やって来ました並盛町。道端にめっちゃリーゼントが歩いてるけど無視。


『あっ山田ナミモリーヌあれや』
「今食べ放題やってるみたいね」
『食お』
「食おう」



入ってみると店の中はアンティークというか良い意味で古めかしく良い雰囲気である。食べ放題やってるって聞いたんですけどー、と言えば席に案内されメニューを渡された。２人でとりあえず、とケーキを１０個程頼み先にコーヒーとココアを頼んだ。


『あのショーケースのケーキ綺麗だね』
「ジャムでコーティングしてんのかな？今度作ってみっか」
『そうねー。でも山田最近甘いのあんまり入らないんでなかった？』
「馬鹿言え、油物が入らなくなってきただけだ」
『ジジイかよ』
「黙らっしゃいまだピチピチの22歳だから」


次々と運ばれるケーキを２人で黙々と食べ進める。またケーキを頼んで食べていると周りの客がすげー……とこちらを見てくるが知らん。戸亜留市ではどこのケーキ屋ファミレスでも慣れられたので逆に新鮮だ。


ガタンッ！！！と突如として大きな音を立てて店の扉が開いた。ゆるりとそちらを見遣れば覆面を被った体格的に男が３人。

山田と視線を交わす。


『（もしかして強盗じゃね？）』
「（もしかしなくても強盗じゃね？）」
『（なんで私等旅行したら毎度面倒事に巻き込まれるん？）』
「（厄祓いしよっか）」


「金を出せ！！！！」
「テメェ等携帯出せ！！」


きゃあ、と客の悲鳴が上がる。ナイフを突きつけてくる強盗に山田がギラりと目をぎらつかせた。まぁ待て山田、まだ私あの程度なら大丈夫。


ふと隣の席の客を見てみれば鋭い目付きで隣に置いてある竹刀に手を伸ばしていた。今は良くないぞ。


「おい携帯出せ」
『……』
「聞いてんのか！！！！」
『うるせぇなぁ、今ケーキ食ってんだろ空気読めや兄ちゃん』
「あぁ！！？てめ、舐めた事抜かしてんじゃねえぞ！！！！」
「テメェがな」
「ごはっ」


五月蝿い男に山田が掌底を顎に入れた。脳が揺れてる最中にすかさず喉にチョップ入れた。任せろ絶対殺すマンだぞ私等は。



「何してんだお前等！！！！」
『うるせーよ私等のケーキタイム邪魔しよってから』
「馬鹿共！！強盗してーなら俺等の目がない所でやりな！！！」
『グーで殴るぞグーで』
「舐めた真似しやがってクソガキ……！」


レジのお姉さんにナイフ突き付けてる奴とまた違う奴がこちらに来た。それを隣の席の竹刀小僧が叩きのめした。


『（えっ山田今の見えた？）』
「（うっはーあれ絶対誰か殺したことあるってじゃなきゃあんな斬りかかり方出来ねえよ）」
『（ですよね？？？）』
「女の人相手にそんなもん向けたら危ないのな！」


そういう問題？