ジラドロ
雪が解けて空気が温かくなっていく。二月が終わりに近づくと三月がやってくる。暦の上では既に立派な春だと言うのに未だ降り積もる雪は冬と変わりない。霜のついた枝に蕾がつき春の訪れを思わせる。ふっくらと膨れた蕾は始まりの象徴に思えた。
ドロロが最後にジララ大尉に会ったのは十二月のことだった。だから、あれからもうそんなに経ったのだと考える。ジララが今どこで何をしてるのかは分からない。だが、会えるなら会いたいとぼんやりと思った。久々に聞いた低い声にじんわりと懐かしさが体中に広がっていったのを覚えている。
抱いてはいけない感情を抱き続けてどれだけの時間が経っただろうか。秘め続けた思いは形になることなく今もドロロの胸に眠り続ける。知られないままでいたい、そう思うのは身勝手だろうか。どうせ叶わぬ恋ならばとドロロは思いを告げない選択をとった。アサシン部隊にいた頃から思い慕っていたジララの声が頭の中で響く。体が、心が疼いた。くすぶり続けた胸の内が時折顔を見せそうになる。そのたびに必死で押さえつけてきた。自分はまだあの人を好きでいる。そう自覚するたび胸が締め付けられた。あの人にはもう会えないのだ。どこかに身を隠しひっそりと生活を送っている。二人は交わり合うことなく日常が過ぎていく。
桜が咲いたらその時は何かが変わるのだろうか。蕾が芽吹いたその時、世界が変わるのなら。ドロロはそっと目を閉じる。それは無駄な感情だった。捨てろと言われ続けた感情に振り回されている。未熟な証拠だ。だとしても願うことくらいは許されるだろう。満開の桜の下であなたと会うことを。ドロロの思いは冬の風に乗って流れていった。
ドロロが最後にジララ大尉に会ったのは十二月のことだった。だから、あれからもうそんなに経ったのだと考える。ジララが今どこで何をしてるのかは分からない。だが、会えるなら会いたいとぼんやりと思った。久々に聞いた低い声にじんわりと懐かしさが体中に広がっていったのを覚えている。
抱いてはいけない感情を抱き続けてどれだけの時間が経っただろうか。秘め続けた思いは形になることなく今もドロロの胸に眠り続ける。知られないままでいたい、そう思うのは身勝手だろうか。どうせ叶わぬ恋ならばとドロロは思いを告げない選択をとった。アサシン部隊にいた頃から思い慕っていたジララの声が頭の中で響く。体が、心が疼いた。くすぶり続けた胸の内が時折顔を見せそうになる。そのたびに必死で押さえつけてきた。自分はまだあの人を好きでいる。そう自覚するたび胸が締め付けられた。あの人にはもう会えないのだ。どこかに身を隠しひっそりと生活を送っている。二人は交わり合うことなく日常が過ぎていく。
桜が咲いたらその時は何かが変わるのだろうか。蕾が芽吹いたその時、世界が変わるのなら。ドロロはそっと目を閉じる。それは無駄な感情だった。捨てろと言われ続けた感情に振り回されている。未熟な証拠だ。だとしても願うことくらいは許されるだろう。満開の桜の下であなたと会うことを。ドロロの思いは冬の風に乗って流れていった。
