってテントを出た。俺は明日か、と呟く。今まで隣にいたというのに早くも明日が待ち遠しくなった。俺は床に寝そべる。すっかり冷えた体温。脳裏には笑うドロロの顔。打ち付ける雨音よりも強い愛情がそこにはあった。
そう言って幼いゼロロが薄紫色の傘を俺に差し出した日のことを思い出していた。あの日は確か帰り道の途中まで一つの傘に二人で入っていた。断っても強引にゼロロに傘に入れられたような気がする。俺はゼロロと違って雨に濡れたくらいで風邪など引かない。それよりも男二人で一つの傘に入るほうが恥ずかしいと思ったのだった。
テントに打ち付ける雨音は強さを増している。今日は朝からずっと雨が降っていた。夜になってドロロがテントを訪ねた時も軍帽の裾がしっとりと濡れていた。あの頃とは違う、丈夫になった体。だが柔和な笑みは何も変わらない。ドロロの水滴のついた体をタオルで拭いた。すっかり冷えていて流石に風邪を引くんじゃないかと思った。だがドロロはあっけらかんと病は気からなどと言うのだった。
テントの中で体を重ねたあと、ドロロは何度も愛おしむようなキスを繰り返していた。今だけは武器を磨く手を止めてドロロに付き合った。愛されているな、と思う。ドロロの指が俺の指に絡みつく。俺はそれを握ってやるとドロロはふふと笑った。
「今日のギロロ君、ずっと手を握ってたね」
「そ、そうか」
俺はドロロから目を逸らす。ドロロの指が俺の指をリズミカルに握る。
「昔二人で一つの傘で帰った時のこと覚えてる?」
俺はその言葉で先ほどの記憶を再び思い起こした。
「嫌がるギロロ君の手を僕が握ってたんだよ」
そんなことがあったのか俺にはいまいち思い出せなかった。ドロロは俺の手を開く。そしてぴったりと自分の手をくっつけた。同じ大きさの手が綺麗に重なった。
「今日はギロロ君が僕の手を握ってくれて嬉しい」
ドロロの指が折り曲げられ俺の手を握る。俺はその手を受け止めるように握り返すとドロロは満足そうに笑った。
「傘、要らないのか」
俺はドロロの背中に言う。手元にあった黒い傘をドロロに差し出した。ドロロは傘を受け取ると「明日返しに来るね」と言ってテントを出た。俺は明日か、と呟く。今まで隣にいたというのに早くも明日が待ち遠しくなった。俺は床に寝そべる。すっかり冷えた体温。脳裏には笑うドロロの顔。打ち付ける雨音よりも強い愛情がそこにはあった。
