『ハッピーバレンタイン！』


何言ってんだコイツは



『おい眉間の皺が何言ってんだコイツって皺してるぞマイダーリン』
「どんな皺だそりゃ」
『鏡見る？』
「いい。お前こそカレンダー見るか」
『結構。寝込んでたからバレンタイン過ぎたけど日頃の愛だよ愛』
「そんな千と千尋の釜爺みたいに言っても面白くねえし伝わらねえからな」
『伝わってるじゃん』
「ところで中身は」
『トリュフ』
「……」
『今“去年もトリュフだったな手抜きかよ”って思ったでしょ』
「すげーなエスパーかお前」
『寿くんお前許さんからな』


うるせーよと言ってるそばから靴を履いた。おい、と声をかけられる。大方拗ねたとでも思ったのだろう。


『十三にあげるの』
「……そうか」
『あ、風邪は治ったよ病み上がりだからちゃんと寝るから安心して』
「……………………」
『なんだよ』
「……食う」
『おう食え』


多分素直にありがとうとも言えないので食うわ！！！になったんだな。お前解りやすいぞ寿。まぁいっか




『将五ー！十三まだ帰ってない？』
「残念だが帰ってきてる」
『おけーり』
「ただいま。病み上がりに遊ぶのはよろしくねーな名前」
『チョコ配ってた。はい十三ハッピーバレンタイン』
「ありがとう今すぐ食うわ」
「兄貴食い気味に言うのやめろ」
『十三お前女から大分チョコ貰ってなかった？』
「事務のおばちゃんから貰ったやつ以外食ってねえよ」
『えっなんで』
「名前、聞くな。気分悪くするぞ」
『なに、去年勝手に食ったチョコは髪の毛だったけど』
「最近血を入れるヤツも多いらしいからな」
『あっ』



そんなこんなでバレンタインは終了したけどチョコに血を入れられる可能性のある十三ってどうかなって思いました




「名前俺にチョコは？」
『ごめん山田くん。なくなったから今日特大ガトーショコラ作ろ』
「やったぜ」