ジラゼロ
近くにいれば自然と頬が緩む。心が浮ついて仕方ない。好きな気持ちを隠すなんて僕には無理だった。
だが、そんなことジララ様は許してくれない。余計な感情は全て無駄と見なされる。吐いて捨てるような些細な感情に囚われていてはアサシン失格なのだった。だが日に日に大きくなっていくジララ様への感情は本物なのだと悟る。これが本物でないのなら全てが嘘になるだろう。胸の中で風船のように膨らみ続けるジララ様への気持ちは飲み込むのに必死だった。
ジララ様を見れば心が動いた。その目が僕を射止めた。手が僕に触れればそこは熱く膿む。傷口はどんどん深く抉れていく。気が付けば後戻りできないほど僕はジララ様に恋焦がれていた。
霧の濃い朝、遠くまで見渡せない視界の悪さをまるで自分の心の中のように思う。兵舎の庭に出て僕は空を見上げる。まだ薄暗い空が遠い。
任務の朝は気が重い。それは当然だろう。昨晩もあまり寝付けず今も眠気が完全に覚めない。こんなことではいけないと自らの頬を叩いた。手は冷たく冷えていた。
「ゼロロ」
ジララ様が兵舎から出てきて僕の名前を呼んだ。僕は背筋を伸ばすと敬礼する。そこには任務前の重苦しい空気が流れる。
「貴殿ならやれると信じているぞ」
ジララ様の声が頭に甘く響く。敬礼の指先が震えた。それは尊敬を超えた感情。恋しいと思う胸の内が張り裂けそうに痛んだ。
「ありがとうございます」
僕の声が霧に紛れる。視界の悪さは任務において好都合でもあった。こんな日に大事な任務があるのは運がいい。まるで霧が祝福をしているようだった。
僕はこれから単身敵地に乗り込む。恐れから背を向け、ジララ様の言葉を何度も咀嚼して自分を鼓舞した。任務が成功した未来を頭に思い浮かべる。ジララ様は僕を褒めてくださる。低い声を恋うと共に胸が痛む。相反する感情が僕を裂きそうになる。だが今は全てを忘れて。僕は軍帽のマークに触れる。アンチバリア作動よし。兵舎を後にすると僕は霧の中へ進んで行った。
だが、そんなことジララ様は許してくれない。余計な感情は全て無駄と見なされる。吐いて捨てるような些細な感情に囚われていてはアサシン失格なのだった。だが日に日に大きくなっていくジララ様への感情は本物なのだと悟る。これが本物でないのなら全てが嘘になるだろう。胸の中で風船のように膨らみ続けるジララ様への気持ちは飲み込むのに必死だった。
ジララ様を見れば心が動いた。その目が僕を射止めた。手が僕に触れればそこは熱く膿む。傷口はどんどん深く抉れていく。気が付けば後戻りできないほど僕はジララ様に恋焦がれていた。
霧の濃い朝、遠くまで見渡せない視界の悪さをまるで自分の心の中のように思う。兵舎の庭に出て僕は空を見上げる。まだ薄暗い空が遠い。
任務の朝は気が重い。それは当然だろう。昨晩もあまり寝付けず今も眠気が完全に覚めない。こんなことではいけないと自らの頬を叩いた。手は冷たく冷えていた。
「ゼロロ」
ジララ様が兵舎から出てきて僕の名前を呼んだ。僕は背筋を伸ばすと敬礼する。そこには任務前の重苦しい空気が流れる。
「貴殿ならやれると信じているぞ」
ジララ様の声が頭に甘く響く。敬礼の指先が震えた。それは尊敬を超えた感情。恋しいと思う胸の内が張り裂けそうに痛んだ。
「ありがとうございます」
僕の声が霧に紛れる。視界の悪さは任務において好都合でもあった。こんな日に大事な任務があるのは運がいい。まるで霧が祝福をしているようだった。
僕はこれから単身敵地に乗り込む。恐れから背を向け、ジララ様の言葉を何度も咀嚼して自分を鼓舞した。任務が成功した未来を頭に思い浮かべる。ジララ様は僕を褒めてくださる。低い声を恋うと共に胸が痛む。相反する感情が僕を裂きそうになる。だが今は全てを忘れて。僕は軍帽のマークに触れる。アンチバリア作動よし。兵舎を後にすると僕は霧の中へ進んで行った。
