ゾルゼロ
昼寝から覚めると嫌な汗をかいていた。枕にこもった湿気はじっとりと熱く、妙な気持ちを起こさせた。ゼロロはベッドの上で溜め息を吐く。それはせっかくの休暇を台無しにしてしまった、そんな思いからだった。
ゼロロは密かにゾルルを思っていた。口を開けば喧嘩ばかりをする相手にそのような感情を抱くのは自分でも理解できなかった。だが更に理解できなかったのはあろうことか、そのゾルルに抱かれる夢を見たことである。長年の禁欲生活のせいか淫夢を見ることは少なくなかった。だがなぜよりによってあいつなのだろう。ゼロロは頭を抱えた。普段は少しでもゾルルのことを考えないように気を紛らわせている。しかし夢というのは願望を映し出すものだ。それが裏目に出たかのように押し込めたゼロロの欲望を容赦なく明かしていく。
突然、ノックもなしに部屋のドアが開いた。そこに立っていたのはゾルル本人だった。
「……何の用?」
ゼロロは気まずさから目を逸らす。あんな夢を見たばかりで直接会うなどと思いもしなかった。
「書類を預かっている……」
ゾルルの手には分厚い書類があった。彼はそれをテーブルの上に置くとゼロロをじっと見る。
「今日中に、読んでおけ……」
「分かった」
ゼロロにはその視線がやけに粘ついて感じた。まるで心を見透かされているかのような。ゾルルはドアを開けたまま帰る気配がない。ただゼロロを見つめている。その様子から何かに気付いたようだった。
「……調子でも悪いのか?」
「え?」
思いも寄らない言葉だった。ベッドに寝ていたからそう思ったのか、はたまた視線や口調から感じだったのかゼロロには分からなかった。
「そんなことない。用が済んだなら帰ってよ」
ゾルルは何も言わず廊下へ出るとドアを閉めた。心配してくれたのだろうか。だとしたら少し申し訳ない言い方をしてしまった。ゼロロは頬を押さえる。頭を冷やさなければいけない。夢の記憶をなくさなければ。ベッドから降りると先ほどの書類に目を通す。だが文字を読もうにしても全く内容が頭の中に入ってこなかった。果たしてあの夢は自身の願望なのだろうか。あの冷たい腕に抱かれることを望んでいるのか。ゼロロはもう一つ溜め息を吐いて再び頭を抱えた。
ゼロロは密かにゾルルを思っていた。口を開けば喧嘩ばかりをする相手にそのような感情を抱くのは自分でも理解できなかった。だが更に理解できなかったのはあろうことか、そのゾルルに抱かれる夢を見たことである。長年の禁欲生活のせいか淫夢を見ることは少なくなかった。だがなぜよりによってあいつなのだろう。ゼロロは頭を抱えた。普段は少しでもゾルルのことを考えないように気を紛らわせている。しかし夢というのは願望を映し出すものだ。それが裏目に出たかのように押し込めたゼロロの欲望を容赦なく明かしていく。
突然、ノックもなしに部屋のドアが開いた。そこに立っていたのはゾルル本人だった。
「……何の用?」
ゼロロは気まずさから目を逸らす。あんな夢を見たばかりで直接会うなどと思いもしなかった。
「書類を預かっている……」
ゾルルの手には分厚い書類があった。彼はそれをテーブルの上に置くとゼロロをじっと見る。
「今日中に、読んでおけ……」
「分かった」
ゼロロにはその視線がやけに粘ついて感じた。まるで心を見透かされているかのような。ゾルルはドアを開けたまま帰る気配がない。ただゼロロを見つめている。その様子から何かに気付いたようだった。
「……調子でも悪いのか?」
「え?」
思いも寄らない言葉だった。ベッドに寝ていたからそう思ったのか、はたまた視線や口調から感じだったのかゼロロには分からなかった。
「そんなことない。用が済んだなら帰ってよ」
ゾルルは何も言わず廊下へ出るとドアを閉めた。心配してくれたのだろうか。だとしたら少し申し訳ない言い方をしてしまった。ゼロロは頬を押さえる。頭を冷やさなければいけない。夢の記憶をなくさなければ。ベッドから降りると先ほどの書類に目を通す。だが文字を読もうにしても全く内容が頭の中に入ってこなかった。果たしてあの夢は自身の願望なのだろうか。あの冷たい腕に抱かれることを望んでいるのか。ゼロロはもう一つ溜め息を吐いて再び頭を抱えた。
