《緊急速報です、緊急速報です
本日未明、戸亜留市常磐高校に武器を持った男４名が押し入り、立て篭もっているという事件が発生しました。下校時間を過ぎていた為残った生徒は少ないとの事ですが、それでも約20人の生徒が残っていると……》



「……おい将五」
「あ」
「今日名前帰ってくんの遅くねえか」
「あー確かクラスでクラス会やるって言ってたな」
「アイツのクラス仲良いなぁおい」
「確か担任も一緒にやるってはしゃいでたな」
「本当に仲良いなぁ」
「「あっはっはっはっ！」」
「……」
「……」


ガタガタガタッ！！！！！


一気に二人が立ち上がると座っていたリビングの椅子が倒れた。同時に玄関からけたたましい音が聞こえ、来訪者を告げる。


数分しないうちに村田家の家の周りからバイクの音、白い制服、黒い制服やら諸々集まり……中には近所のフライパンやゴルフクラブを持ったお爺様方、おばさま方や金属バットなどを持った中学生達。ちょっと待っていただきたい藤代弟貴様もか




「十三くん！！！名前ちゃんは常磐高校じゃあなかったか！？」
「名前姉ちゃん大丈夫なの？！」
「村田ぁ！！名前どうせ巻き込まれてんだろ！？そうなんだろ！！！」




そう、先程速報で流れた常磐高校には苗字名前が通っている。これが遊んでいるならば早く帰ってこいと言うだろうが、自分は先にクラス会をすると聞いていた。ここにいる奴等はそれを知らず、ただ名前を心配してやって来たのだ。まず、場を治めなければならない。


す、と息を吸う。







「俺の妹がクラスメイト達と担任と高校に残ってる筈だ。名前の携帯にはワンコールだけ電話を鳴らして切った。そのうち折り返すだろう」
「……音が鳴ったら危ない状況かも知れねえって事か」
「あぁ」
「十三さん、俺達は」
「常磐高校に向かう。ただし、中に潜入するのは少人数がいいだろう」
「武器の携帯が確認されてますからね。」


事態は加速していく、苗字名前を助け出すために。