ジラドロ
冬の夜は寒いが星が綺麗に見える。ケロン星ではこのような光景を見ることはできなかった。空を見上げても人工衛星がピカピカと目障りに光る、至極人工的な光景。だから地球に来て星空がこれほどまでに美しいものなのだとドロロは知った。
特に冬の夜空は別格だった。空気が澄んでいる分、星がはっきりと見えた。鼻の奥まで冷える夜風にさえ目を瞑れば最高の光景と言えた。
ジララはあの頃とは違う綺麗なマントを羽織っていた。宇宙人街で買ったのだろう、新品のほつれの一つもない黒いマントはドロロにとって目新しかった。あの頃のジララはいつもボロボロのマントを羽織っていた。そろそろ替えたほうがいいのではないかと思うほど誰の目から見ても古いものだった。
「あのマントは星に置いてきた」
ドロロがマントに向ける視線が気になったのか、ジララは言った。あのマントには様々なものが染み付いている。彼はそれらと決別したいと思ったのかもしれない。
「それにしても見事な空だ」
ジララは星を見ながら言う。何を考えているのか分からない赤い目がじっと空を捉えた。
「……大尉はたまにケロン星が恋しくなるでござるか?」
ドロロの質問に返事はない。ジララは空から目を離すとドロロの頭に手を置いた。
「未練など無い。これはこの星で最期を迎えると決めたからな」
硬い手が頭を撫でた。冷え切った冷たいはずの手がドロロを暖めた。そしてマントの前を開くとドロロに身を寄せ、肩に掛けた。
「もうしばらく、こうしていたい」
ドロロはそっと頷く。肩に触れたジララの体は温かく、生きているのだなと改めて思った。
空一面に瞬く星の中でもケロン星は見えない。もっと遠くにある母星がドロロは恋しいのか分からなかった。だが今はただジララと居られることが幸せに思えた。
特に冬の夜空は別格だった。空気が澄んでいる分、星がはっきりと見えた。鼻の奥まで冷える夜風にさえ目を瞑れば最高の光景と言えた。
ジララはあの頃とは違う綺麗なマントを羽織っていた。宇宙人街で買ったのだろう、新品のほつれの一つもない黒いマントはドロロにとって目新しかった。あの頃のジララはいつもボロボロのマントを羽織っていた。そろそろ替えたほうがいいのではないかと思うほど誰の目から見ても古いものだった。
「あのマントは星に置いてきた」
ドロロがマントに向ける視線が気になったのか、ジララは言った。あのマントには様々なものが染み付いている。彼はそれらと決別したいと思ったのかもしれない。
「それにしても見事な空だ」
ジララは星を見ながら言う。何を考えているのか分からない赤い目がじっと空を捉えた。
「……大尉はたまにケロン星が恋しくなるでござるか?」
ドロロの質問に返事はない。ジララは空から目を離すとドロロの頭に手を置いた。
「未練など無い。これはこの星で最期を迎えると決めたからな」
硬い手が頭を撫でた。冷え切った冷たいはずの手がドロロを暖めた。そしてマントの前を開くとドロロに身を寄せ、肩に掛けた。
「もうしばらく、こうしていたい」
ドロロはそっと頷く。肩に触れたジララの体は温かく、生きているのだなと改めて思った。
空一面に瞬く星の中でもケロン星は見えない。もっと遠くにある母星がドロロは恋しいのか分からなかった。だが今はただジララと居られることが幸せに思えた。
