ジラゼロ
慌てて兵舎に戻っても心は落ち着かなかった。ドアを閉めベッドに横たわる。まだ興奮が冷めない。今日の訓練で指導を受けた際、ジララ様に右腕を握られた。あの冷たさと硬さ。ジララ様に触れられることで彼の存在を思う。触れられた箇所がジンジンと燃えるように熱くなった。
「こうではない、こうだ」
僕の腕を掴みながら見た横顔は真剣そのものでいつもに増して格好良かった。僕は訓練に集中できず腕にばかり気にかけていた。あのジララ様が触れてくださった。そう思うと心臓がうるさいほど鳴った。腕だけではない、体が熱い。
(ごめんなさい、ごめんなさい)
下半身に伸びる手は欲望に忠実だった。目を閉じてジララ様を思い浮かべる。横顔と金属の感触。僕は心の中で謝ることしかできなかった。頭は申し訳なさで埋め尽くされ、しかし体は欲望のままに反応した。
ティッシュペーパーにべったりとついたものがひどく汚らわしいものに見えた。背徳感などという言葉とは違う。ただの嫌悪感だった。自分の抱いた汚い感情が自分を苦しめている。
どんなに手を洗っても落ちない何かのような、纏わりついてしまった汚れ。初めて人を殺めた時のあの感覚に似ていた。冷たい水に手を浸して頭を冷やした。感情を持つのは悪であると教えられている。だとしたらこの胸に宿ったものはどうなってしまうのだろう。恋や愛などと綺麗な表現では言い表せない、奥深くにある黒いもの。心臓ごと握りつぶしたいと思う。早くこの気持ちから解放されたい。あの人を思い浮かべては疼く胸がたまらなく嫌だった。
あの人に心を寄せてると知られてしまったら僕はここにはいられない。だからこそ、絶対に悟られてはならない。濡れた手を胸に当てた。落ち着け、そう言い聞かせて深呼吸をする。それでも頭に思い浮かぶのはあの人の姿だった。
「こうではない、こうだ」
僕の腕を掴みながら見た横顔は真剣そのものでいつもに増して格好良かった。僕は訓練に集中できず腕にばかり気にかけていた。あのジララ様が触れてくださった。そう思うと心臓がうるさいほど鳴った。腕だけではない、体が熱い。
(ごめんなさい、ごめんなさい)
下半身に伸びる手は欲望に忠実だった。目を閉じてジララ様を思い浮かべる。横顔と金属の感触。僕は心の中で謝ることしかできなかった。頭は申し訳なさで埋め尽くされ、しかし体は欲望のままに反応した。
ティッシュペーパーにべったりとついたものがひどく汚らわしいものに見えた。背徳感などという言葉とは違う。ただの嫌悪感だった。自分の抱いた汚い感情が自分を苦しめている。
どんなに手を洗っても落ちない何かのような、纏わりついてしまった汚れ。初めて人を殺めた時のあの感覚に似ていた。冷たい水に手を浸して頭を冷やした。感情を持つのは悪であると教えられている。だとしたらこの胸に宿ったものはどうなってしまうのだろう。恋や愛などと綺麗な表現では言い表せない、奥深くにある黒いもの。心臓ごと握りつぶしたいと思う。早くこの気持ちから解放されたい。あの人を思い浮かべては疼く胸がたまらなく嫌だった。
あの人に心を寄せてると知られてしまったら僕はここにはいられない。だからこそ、絶対に悟られてはならない。濡れた手を胸に当てた。落ち着け、そう言い聞かせて深呼吸をする。それでも頭に思い浮かぶのはあの人の姿だった。
