ジラドロ
三月、それは暦の上では立派な春。いくらか和らいだ寒さ、生温い風。しかしまだまだ寒く春を名乗るには忍びないように思われる季節。
今朝ジララは鳥の声に目を覚ました。けたたましく鳴く鳥の声に目を開ける。けれど窓から外を見ても鳥の姿は見えない。まだ早朝で地球人たちも寝ている時間から鳥は活動しているのかとジララは妙に感心した。
雲のない青い空には遠くで鳥の声が聞こえた。ドロロの家の周りにも鳥は沢山いるようだった。自然豊かな星で伸び伸びと生きる鳥に、ジララは気付けば自分を重ねる。彼らは自由だ。
「お茶が入ったでござる」
ドロロが盆を床に置いた。湯飲みから立ち上る湯気を見ながらジララは口を開く。
「何の鳥だ」
ドロロは動きを止めて鳥の声に耳を澄ませる。そして数秒後この鳴き声は「ひよどり」だと言った。
ジララは自由を求めてこの星に来た。もし鳥になれたら幸せか、そう考えた。
「俺が鳥になったら、お前の肩に乗るだろう」
俺はドロロから離れられない、ジララはそんな思いさえ持ちながらドロロをじっと見つめた。母星でも、この星でも、ずっとドロロに囚われている。今更離れることもできないだろう。尤も、ジララはドロロを求めていた。
「拙者もでござるよ。ジララ大尉を探して空を飛び回るでござる」
ドロロは笑ってお茶を飲んだ。ジララはもう全てから解放されたはずなのに、心がドロロを求めてしまう。これでは自由とは言えないのではないか。だがそれすらも心地よく、求めていた自由なのではないかと思わされた。
窓から入る温い風が肌を撫でる。ジララは何か言いかけて、言葉を飲み込むようにお茶を飲んだ。それはきっと甘く優しい言葉だろうとドロロは思った。今は自由の身。空を飛ぶ鳥よりもずっと自由で、どこにでも行ける。それでも好き好んでドロロを訪ねるのだから、それがジララの求めているものなのだとドロロは気付いていた。
「光栄だな」
ジララは表情を変えず平坦な調子で言った。お茶をすすり、窓から空を見た。視界を鳥が横切り、消えていった。
今朝ジララは鳥の声に目を覚ました。けたたましく鳴く鳥の声に目を開ける。けれど窓から外を見ても鳥の姿は見えない。まだ早朝で地球人たちも寝ている時間から鳥は活動しているのかとジララは妙に感心した。
雲のない青い空には遠くで鳥の声が聞こえた。ドロロの家の周りにも鳥は沢山いるようだった。自然豊かな星で伸び伸びと生きる鳥に、ジララは気付けば自分を重ねる。彼らは自由だ。
「お茶が入ったでござる」
ドロロが盆を床に置いた。湯飲みから立ち上る湯気を見ながらジララは口を開く。
「何の鳥だ」
ドロロは動きを止めて鳥の声に耳を澄ませる。そして数秒後この鳴き声は「ひよどり」だと言った。
ジララは自由を求めてこの星に来た。もし鳥になれたら幸せか、そう考えた。
「俺が鳥になったら、お前の肩に乗るだろう」
俺はドロロから離れられない、ジララはそんな思いさえ持ちながらドロロをじっと見つめた。母星でも、この星でも、ずっとドロロに囚われている。今更離れることもできないだろう。尤も、ジララはドロロを求めていた。
「拙者もでござるよ。ジララ大尉を探して空を飛び回るでござる」
ドロロは笑ってお茶を飲んだ。ジララはもう全てから解放されたはずなのに、心がドロロを求めてしまう。これでは自由とは言えないのではないか。だがそれすらも心地よく、求めていた自由なのではないかと思わされた。
窓から入る温い風が肌を撫でる。ジララは何か言いかけて、言葉を飲み込むようにお茶を飲んだ。それはきっと甘く優しい言葉だろうとドロロは思った。今は自由の身。空を飛ぶ鳥よりもずっと自由で、どこにでも行ける。それでも好き好んでドロロを訪ねるのだから、それがジララの求めているものなのだとドロロは気付いていた。
「光栄だな」
ジララは表情を変えず平坦な調子で言った。お茶をすすり、窓から空を見た。視界を鳥が横切り、消えていった。
