その他
春の長雨、またの名を春霖とも言う。乾燥した冬から一転して温暖な空気が湿る。桜を散らせる春の雨。リミッターをつけられたケロロのそばにドロロはいた。軍曹ルームで涎を垂らすケロロは情けない姿を晒しているが仕方がない。ケロロは湿度の高さであの頃と化してしまうため、リミッターを装着することを決められている。もしものために当番制で見張りをするのも小隊のルールだった。頭上の透明のポットの中に溜まった水滴が彼から湿気を吸い取っていた。ドロロからしたらそんなケロロが可愛く思えた。ちょっとだけ、昔を思い出す。無邪気だった頃のケロロの姿を。今はドロロの声が聞こえてるのかは分からないが、ドロロはケロロに向かって口を開く。
「ケロロ君、聞こえてる?」
あー、とだらしない声が漏れる。
「今の時期は雨が多いね。僕は雨が好きだけどケロロ君はこんな装置を付けられるからあんまり好きじゃないかな」
……今だけは僕がケロロ君を独り占めしてるみたいで、僕は結構好きだよ。なんて言ったらどんな顔をするだろう。本人には言えないが、ドロロは確かにそう思っていた。
「春の雨って綺麗だよね、しとしとっていう表現がよく似合って……」
この部屋に窓はないから外は見えない。せっかく二人きりになれたのだからいつものケロロ君でいて欲しい。ドロロは思わずリミッターを外してしまいたくなった。だが暴走したケロロはドロロでも手に負えない。
「ごめんね」
ケロロはただじっとドロロを見つめるだけ。黒い目がじっとドロロを見る。赤子のような姿になったケロロにドロロは母性のようなものが芽生えそうになる。ドロロはケロロの手を握って名前を呼んだ。そっとタオルでよだれを拭いてやる。ケロロはゆっくりとリミッターを指さした。
「これは外せないよ」
ケロロ君はリミッターを外そうと手をかけるがドロロはそれを押さえる。
「ケロロ君が暴走したら誰が止めるの?」
あの頃のケロロが蘇って無性に恋しくなった。ドロロはケロロの手元にあったニッパーを渡す。するとケロロは楽しそうにニッパーを握った。
「雨が止むまで我慢してね」
屋根に落ちる柔らかな雨の音がする。もうすぐ交代の時間だ。モアがガンプラを持ってやって来るだろう。一日一個のガンプラを見て目を輝かせるケロロをドロロは思う。少しだけ、いつもこうならいいのにと思った。今のケロロ君なら自分の好きにできる。それが叶ってしまう。ドロロはケロロの手を握る。自分と同じ大きさの手は柔らかく弾力があった。ドロロ膝立ちになってケロロに顔を近付ける。もう片方の手で頬に触れた。このままリミッターを外してしまおうか。いっそこのまま自分を独り占めして欲しい。
「おじさま、ガンプラの時間ですよ」
背後からモアの声がしてドロロは慌てて手を離す。
「隊長殿に異常は無し、引き継ぎを頼むでござる」
「了解です、ドロロさん」
モアの手にあるガンプラの箱を見つけケロロはキラキラと目を輝かせた。所詮ガンプラの方が大事なのかとドロロはそっと身を引こうとドアへと歩いた。
「ケロロ君、聞こえてる?」
あー、とだらしない声が漏れる。
「今の時期は雨が多いね。僕は雨が好きだけどケロロ君はこんな装置を付けられるからあんまり好きじゃないかな」
……今だけは僕がケロロ君を独り占めしてるみたいで、僕は結構好きだよ。なんて言ったらどんな顔をするだろう。本人には言えないが、ドロロは確かにそう思っていた。
「春の雨って綺麗だよね、しとしとっていう表現がよく似合って……」
この部屋に窓はないから外は見えない。せっかく二人きりになれたのだからいつものケロロ君でいて欲しい。ドロロは思わずリミッターを外してしまいたくなった。だが暴走したケロロはドロロでも手に負えない。
「ごめんね」
ケロロはただじっとドロロを見つめるだけ。黒い目がじっとドロロを見る。赤子のような姿になったケロロにドロロは母性のようなものが芽生えそうになる。ドロロはケロロの手を握って名前を呼んだ。そっとタオルでよだれを拭いてやる。ケロロはゆっくりとリミッターを指さした。
「これは外せないよ」
ケロロ君はリミッターを外そうと手をかけるがドロロはそれを押さえる。
「ケロロ君が暴走したら誰が止めるの?」
あの頃のケロロが蘇って無性に恋しくなった。ドロロはケロロの手元にあったニッパーを渡す。するとケロロは楽しそうにニッパーを握った。
「雨が止むまで我慢してね」
屋根に落ちる柔らかな雨の音がする。もうすぐ交代の時間だ。モアがガンプラを持ってやって来るだろう。一日一個のガンプラを見て目を輝かせるケロロをドロロは思う。少しだけ、いつもこうならいいのにと思った。今のケロロ君なら自分の好きにできる。それが叶ってしまう。ドロロはケロロの手を握る。自分と同じ大きさの手は柔らかく弾力があった。ドロロ膝立ちになってケロロに顔を近付ける。もう片方の手で頬に触れた。このままリミッターを外してしまおうか。いっそこのまま自分を独り占めして欲しい。
「おじさま、ガンプラの時間ですよ」
背後からモアの声がしてドロロは慌てて手を離す。
「隊長殿に異常は無し、引き継ぎを頼むでござる」
「了解です、ドロロさん」
モアの手にあるガンプラの箱を見つけケロロはキラキラと目を輝かせた。所詮ガンプラの方が大事なのかとドロロはそっと身を引こうとドアへと歩いた。
