ジラゼロ
噓だろう、それしか言葉が出なかった。話があると呼び出されてから嫌な予感が頭をよぎったがそれを上回る思いもよらぬ発言。心に秘めていたであろう思いが張り裂けるように口から出たのだろうか。それでもゼロロは確かに言ったのだ。「抱いてください」と。
俺はゼロロから恐れられている自覚があった。談笑などはしないし、どちらかといえば冷たく当たっているつもりだった。甘やかさずに一人の部下として扱う。それが上官の務めだと思っていた。だというのに奴は言ったのだ。何という態度。俺は無性に腹が立った。
「ふざけるな」
突き放すように冷たく言った。ゼロロは少し黙ってそれから言った。
「僕は本気です」
これが夢であってほしいと願った。目の前がぐらぐらした。ゼロロは簡単に折れるような奴ではない。俺が断ったからといって容易く諦めたりはしないだろう。
「一度だけでいいですから」
ゼロロは俺ににじり寄ってきた。その目はどこか色っぽい。弁護するわけでは無いが、確かにゼロロは客観的に見て端正な顔をしている。だからといって肉体関係を持つことを正当化はできない。
「お願いです」
そう言うと俺の手を両手で握った。懇願する声が頭に響いた。俺が、ではない。軍が許してはくれないだろう。ゼロロの手のひらは湿っぽく汗ばんでいた。興奮した目がじっと俺を見る。ああ、飲まれる。
俺は手を握り返す。
「一度だけだ」
そのまま床にゼロロを組み倒した。一度だけなのだ。たった一度の過ちなら誰にも知られることもなく許されるはずなのだ。そう自分自身に言い聞かせたがその情けなさに呆れるしかなかった。
俺はゼロロから恐れられている自覚があった。談笑などはしないし、どちらかといえば冷たく当たっているつもりだった。甘やかさずに一人の部下として扱う。それが上官の務めだと思っていた。だというのに奴は言ったのだ。何という態度。俺は無性に腹が立った。
「ふざけるな」
突き放すように冷たく言った。ゼロロは少し黙ってそれから言った。
「僕は本気です」
これが夢であってほしいと願った。目の前がぐらぐらした。ゼロロは簡単に折れるような奴ではない。俺が断ったからといって容易く諦めたりはしないだろう。
「一度だけでいいですから」
ゼロロは俺ににじり寄ってきた。その目はどこか色っぽい。弁護するわけでは無いが、確かにゼロロは客観的に見て端正な顔をしている。だからといって肉体関係を持つことを正当化はできない。
「お願いです」
そう言うと俺の手を両手で握った。懇願する声が頭に響いた。俺が、ではない。軍が許してはくれないだろう。ゼロロの手のひらは湿っぽく汗ばんでいた。興奮した目がじっと俺を見る。ああ、飲まれる。
俺は手を握り返す。
「一度だけだ」
そのまま床にゼロロを組み倒した。一度だけなのだ。たった一度の過ちなら誰にも知られることもなく許されるはずなのだ。そう自分自身に言い聞かせたがその情けなさに呆れるしかなかった。
