その他

 基本的にクルルがラボから出ることはない。となれば必然的にドロロがクルルのラボを訪ねることとなる。今日もまた例に漏れずドロロはクルルのラボを訪ねた。
「クルル殿、拙者でござるよ」
 クルルの顔面をあしらったラボの扉を軽くノックして名前を呼ぶとシルバーの扉が開く。椅子に座ったクルルの背中がドロロを待ち受ける。そのドロロの顔はどこか不服そうだった。
「また隊長に何か言われたのかよ」
 クルルが振り返りながら言う。ドロロはこくりと頷いた。ドロロがクルルのラボに行くには軍曹ルームを経由する必要がある。その度ドロロにケロロにからかわれるのだ。ドロロは溜め息混じりにクルルに言った。
「たまにはクルル殿も外に出て欲しいでござる」
「やなこった」
 だがその提案はあっさり断られてしまう。
「隠してても隊長には俺達がラボであんなことやこんなことしてるのバレバレッスよ」
「なっ……!」
 ドロロの顔が赤く染まる。分かりやすい反応にクルルは意地悪く笑う。
「俺だって隊長の部屋通らねェと外出れないんだよ」
「拙者は毎回隊長殿の部屋を通ってるのでござるよ!」
 ドロロの脳裏にケロロのにやついた顔が浮かぶ。またクルルのところでありますか、そんなことを言いたげな顔。ラボに足繁く通っては何をしているのか。そんなことを聞かれたら返す言葉はない。
「とにかく……」
 ドロロは咳払いをするとゆっくりとクルルの元へ歩いて行く。ラボの扉が閉まって二人だけの空間になる。
「もう、今は余計なこと考えないで」
 ドロロの手がクルルの手に触れる。何度も触れているというのに緊張しているのかその手は軽く汗ばんでいた。クルルの手がドロロの手を握り返すともう片方の手が口布に触れる。結び目が緩んではらりと床に落ちる。ドロロは少し目を伏せて赤い顔でクルルを見た。クルルの口角がにやりとつり上がる。ドロロがケロロに冷やかしを受けてでもここに来る理由はただ一つ。クルルの手がドロロの頬へ伸びる。ドロロのまぶたが応じるようにぎゅっとつぶられる。クルルの顔が近付いてぼそりと何かを呟いた。ドロロは小さく頷いてクルルの唇を受け入れた。
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