ジラゼロ
除隊しても考えるのはジララ様のことばかりだった。常に頭の中をぐるぐると付き纏うジララ様を無意識に僕は求めていた。
あまりに突然のことで今の状況が飲み込めないのもある。全てが詰まった重たいリュック。行き先の分からない体。僕は自分が思うよりジララ様を当てにし過ぎていた。全ての判断をジララ様に委ね、そこに自己はない。
ふと通りすがりの人から発せられた匂いに懐かしさを感じた。それは喫煙所で嗅いだ匂い。ジララ様の手に握られていた黒いタバコの箱が無性に恋しくなった。
僕は近くの店に行くとジララ様の好んだ銘柄のタバコとプラスチックのライターを買った。店を出て灰皿を探しにふらふらと歩く。タバコなどほとんど吸ったことがない。だが今頼れるのはこのタバコだけだった。
ようやく灰皿を見つけると箱からタバコを一本取り出す。ガスマスクを外して咥えると先端に着火した。じりじりと燃える赤。一瞬で灰と化してしまう儚さに自分を重ねた。咽ないようにゆっくりと一吸いすると重たいタールが肺に詰まった感覚になった。こんなもの美味しくも何ともないのに、それでも僕は口を離せない。ジララ様を感じられる唯一のものだった。
もしここが兵舎の喫煙所だったなら、ジララ様はどんな話をしただろうか。訓練のこと、天気のこと、それともニュースだろうか。どんな話でもいい。僕は黙ってジララ様を見つめてその言葉に耳を傾けるというのに。今となってはそれは叶わない。
短くなったタバコを灰皿へ押し付けて火を消した。ジララ様も今頃同じタバコを吸っているだろうか。そして僕を思い出してくれているだろうか。答えのない問いに僕は呆れ、溜め息を吐いた。
あまりに突然のことで今の状況が飲み込めないのもある。全てが詰まった重たいリュック。行き先の分からない体。僕は自分が思うよりジララ様を当てにし過ぎていた。全ての判断をジララ様に委ね、そこに自己はない。
ふと通りすがりの人から発せられた匂いに懐かしさを感じた。それは喫煙所で嗅いだ匂い。ジララ様の手に握られていた黒いタバコの箱が無性に恋しくなった。
僕は近くの店に行くとジララ様の好んだ銘柄のタバコとプラスチックのライターを買った。店を出て灰皿を探しにふらふらと歩く。タバコなどほとんど吸ったことがない。だが今頼れるのはこのタバコだけだった。
ようやく灰皿を見つけると箱からタバコを一本取り出す。ガスマスクを外して咥えると先端に着火した。じりじりと燃える赤。一瞬で灰と化してしまう儚さに自分を重ねた。咽ないようにゆっくりと一吸いすると重たいタールが肺に詰まった感覚になった。こんなもの美味しくも何ともないのに、それでも僕は口を離せない。ジララ様を感じられる唯一のものだった。
もしここが兵舎の喫煙所だったなら、ジララ様はどんな話をしただろうか。訓練のこと、天気のこと、それともニュースだろうか。どんな話でもいい。僕は黙ってジララ様を見つめてその言葉に耳を傾けるというのに。今となってはそれは叶わない。
短くなったタバコを灰皿へ押し付けて火を消した。ジララ様も今頃同じタバコを吸っているだろうか。そして僕を思い出してくれているだろうか。答えのない問いに僕は呆れ、溜め息を吐いた。
