ジラゼロ
日が沈み空が暗くなった夜、ジララがシャワー室に入るとそこにはゼロロがいた。シャワーを浴びたてのゼロロの肌からは不自然なほど甘い香りがした。いつもの白い固形石鹸ではしないはずの甘い香り。ジララは妙な事に気づく。それはヘレンヘレンの香りだった。兵舎にはヘレンヘレンのような高級石鹸はないはずだ。あるとすれば補充係が用意したものだが、何のためにそのような高級石鹸を用意したのだろうか。無機質なシャワー室に似つかわしくない華やかな香りに圧倒される。ジララは溜息混じりに口を開く。
「ヘレンヘレンか」
その名前を聞いてゼロロは腕を上げて自分の匂いを嗅いだ。恐らく気づいていなかったのだろう。ジララに言われて初めて備え付けの石鹸がヘレンヘレンであることに気付く。
「匂いが強いものはアサシンには不向きだ」
シャワーで洗い流しても匂いが残る。居場所を悟られてはならないアサシンから甘い香りがするなど言語道断だった。ゼロロは体から甘い香りを放ち、ジララの鼻腔をくすぐる。それは一種の誘惑に近しくジララを困惑させる。甘い中にどこか官能さを感じられ、ゼロロが一層魅力的に見えた。
「補充係に伝えておきます」
「待て」
ジララはゼロロを止める。
「匂いが強い……もう一度シャワーを浴びるといい」
ゼロロは戸惑ったように再び腕の匂いを嗅いだ。ゼロロが動くたびにヘレンヘレンの香りが舞った。シャワー室は既にヘレンヘレンの匂いが充満していた。
後に判明したが、シャワー室中の石鹸がヘレンヘレンに変えられていた。ジララの予想通り補充係の好みだったという。石鹸は全て無臭の石鹸に変えられ、ジララは兵舎内でのヘレンヘレンの使用を禁じた。だがしばらくの間甘い香りのするゼロロがジララの脳裏に焼き付いて離れなかった。
「ヘレンヘレンか」
その名前を聞いてゼロロは腕を上げて自分の匂いを嗅いだ。恐らく気づいていなかったのだろう。ジララに言われて初めて備え付けの石鹸がヘレンヘレンであることに気付く。
「匂いが強いものはアサシンには不向きだ」
シャワーで洗い流しても匂いが残る。居場所を悟られてはならないアサシンから甘い香りがするなど言語道断だった。ゼロロは体から甘い香りを放ち、ジララの鼻腔をくすぐる。それは一種の誘惑に近しくジララを困惑させる。甘い中にどこか官能さを感じられ、ゼロロが一層魅力的に見えた。
「補充係に伝えておきます」
「待て」
ジララはゼロロを止める。
「匂いが強い……もう一度シャワーを浴びるといい」
ゼロロは戸惑ったように再び腕の匂いを嗅いだ。ゼロロが動くたびにヘレンヘレンの香りが舞った。シャワー室は既にヘレンヘレンの匂いが充満していた。
後に判明したが、シャワー室中の石鹸がヘレンヘレンに変えられていた。ジララの予想通り補充係の好みだったという。石鹸は全て無臭の石鹸に変えられ、ジララは兵舎内でのヘレンヘレンの使用を禁じた。だがしばらくの間甘い香りのするゼロロがジララの脳裏に焼き付いて離れなかった。
