ジラドロ
昼間の公園に人気は少ない。よく晴れた空が春らしく暖かい。青空はどこまでも続いていく。その穏やかな空気の中をジララは一人ゆっくりと歩く。土に植えられたパンジーの花壇を通りかかった瞬間、ふわりと甘い匂いがするのを感じた。ジララは足を止め、息を深く吸い込んだ。匂いの記憶はどうして鮮明なのだろうか。柔らかいパンジーの匂いにドロロの笑顔が結びつく。ジララはあの優しい笑顔を思い出す。
暖かい春の日差しに頭がぼんやりする。春眠暁を覚えずとはよく言ったものだ。春の陽気は本当に気持ちがいい。ドロロに教わった地球の古典は情操深く感心する。ジララはドロロの笑顔を頭に浮かべる。そしてその時の言葉を思い出し心の中で反芻する。
「大尉が地球に来られてから一日があっという間に過ぎ行く故……日々があまりに儚い」
ジララはベンチに腰を下ろすと空を見上げた。地球に寝返ってドロロとして生きることを選んだ。そんなドロロの笑顔を見ているとジララの氷のように冷え切った心が溶かされていくのだった。ドロロがそばにいると胸が満たされるのを知った。一つずつ覚えていく感情をドロロは自分事のように喜んだ。
「同じように思ってくだされば光栄にござる」
その静かな声色までジララの中に鮮明に蘇った。隣に居たドロロは今は居ない。
水を張った溜め池にカモが泳ぐ。その迷いを知らない直進に水面が揺れて輪を作る。ジララはそんなカモを羨ましく思う。悩みなどないのだろう。自由に生きるカモに自身を投影した。
ジララは目を閉じた。春の暖かさに包まれドロロの笑顔が再び脳裏に浮かぶ。この穏やかな時間がどれほど貴重で尊いものか。
暖かい春の日差しに頭がぼんやりする。春眠暁を覚えずとはよく言ったものだ。春の陽気は本当に気持ちがいい。ドロロに教わった地球の古典は情操深く感心する。ジララはドロロの笑顔を頭に浮かべる。そしてその時の言葉を思い出し心の中で反芻する。
「大尉が地球に来られてから一日があっという間に過ぎ行く故……日々があまりに儚い」
ジララはベンチに腰を下ろすと空を見上げた。地球に寝返ってドロロとして生きることを選んだ。そんなドロロの笑顔を見ているとジララの氷のように冷え切った心が溶かされていくのだった。ドロロがそばにいると胸が満たされるのを知った。一つずつ覚えていく感情をドロロは自分事のように喜んだ。
「同じように思ってくだされば光栄にござる」
その静かな声色までジララの中に鮮明に蘇った。隣に居たドロロは今は居ない。
水を張った溜め池にカモが泳ぐ。その迷いを知らない直進に水面が揺れて輪を作る。ジララはそんなカモを羨ましく思う。悩みなどないのだろう。自由に生きるカモに自身を投影した。
ジララは目を閉じた。春の暖かさに包まれドロロの笑顔が再び脳裏に浮かぶ。この穏やかな時間がどれほど貴重で尊いものか。
