ジラドロ
小雪が眠りについたのを確認するとドロロは音を立てず家から出た。そして夜の森の中でジララと落ち合う。今日は月が明るい。暗い中でもジララの顔がよく見えた。二人は手を繋ぐと森の中をゆっくりと歩いた。ドロロはジララの手の冷たさから彼が自分のことを長い時間待っていたのだと読み取った。それを一切口にしないところがジララらしい。未だ薄い感情の中で生きるジララにとって自分の考えを口にすることは抵抗があった。
どんなに相手のことを思っても全てを知ることはできない。感じてること、考えていること、今食べたいもの、そんな些細なことまで全て知り尽くすのは不可能だ。
ドロロはふと自分はジララのことを知った気になっただけと思い、落ち込むことがあった。触れた体温から心を読むことはできない。変わらない表情、見据えるような赤い目。その全てを知りたいと思うのはおこがましいのだろうか……と。
それはまるで月の裏側のようだ、と思う。どんなに近付いても離れてしまう月。ぐるぐると周りを回っても決して裏側を見ることはできない、隠された本当の姿。
「今日は月が明るい」
ジララは低い声で呟くように言った。ドロロは月を見上げた。自分が知っているのは所詮表面上だけだと思った。既に月の裏側は撮影されているが、誰も見たことがなければもしかしたら裏側は赤かったとも言っても嘘ではなくなる。確かめなければそれは半分真実なのだ。だから、ジララの考えていることも知らなければそれが真実になる。月を見て何を思うか、ドロロの予想が答えなのだ。そして思った。どんなに分からないことを嘆いても何も変わらない。それならばせめてジララを好きでいようと。ドロロは月から目を離すとジララを見た。そして頬に口付けをした。
二人を照らすためにこんなにも月が明るいのだろうか、ドロロは思った。それは先ほどの理論上ならばあながち間違いではない。全てが二人のために存在しているといったら少し言い過ぎだろうか。だがドロロはそう思うことにした。そしてもう一度、今度は唇にキスをした。月は柔らかい光で二人を照らしていた。
どんなに相手のことを思っても全てを知ることはできない。感じてること、考えていること、今食べたいもの、そんな些細なことまで全て知り尽くすのは不可能だ。
ドロロはふと自分はジララのことを知った気になっただけと思い、落ち込むことがあった。触れた体温から心を読むことはできない。変わらない表情、見据えるような赤い目。その全てを知りたいと思うのはおこがましいのだろうか……と。
それはまるで月の裏側のようだ、と思う。どんなに近付いても離れてしまう月。ぐるぐると周りを回っても決して裏側を見ることはできない、隠された本当の姿。
「今日は月が明るい」
ジララは低い声で呟くように言った。ドロロは月を見上げた。自分が知っているのは所詮表面上だけだと思った。既に月の裏側は撮影されているが、誰も見たことがなければもしかしたら裏側は赤かったとも言っても嘘ではなくなる。確かめなければそれは半分真実なのだ。だから、ジララの考えていることも知らなければそれが真実になる。月を見て何を思うか、ドロロの予想が答えなのだ。そして思った。どんなに分からないことを嘆いても何も変わらない。それならばせめてジララを好きでいようと。ドロロは月から目を離すとジララを見た。そして頬に口付けをした。
二人を照らすためにこんなにも月が明るいのだろうか、ドロロは思った。それは先ほどの理論上ならばあながち間違いではない。全てが二人のために存在しているといったら少し言い過ぎだろうか。だがドロロはそう思うことにした。そしてもう一度、今度は唇にキスをした。月は柔らかい光で二人を照らしていた。
