ジラゼロ
今日はワインがあるからとジララ様に呼ばれたのはただの口実だったのだろうか。僕はその言葉通りジララ様の部屋へ行くとワインを供された。瓶に入った赤ワインはジララ様のお気に入りだ。僕はワインに明るくないがパッケージを見るにかなりの高級品らしい。ほどよい重さと渋みがあり素人でも美味しいと感じる。ワイングラスに半分ほど注ぐとジララ様は僕に向かってグラスを傾ける。僕もジララ様へ乾杯とグラスを傾けた。
定期的にジララ様はこうして僕を部屋に誘った。ワインは美味しいしぽつりぽつりとだが談笑もする。決して嫌な時間ではないのは確かだったが何故ジララ様が僕を誘うのかその理由が分からなかった。
「美味くないか」
僕は突然の言葉に首を振る。美味しいですと返せばジララ様はワインを煽った。別に僕である理由はないだろう。数いる隊員の誰だっていいのだろうに僕ばかり呼ばれるのは何故なのだろう。断らないと思われているのだろうか。それとも僕「が」いいのだろうか……。
「先程から何を考えている」
「す、すみません」
ジララ様にそう言われ僕は咄嗟に謝った。
「謝ることはない。何故かと聞いている」
「その……どうして僕なんですか」
僕は思っていたことを口にした。ジララ様は顔色一つ変えない。
「何故だと思う」
逆に問われて僕は驚いた。自分でも考えたつもりだったが答えは出なかった。
ジララ様はグラスを置いて急に立ち上がる。グラスは空になっていた。
「今日は気分がいい」
ジララ様は僕に向かって手を伸ばした。僕はその手を掴む。二人は顔を寄せ合った。ジララ様の目が合図のように僕を見た。そしてそのままステップを踏む。右へ左へリズミカルに揺れる。僕たちは心のままに踊った。誰に習ったでもないダンスを即興で踊るのは楽しかった。僕は酒の席でも踊ったことはなかったが、こうしてジララ様と踊るのは悪くない。酔うほどでもないワインが気持ちを高めて自在に体を動かしてくれる。手が足が勝手に動いた。
僕たちはそうしてしばらくの間無心になって踊り続けた。それは僕の体温でジララ様の手が温まるくらい長い時間だった。僕たちは動きを止めると互いの胸で息をする。
「お前でないと、いけないのだ」
ジララ様はそう言う。その言葉の意味が僕にはやっと分かった気がした。また飲みに来いとジララ様の言葉通り僕は部屋に通うだろう。またあのダンスをするために。
定期的にジララ様はこうして僕を部屋に誘った。ワインは美味しいしぽつりぽつりとだが談笑もする。決して嫌な時間ではないのは確かだったが何故ジララ様が僕を誘うのかその理由が分からなかった。
「美味くないか」
僕は突然の言葉に首を振る。美味しいですと返せばジララ様はワインを煽った。別に僕である理由はないだろう。数いる隊員の誰だっていいのだろうに僕ばかり呼ばれるのは何故なのだろう。断らないと思われているのだろうか。それとも僕「が」いいのだろうか……。
「先程から何を考えている」
「す、すみません」
ジララ様にそう言われ僕は咄嗟に謝った。
「謝ることはない。何故かと聞いている」
「その……どうして僕なんですか」
僕は思っていたことを口にした。ジララ様は顔色一つ変えない。
「何故だと思う」
逆に問われて僕は驚いた。自分でも考えたつもりだったが答えは出なかった。
ジララ様はグラスを置いて急に立ち上がる。グラスは空になっていた。
「今日は気分がいい」
ジララ様は僕に向かって手を伸ばした。僕はその手を掴む。二人は顔を寄せ合った。ジララ様の目が合図のように僕を見た。そしてそのままステップを踏む。右へ左へリズミカルに揺れる。僕たちは心のままに踊った。誰に習ったでもないダンスを即興で踊るのは楽しかった。僕は酒の席でも踊ったことはなかったが、こうしてジララ様と踊るのは悪くない。酔うほどでもないワインが気持ちを高めて自在に体を動かしてくれる。手が足が勝手に動いた。
僕たちはそうしてしばらくの間無心になって踊り続けた。それは僕の体温でジララ様の手が温まるくらい長い時間だった。僕たちは動きを止めると互いの胸で息をする。
「お前でないと、いけないのだ」
ジララ様はそう言う。その言葉の意味が僕にはやっと分かった気がした。また飲みに来いとジララ様の言葉通り僕は部屋に通うだろう。またあのダンスをするために。
