ゾルゼロ
宇宙人街で待っている。たった一言だけ、ゼロロに手紙を書いた。柄じゃないなと思う。果たしてゼロロは来るだろうか、そして俺はどうしてこんな手紙を書いたのか。
約束の日、手紙通り宇宙人街にゼロロは来た。奴は至極不審そうに俺を見て決して背中を見せることはなかった。警戒されるのも無理はない。あんな要件の分からない手紙に不信感を抱くのは当然だろう。しかし宇宙人街での戦闘は軍法違反だ。俺たちは無言のまま近くのバーに入った。カウンター席に並んで腰掛けるとそれぞれソフトドリンクを注文した。
「何用でござるか」
ゼロロが口を開く。その目は俺を見ない。青い瞳はじっとドリンクを捉えていた。
「俺を覚えているか」
ゼロロは答えなかった。ドリンクに手を付けて何か考え込んでいるようだった。簡単な質問なのだ、だというのに奴は答えを出さない。長い間俺は奴に自分の名前を言い続けていた。一向に覚える気がないのか、奴は決して俺の名前を呼ばない。いつまでもこのままでは埒が明かない。今日こそ俺の名前を覚えてもらう。俺の名前はゾルルだ、俺は口を開きかけた。
「用はそれだけでござるか、しからば御免!」
ゼロロは突如煙幕に包まれて消えた。煙が消えるとテーブルの上には空のコップと小銭だけが残されていた。俺は舌打ちをすると後を追うように店を後にした。
会うだけじゃ駄目なのだ、話をしたい、名前を覚えてほしい。そんな純粋な欲求がいつしかどす黒い感情に変わっていった。一番憎いはずなのに一番求めている。誰よりも愛おしくて手に入れたくてたまらない。憧れを超えた感情に俺は気付かないふりをしている。
約束の日、手紙通り宇宙人街にゼロロは来た。奴は至極不審そうに俺を見て決して背中を見せることはなかった。警戒されるのも無理はない。あんな要件の分からない手紙に不信感を抱くのは当然だろう。しかし宇宙人街での戦闘は軍法違反だ。俺たちは無言のまま近くのバーに入った。カウンター席に並んで腰掛けるとそれぞれソフトドリンクを注文した。
「何用でござるか」
ゼロロが口を開く。その目は俺を見ない。青い瞳はじっとドリンクを捉えていた。
「俺を覚えているか」
ゼロロは答えなかった。ドリンクに手を付けて何か考え込んでいるようだった。簡単な質問なのだ、だというのに奴は答えを出さない。長い間俺は奴に自分の名前を言い続けていた。一向に覚える気がないのか、奴は決して俺の名前を呼ばない。いつまでもこのままでは埒が明かない。今日こそ俺の名前を覚えてもらう。俺の名前はゾルルだ、俺は口を開きかけた。
「用はそれだけでござるか、しからば御免!」
ゼロロは突如煙幕に包まれて消えた。煙が消えるとテーブルの上には空のコップと小銭だけが残されていた。俺は舌打ちをすると後を追うように店を後にした。
会うだけじゃ駄目なのだ、話をしたい、名前を覚えてほしい。そんな純粋な欲求がいつしかどす黒い感情に変わっていった。一番憎いはずなのに一番求めている。誰よりも愛おしくて手に入れたくてたまらない。憧れを超えた感情に俺は気付かないふりをしている。
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