鬼ごっこ!
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とうに動画を撮るのはやめていた。流石に、笠松も黄瀬も吐きそうになり、車に乗り込んだ。黙って胡座をかいてでもそこを動かなかったのは灰崎のみだった。
最早原型を残していないそれらに振りかざす凶器を一旦下ろして、山田は問う。
「灰崎、お前暫く肉食えねーよ?」
「いい」
「ふーん。ねえ、俺さ。名前に先にお前等迎えいってって言われた時お前等より名前のが大事って答えたの」
「だろうな」
「ねえ、俺は名前が大事だよ」
「知ってる」
「なんでお前は俺に付き合ってる?」
「は、付き合いの長さで人の友情測れんのか?」
「……うーわ、お前の顔で友情ってクソも似合わねーな」
「おう、俺もゾワッとしたわ」
「……あー、そーだね。そりゃそーだ、だって俺、アイツの幼馴染みより知識は負けてるけど、それ以上の違う知識は持ってるし」
別にお前等が名前を大事に思ってないとか、違うんだよ俺はね、
「悔しいんだよ!!!俺は!!!名前を!大事とか抜かしてるこの口は!!!アイツを傷付けた奴等を痛め付けてるこの手は!!!!傷付ける前にコイツ等を殺せない事を!!!すげぇ後悔してる!!!!!!」
ぐちゃり、と最早使い物にならないであろう膝に長い針を突き刺した。もう悲鳴すら上がらない。
「後悔すんのは構わねーが、今の名前の精神的支柱はテメーだぞ黒澤友哉」
「……」
「よぉ、そいつ等終わったらどうする。今が……2時だろ。再開は9時、流石に暴徒もこの時間は半グレ野郎共しかいねえ。鬼ごっこ中は鬼に殺される可能性があるから暴徒はアホしか来ねーが、11時に鬼ごっこ休止したら今度は暴徒が動く。9時ギリギリまでな。1日目でこれだ、3日間とは言えこのペースじゃ完全に脱落する」
切り替えろ。切り替えろ。灰崎の言葉は正しく山田にとっていいタイミングのものだった。
切り替えろ、こんな事をいつまでもしている訳に行かないだろう。名前を護らなければ。コイツ等は俺達と固まれば物理に長けてるから油断さえしなければ大丈夫、名前は泣かない、気付かせてくれた灰崎も大事だ、AとBくらいには大事に思う。泣かせない、名前は、泣かせない。
最後に、思い切り腕の腱に針を突き刺して拘束を解いた。そうして、動き出す。灰崎はニヤリとお世辞にも爽やかとは言えない笑顔を浮かべて山田の隣を歩いた。
車のドアをガラリと開けると三つの視線がこちらを向く。気配を感じた名前の目が、薄らと開いて、俺を見た。
「疲れてるとこ悪いが、作戦会議だ。名前、お前にゃ休んで欲しいが無理だ。解るな」
森山は一瞬怒鳴り散らしたくもなったが、山田の言うことは正しい。名前を護るのに、皆を護るのにコイツの、……山田と、名前の存在は、必要だからだ。
名前はその言葉に朧気な意識を覚醒させ、いつもの余裕がある表情で、笑う
『あぁ、もちろんだよ、相棒。私の、悪知恵が、必要かい?』
「あぁそうだとも相棒。お前の悪知恵は十三さんさえ驚くもんだろう?」
戸亜留市で最も厄介な2人が、また手を取り合った
最早原型を残していないそれらに振りかざす凶器を一旦下ろして、山田は問う。
「灰崎、お前暫く肉食えねーよ?」
「いい」
「ふーん。ねえ、俺さ。名前に先にお前等迎えいってって言われた時お前等より名前のが大事って答えたの」
「だろうな」
「ねえ、俺は名前が大事だよ」
「知ってる」
「なんでお前は俺に付き合ってる?」
「は、付き合いの長さで人の友情測れんのか?」
「……うーわ、お前の顔で友情ってクソも似合わねーな」
「おう、俺もゾワッとしたわ」
「……あー、そーだね。そりゃそーだ、だって俺、アイツの幼馴染みより知識は負けてるけど、それ以上の違う知識は持ってるし」
別にお前等が名前を大事に思ってないとか、違うんだよ俺はね、
「悔しいんだよ!!!俺は!!!名前を!大事とか抜かしてるこの口は!!!アイツを傷付けた奴等を痛め付けてるこの手は!!!!傷付ける前にコイツ等を殺せない事を!!!すげぇ後悔してる!!!!!!」
ぐちゃり、と最早使い物にならないであろう膝に長い針を突き刺した。もう悲鳴すら上がらない。
「後悔すんのは構わねーが、今の名前の精神的支柱はテメーだぞ黒澤友哉」
「……」
「よぉ、そいつ等終わったらどうする。今が……2時だろ。再開は9時、流石に暴徒もこの時間は半グレ野郎共しかいねえ。鬼ごっこ中は鬼に殺される可能性があるから暴徒はアホしか来ねーが、11時に鬼ごっこ休止したら今度は暴徒が動く。9時ギリギリまでな。1日目でこれだ、3日間とは言えこのペースじゃ完全に脱落する」
切り替えろ。切り替えろ。灰崎の言葉は正しく山田にとっていいタイミングのものだった。
切り替えろ、こんな事をいつまでもしている訳に行かないだろう。名前を護らなければ。コイツ等は俺達と固まれば物理に長けてるから油断さえしなければ大丈夫、名前は泣かない、気付かせてくれた灰崎も大事だ、AとBくらいには大事に思う。泣かせない、名前は、泣かせない。
最後に、思い切り腕の腱に針を突き刺して拘束を解いた。そうして、動き出す。灰崎はニヤリとお世辞にも爽やかとは言えない笑顔を浮かべて山田の隣を歩いた。
車のドアをガラリと開けると三つの視線がこちらを向く。気配を感じた名前の目が、薄らと開いて、俺を見た。
「疲れてるとこ悪いが、作戦会議だ。名前、お前にゃ休んで欲しいが無理だ。解るな」
森山は一瞬怒鳴り散らしたくもなったが、山田の言うことは正しい。名前を護るのに、皆を護るのにコイツの、……山田と、名前の存在は、必要だからだ。
名前はその言葉に朧気な意識を覚醒させ、いつもの余裕がある表情で、笑う
『あぁ、もちろんだよ、相棒。私の、悪知恵が、必要かい?』
「あぁそうだとも相棒。お前の悪知恵は十三さんさえ驚くもんだろう?」
戸亜留市で最も厄介な2人が、また手を取り合った