不良はヤクザと交われない
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廃ボーリング場で取り引き……否、事は起こる。防弾、防刃ベストを着て##NAME1##は車で足を組んで紫煙をぶちまける。
何も起こらないならそれでいい、その方が事は直ぐに安全に済む。でもどうしてか##NAME1##の脳裏にゃジリジリと導火線が燃えたような音が響いてる。もう少し焼かれたら何かが爆発するような、
《、頭!動いたぞ!》
あぁ、やっぱり。
『総員、出撃するぞ!』
「OK~!」
「りょりょ!」
『梶間』
「はい」
『命は捨てるな』
「、はい!」
『トムジェリ、トムジェリ聞こえるか!?返事は出来ねえだろう、そのまま聞け。吉川のとこの若頭が殺し屋を雇った。えっと、A!なに?』
《SMOKE-S》
『SMOKE-Sだとよ!気を付けろ、うちらもすぐに行けるがお前等を狙ってる!』
通信先のトムとジェリーは息を飲む。SMOKE-S、あの狂った悪魔共!あんな奴等が、自分達を。揺らいだ思考をかき消すように戦いの幕は直ぐに上がる。
「……来おった」
銃声が聞こえる。SMOKE-Sってーのは刃物専門の殺し屋らしい。それを聞いた山田とタケはじろりと##NAME1##を見たけれど、##NAME1##はなんら動じてないように背筋を伸ばして先頭に立っていた。
覚悟は決めた、予想していなかった訳じゃねー。ナイフがなんだ、兄貴を亡くす苦しみとどちらを取るってんだ。ふるりと震える腕を無理やり押さえ付けると##NAME1##達四人の後ろには数人の男達が立っていた。
『死ぬなよ』
「皆で帰ろ」
「あんま酷い怪我したら佐伯に殺される」
「それはそう」
侵入する場所はある。数人に別れて入り、##NAME1##は山田と、タケは梶間と。他の奴等も二人ずつ。多く固まると不利なのはこちらだ。連携というだけなら負ける気は無いが、手練にとっちゃ固まった連中なんぞ的にも等しい。
「頭、持ってる?」
『おー。お前等は他にもあるね?』
「もち。……気を引き締めろ」
「了解」
堂々と歩く##NAME1##の後ろを山田が守る。本当ならば##NAME1##は留守番の筈だったのだ、この女はマシになったとはいえ刃物がダメなので。
それでも##NAME1##は頭として堂々と立っている。もう取りこぼしたくねえと立っている。それを尊重してやるのは、この女に惚れ込んじまった自分達の役目だと思っていた。
『シ』
「ん」
『トム、ジェリー。生きてるならカフを叩け』
コツコツと重なって叩く音が聞こえる。身内に死亡者はと問えば返事はない。吉川達はと問えば小さく死んだ、と聞こえた。
グ、と腕を引かれる。一緒に屈むと真上に銃弾が叩き付けられた。なるほど刃物以外も使うのね。
『友哉』
「いい?」
『許す』
「へへ」
山田は温和な顔を兄である黒澤和光と似たような鋭すぎる目付きに変えてニッと笑った。任せたよと言って##NAME1##は先へ進む。だって山田は負けないので。
「よくも頭を狙いやがったな」
悲しいことに山田達は##NAME1##を少しでも狙われる事がド地雷である。目の前の銃を持った男の末路は決まったようなものだった。
《スマン!兄ちゃん窓から飛び降りよった!》
『二階だろ?涼なら大丈夫だ。ジェリー、お前のとこは?』
《だー!!撃たれとる!弾切れてまうわ!!》
『タケ』
《ジェリちゃおまた!》
《ッ市井さん!!!!》
梶間の声が響いた。尋常じゃないその声に##NAME1##は二階へ向かおうとしたが、タケの来るなと言う声が響く。
《テメーはトムだ!解ってんだろクソアマ!!!》
『……。お口が悪いので帰ったらプリン抜き』
《そんなぁ!!!?》
タケなりの気遣いだ。市井くんに……なにかあったのかもしれない。トムジェリから聞いていた限り、涼の味方だった男だ、何事も無いといいが……楽観視は出来ない。
目の前の部屋から物音が聞こえる。開けようとすると中から固定しているらしく開かなかった。
##NAME1##はキレている。そろそろいい加減にして欲しい。それもこれもあの馬鹿兄貴が方々に恨みを買うからである。す~~……と息を吸って、
ある大男が窓を蹴破ったのと、固定されたドアが蹴破られたのはほぼ同時の出来事であった。