『私晩御飯食べてからお菓子食べさせてって言いましたよね』
「言ったな」
『あと酒は大東と天地が来るまで待てとも言いましたよね』
「言いました」
『[#da=3#]、向こうの部屋にアンペンマンいるから連れてきてあげて？』
「はぁーい！」


ぱたぱたと部屋に入る[#da=3#]を確認して、ぐりんと善明の顔を覗き込む。気まずいのかなんなのか、私と目を合わせようとしない善明の両頬を手で包み込みこちらを向かせる。


『あのねいい加減にしてくださいよ善明さん』
「……」
『[#da=3#]が可愛いのは解ります。そんな極悪人みたいな顔が緩むくらい可愛いのは解ります。』
「名前それ愛する旦那に言う言葉じゃねーよ」
『あなた』
「はい」
『天地達が来るまでも酒我慢出来ませんか？晩御飯食べるまでお菓子与えるの我慢出来ませんか？』
「いやつい」
『つい？』
「悪い」
『あと天地達の前でまでそんな[#da=3#]にベッタリするのやめなさい』
「それは無理だぞ名前！！[#da=3#]可愛いからよ！！無理！！！」
『娘にベッタリしすぎると反抗期が辛くなりますよ』
「」
「ままーー！あんえんま！あんえんま！」
『うーんアンペンマン連れてきてくれたのー？』
「ぱっぱないてるの？あげる」
「[#da=3#]はいい子だなぁ～こっちおいでー」


なんだかんだ言って娘を可愛がるのはいい事なのだ。ただ本当に善明さん将来[#da=3#]に彼氏でも男友達でも出来たら殺すんじゃないかってくらいベタ惚れだから少し心配になる。夫としては今はちゃんと働いてるしこんな極悪人面でも優しくしてくれるし妊娠が解った時は喜びすぎて一期と一会に引かれるくらいむせび泣いてたとか、妊娠中は私に軽くぶつかっただけのそこらのチャラ男に掴みかかったりだとか、あれ？割とコイツいつも通り極悪人だぞ？


「なぁ名前」
『どうしたの？』
「俺ァ[#da=3#]に彼氏が出来たら殺すかもしれねぇ」
『やめてさしあげろ』