その放送を見て、村田将五は手に持っていたドライバーで思い切りテレビをぶち壊した。

藤代拓海はテーブルを引っくり返した。

天地寿は部屋をぐちゃぐちゃに破壊した。

そして、村田十三は、



「おい、おい。何考えてる？あ？聞こえねーんだが。なぁ。おい。生きてるなァ？おい？耳あるよな？聞こえてねーのか？あ？ならこの耳いらねーな？あ？」


鬼を１匹殺していた。現在、戸亜留市は無法地帯と化していた。何せこの町だけでも危険地帯だと言うのに、そこに明確な敵が現れた。しかも植物や色だと？自らの先輩もしくは後輩、敵とは言え好敵手に見ている奴が狙われた連中は怒り狂う。そしてそれ以上に怒り狂う連中が、沢山いた。各地にだ。




「「「あの馬鹿を」」」

「俺の可愛くねー後輩を……？」

「……名前、さん、が」

「俺の相棒だぞコラァ」
「おい俺とお前もだ」



「俺の妹狙うたァいい度胸じゃねーかクソ政府ゴルァ！！！！！！」




その日戸亜留市で死傷者はゼロであった。何故なら鬼がこぞって怒り狂った幼馴染み組や兄貴ズ、ハゲ軍団に襲われ、鬼が狙った色の名を持つ銀次やその他を守った同じく狙われるべき植物の名を持つ月島花やその配下が徹底的に殴り、静かに怒っていた原十希夫が月本光義や河内鉄生等と合流、戸亜留市全体が鬼絶対殺す都市と化した。

そして鬼達や政府は知らなかった、戸亜留市にて植物の名を持ち、単なる狙う相手だと思って集団で襲った相手が、


「グルルルルルル……ッ！！！！」



まさか、鬼ごっこの鬼以上の鬼だったとは




花木九里虎氏、名前とクロサーが狙われているのと自分も狙われてるのを知って本気を出すようです。