ゾルゼロ
君はいつも何を考えてるの。そう問えば「貴様のことだ」と返ってくる。いつも近くにいるはずなのにゾルル君が何を考えているのか、僕にはちっとも分からない。だがその返答が僕をからかうものではないということは分かる。彼はそういう男だ。変にまっすぐで子供っぽくて、恥ずかしげもなく愛を囁く。見た目からは到底想像もできない。まるで子供がそのまま大人になってしまったようなちぐはぐさがそこにはあった。
今まで見てきたなかで思うことは、ゾルル君の感情は非常に特殊だということだった。心理学で言い表せるような単純さはまるでなく、一々複合的に相反する感情がぐちゃぐちゃに絡み合っているのだった。僕はその感情を見つけるたびに絡まった糸を解くようにそっと彼の心を紐解くのだった。ゾルル君は自分の感情に鈍く、自分が今どんな感情を抱いているのかさえ気付いていないこともよくあった。その度に僕はその感情を教えてはゾルル君は感情の名前を呟くのだった。
「君は本当に僕のことしか考えてないんだね」
嫌味のないよう心掛けて、優しい口調で発音するよう努めた。これは自惚れではない。事実なのだ。
「僕だって、君が思ってる以上に君のこと考えてるんだよ」
いつも見てるもの、そう付け足すとゾルル君は目を丸くして僕を見た。
「そう、なのか……」
僕の言葉が意外だったようで、ゾルル君はそのまま表情を戻すと僕をじっと見た。
「こういうときはありがとうって言うんだよ」
「フン……」
ゾルル君は鼻を鳴らすと僕に背を向けた。これは照れているのだと僕は背中から読み取った。複雑な感情を抱いている割には僕に見せる感情は単純で。それが妙に可愛らしくて僕はその背中に抱きつく。
「今何考えてるの」
「……重い」
それが彼なりの照れ隠しなのだと、僕は知っている。
今まで見てきたなかで思うことは、ゾルル君の感情は非常に特殊だということだった。心理学で言い表せるような単純さはまるでなく、一々複合的に相反する感情がぐちゃぐちゃに絡み合っているのだった。僕はその感情を見つけるたびに絡まった糸を解くようにそっと彼の心を紐解くのだった。ゾルル君は自分の感情に鈍く、自分が今どんな感情を抱いているのかさえ気付いていないこともよくあった。その度に僕はその感情を教えてはゾルル君は感情の名前を呟くのだった。
「君は本当に僕のことしか考えてないんだね」
嫌味のないよう心掛けて、優しい口調で発音するよう努めた。これは自惚れではない。事実なのだ。
「僕だって、君が思ってる以上に君のこと考えてるんだよ」
いつも見てるもの、そう付け足すとゾルル君は目を丸くして僕を見た。
「そう、なのか……」
僕の言葉が意外だったようで、ゾルル君はそのまま表情を戻すと僕をじっと見た。
「こういうときはありがとうって言うんだよ」
「フン……」
ゾルル君は鼻を鳴らすと僕に背を向けた。これは照れているのだと僕は背中から読み取った。複雑な感情を抱いている割には僕に見せる感情は単純で。それが妙に可愛らしくて僕はその背中に抱きつく。
「今何考えてるの」
「……重い」
それが彼なりの照れ隠しなのだと、僕は知っている。
