山田達の進みは遅くなっていた。夜のうちに該当者を殺してしまおうなどとか、殺してみたいとか、楽しみたいだとかという暴徒が多くなっていて襲撃により進みが難航しているのだ。

６分で着く、というのは山田の容赦のない運転で暴徒が居ないものとしての計算だ。そう何回も人を轢いていたら車が駄目になる。



「退けコラァ！！！！テメー等の息子切り刻んで食わせるぞゴルァ！！！！」
「山田その文句怖いからやめろ」
「ちょっとそこらの暴徒１人惨たらしく殺してくるから車死守してて。多分それで散るだろ」
「「任せろ」」
「「ちょっと先輩方？？？？」」


名前の置かれてる状況は極めて悪いと言っていい。あのスレでは拷問紛いの実況まであった、名前がされないとは限らない。

山田に言わせると、「殺されるだけなら言っちゃなんだがいいさ、だが拷問や強姦があったらどうする生きていても後遺症が残るかもしれないトラウマになるだろうそうなったら絶対俺は許さない許さない許さない全員殺すんだ殺す殺す殺す」とまた発狂していた。早く、早く行かなくては。


それなのに暴徒は減らない。今山田が１人の暴徒をぐっちゃぐちゃに殴って、周りが引いてるが。


前に名前に聞いたことがある、と灰崎が言う。山田は、黒澤友哉は誰よりも凶暴なのだと。名前の為以外には喧嘩をなるべくしないので、名前の友達である戸亜留市幹部との力関係を調べる方法はないが、どこぞの大魔王の一撃が名前に飛び火しそうになった時綺麗に受け流してそのまま放り投げた事もあったらしい。その時は「マジかよ名前に関わったらお前最強だな」とか思ったが本当にそれな。



ピロンッとLINEの音。山田のだ。


「山田ァー、Ａからだってよ」
「読んで」
「……あっ、やべー」
「なに」
「さっきのスレ監視してたら、同じIDの奴が名前じゃねー女……殺したらしい」



あぁ、山田が、黒澤友哉が鬼になる。


山田がクラスメートＡとＢに話したことにより、スレの存在は戸亜留市にまで届いていた