ジラゼロ
ゼロロはジララにタバコを買ってくるよう指示を受けた。外で買ってきたタバコを手に喫煙所へ向かう最中、雑用も仕事のうちなのだろうかと考えたがはあまり気にしていなかった。ゼロロはタバコを吸わない。このタバコはジララのためのものだった。
ゼロロが喫煙所のドアを開けるとジララは空になった箱を片手にタバコを吸っていた。室内に蔓延した煙からゼロロはいつものジララの匂いを感じた。ジララとのキスはタバコの味がする。持ってきたタバコを手渡すとジララは「吸うか」とゼロロに箱を差し出した。ゼロロは一度首を振ったが、ジララの匂いならばと一本タバコを抜き取った。
二人しかいない喫煙所で、ジララがシルバーのライターの蓋を親指で開ける。ゼロロはタバコを咥え息を吸いながらライターへ顔を近づける。着火すると先端がジリジリと燃えた。苦みと煙たさが口の中に広がってゼロロは顔をしかめた。むせそうになって咄嗟にタバコを口から離す。喉ががらついて鼻に回った煙がつんと痛い。タバコの何がいいのか、理解できなかった。ゼロロには慣れたようにタバコを吸うジララが妙に格好良く見えた。結局一度だけ吸ってタバコの火を消した。灰皿へ押し潰した長いままのタバコが情けなく見えた。ゼロロはジララの吐いた煙を吸って、ジララを感じた。ジララは自身のマスクを外すとゼロロのマスクに手をかけた。そして露わになった唇へキスをした。苦いのに心地良い香り、ジララの匂い。気が付けば舌を絡められてゼロロは体を離す。
「誰か来たらどうするんですか」
ジララはドアのガラス部分から外を見て人がいないか確認した。
「誰もいない」
ジララは左手でゼロロを抱き寄せた。喫煙所に長時間いたら体に匂いがついてしまう。いつものように同僚にまたジララ様といたのかとからかわれてしまう。ゼロロはそろそろ帰りますと伝えてドアを開けようと手をかける。ジララは抱いたままのゼロロの体を強く抱き締めた。タバコの火を消すともう一度ゼロロにキスをした。
「また頼むぞ」
ゼロロは小さく頷いて喫煙所を出た。気休め程度に過ぎないが軍帽をぱたぱたと叩く。匂いが染み付いてしまっただろうか。だが嫌な訳ではない。むしろ帽子からジララの匂いがするならば本望だった。帽子を引っ張って匂いを嗅いでみる。無臭だった。ゼロロは少しだけ肩を落とした。そしてまたジララにタバコを買ってくるよう頼まれるのを期待するのだった。
ゼロロが喫煙所のドアを開けるとジララは空になった箱を片手にタバコを吸っていた。室内に蔓延した煙からゼロロはいつものジララの匂いを感じた。ジララとのキスはタバコの味がする。持ってきたタバコを手渡すとジララは「吸うか」とゼロロに箱を差し出した。ゼロロは一度首を振ったが、ジララの匂いならばと一本タバコを抜き取った。
二人しかいない喫煙所で、ジララがシルバーのライターの蓋を親指で開ける。ゼロロはタバコを咥え息を吸いながらライターへ顔を近づける。着火すると先端がジリジリと燃えた。苦みと煙たさが口の中に広がってゼロロは顔をしかめた。むせそうになって咄嗟にタバコを口から離す。喉ががらついて鼻に回った煙がつんと痛い。タバコの何がいいのか、理解できなかった。ゼロロには慣れたようにタバコを吸うジララが妙に格好良く見えた。結局一度だけ吸ってタバコの火を消した。灰皿へ押し潰した長いままのタバコが情けなく見えた。ゼロロはジララの吐いた煙を吸って、ジララを感じた。ジララは自身のマスクを外すとゼロロのマスクに手をかけた。そして露わになった唇へキスをした。苦いのに心地良い香り、ジララの匂い。気が付けば舌を絡められてゼロロは体を離す。
「誰か来たらどうするんですか」
ジララはドアのガラス部分から外を見て人がいないか確認した。
「誰もいない」
ジララは左手でゼロロを抱き寄せた。喫煙所に長時間いたら体に匂いがついてしまう。いつものように同僚にまたジララ様といたのかとからかわれてしまう。ゼロロはそろそろ帰りますと伝えてドアを開けようと手をかける。ジララは抱いたままのゼロロの体を強く抱き締めた。タバコの火を消すともう一度ゼロロにキスをした。
「また頼むぞ」
ゼロロは小さく頷いて喫煙所を出た。気休め程度に過ぎないが軍帽をぱたぱたと叩く。匂いが染み付いてしまっただろうか。だが嫌な訳ではない。むしろ帽子からジララの匂いがするならば本望だった。帽子を引っ張って匂いを嗅いでみる。無臭だった。ゼロロは少しだけ肩を落とした。そしてまたジララにタバコを買ってくるよう頼まれるのを期待するのだった。
