走る、走る走る走る走る走る走る走る走る！！！！


あとちょっと、あと数分で今日の鬼ごっこは終了。スレで鬼ごっこは朝9時から夜11時までだと放送されたらしい。ブラックかよ。今日は夕方４時、途中からだから、明日からもっと長い、くそ、市民が邪魔で殴り倒してる場合ではなかったか。


『ッオラァ！！！！！』


思い切り鬼の頭をそこらで拝借した鉄パイプで殴る。気絶させるなんてそんな生温い思考じゃあない、殺す為に何度も何度でも、各個撃破だ。

無論最初は１発だけだったが、この鬼特殊な訓練もしくは装備でもしてるのか素早いわタフだわ、すぐに起き上がって来やがる。
それに目の前でもう何人もの恐らく同級生達が、先輩達が後輩達が死んだ！！鉤爪で背中を引き裂かれた、警棒で頭がヒビ割れるまで殴られた、ワイヤーで首が身体から離れた！！見ていられない、見ていたくない！！果ては逃げる高校生を捕まえる該当しない奴等、この混乱時に乗じて殺す奴等までいる！仲間を売る高校生、高校生を差し出したら賞金が出るなんてデマまで回ってるらしい。


「逃げたぞ！！追え！！」
『テメェも死にてえのか！！なら勝手に死ね！！！』



追おうとしてきたオッサンの首根っこ捕まえて向かってきた鬼の方へと投げ付けた。邪魔だったのだろう、即座に首から刃物が突き出て見えた。ひ、と上がるnot該当者。



『見ろ！！！邪魔なら該当しない奴等でもあれは殺す！！！死にたくねえなら追ってくるな！！！』



あ、鬼こっち向いた。くっそ逃げよ。


因みに言うが私は体力は普通の女よりはあるが運動部程ではないし、もっと言えば足がとても遅いのだ。あの寿ちゃんに「お前が俺に勝てるのは足の遅さと非常時の悪知恵くらいなもんだ（要約※お前足遅いけど非常時の悪知恵だけはお前には勝てねーわ）」と言われるくらいなので。


「、危ない！！！」


見知らぬお兄さんが叫んだ。後ろまで鬼がワイヤーを持って迫っていた。くそ、としゃがんで水面蹴りで転ばせる。サンキューな！と叫んで、また走る。



『くっそ他を先にとは言ったけど早く来てくれ山田ァ！！！！』



瞬間、ひゅっと音がして


『あ』