不良はヤクザと交われない
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全部取ろうなんてのは無理だ。
『私帰る日だけど、今日は何時から出ていくの?』
「……。昼まで居る。飯でも食いに行くか」
『ホント?食べに行こ』
「何時に帰るんだ」
『涼ちゃんが行ってからかな』
「そうか。遅くなる前に帰れよ」
全部を救おうなんてのは無理だ。
『ねえでっかいパフェ食べよ』
「俺ァ要らねえぞ」
『ちゃんと野菜食いな~?』
「お前もな」
『てか涼ちゃんもし私結婚するってなったらお祝いしてくれるの?』
「あ゛?結婚だぁ?居るのか良い奴は」
『いや居ないけど』
「変な奴選んだら殺すからな」
『涼ちゃんもじゃあ変な女見付けちゃ……その前にそのおっかねー面どうにかした方がいいんでない?』
「お前の兄貴はカッコよくねーか?」
『まさか。十三も涼ちゃんもカッコよすぎて困っちゃう』
「ふざけんな」
『私の初恋はねえ~』
「やめろやめろ最悪村田を殺す」
『ウケる』
「そこはお兄ちゃんと結婚するじゃねえのか」
『えっごめんそういう性癖無いから……』
「マジな返しやめろや」
ぺろりと飯もパフェも平らげて外へ。昼間だからいつもよりラフな格好をした涼と腕を組んで歩く。欲しい物はねえか。なに買ってくれんの?優しいからな、俺は。
雑貨屋に入って二人で見回って、ねえオソロでブレスレット着けようと言えば仕方ねえ奴だなと鼻で笑う。雑貨屋から出た二人の手首にゃお揃いのブレスレットがあった。
もうすぐ時間だと家に一旦戻る。涼はそのまま駅まで送ると言おうとしたのだけど、##NAME1##は家に荷物を忘れたと言うので家で別れる予定だ。
ここまでこの女の計算通りかと、そんな言葉が頭をよぎる。
ここからが正念場だと、脳を掻き混ぜるかのような痛みに襲われながら##NAME1##はいつも通り笑う。
『涼ちゃん、四日間……ありがとう』
「あぁ」
『あのね』
「ん?」
『……涼ちゃん。涼ちゃんは、危ない事しないでって言っても無理なんでしょう。もうテメーで決めちまった道なんでしょう、それは』
「……」
『だから止めないよ。ただ一つだけ約束して、“お兄ちゃん”』
「……あぁ」
『絶対に死なないで。何があろうと、前を向くんだ。いい?』
「……」
『何があるか解らねー、なんて言葉聞きたい訳じゃねえんだ。お兄ちゃん、もう私からお兄ちゃんを奪わないで』
「……##NAME1##」
『これ』
##NAME1##が涼に手を伸ばす。握られていたのはイヤーカフだった。何故そんなもの差し出すのかと##NAME1##を見れば酷く真剣な顔で自分を見るから思わず固まっちまった。少し考えて受け取って耳に着ける。
『……もう行くんでしょ』
「あぁ」
『荷物、持ったから』
「見送りは」
『要らない。迎えが来てる』
「そうか」
迎えが来るなんてひとつも聞いちゃ居なかったけれど、涼はもうなにも言わなかった。
外に出るまで##NAME1##の手は涼の小指を握っていた。握り返してやれないような情けない兄貴を許して欲しかった。
『私帰る日だけど、今日は何時から出ていくの?』
「……。昼まで居る。飯でも食いに行くか」
『ホント?食べに行こ』
「何時に帰るんだ」
『涼ちゃんが行ってからかな』
「そうか。遅くなる前に帰れよ」
全部を救おうなんてのは無理だ。
『ねえでっかいパフェ食べよ』
「俺ァ要らねえぞ」
『ちゃんと野菜食いな~?』
「お前もな」
『てか涼ちゃんもし私結婚するってなったらお祝いしてくれるの?』
「あ゛?結婚だぁ?居るのか良い奴は」
『いや居ないけど』
「変な奴選んだら殺すからな」
『涼ちゃんもじゃあ変な女見付けちゃ……その前にそのおっかねー面どうにかした方がいいんでない?』
「お前の兄貴はカッコよくねーか?」
『まさか。十三も涼ちゃんもカッコよすぎて困っちゃう』
「ふざけんな」
『私の初恋はねえ~』
「やめろやめろ最悪村田を殺す」
『ウケる』
「そこはお兄ちゃんと結婚するじゃねえのか」
『えっごめんそういう性癖無いから……』
「マジな返しやめろや」
ぺろりと飯もパフェも平らげて外へ。昼間だからいつもよりラフな格好をした涼と腕を組んで歩く。欲しい物はねえか。なに買ってくれんの?優しいからな、俺は。
雑貨屋に入って二人で見回って、ねえオソロでブレスレット着けようと言えば仕方ねえ奴だなと鼻で笑う。雑貨屋から出た二人の手首にゃお揃いのブレスレットがあった。
もうすぐ時間だと家に一旦戻る。涼はそのまま駅まで送ると言おうとしたのだけど、##NAME1##は家に荷物を忘れたと言うので家で別れる予定だ。
ここまでこの女の計算通りかと、そんな言葉が頭をよぎる。
ここからが正念場だと、脳を掻き混ぜるかのような痛みに襲われながら##NAME1##はいつも通り笑う。
『涼ちゃん、四日間……ありがとう』
「あぁ」
『あのね』
「ん?」
『……涼ちゃん。涼ちゃんは、危ない事しないでって言っても無理なんでしょう。もうテメーで決めちまった道なんでしょう、それは』
「……」
『だから止めないよ。ただ一つだけ約束して、“お兄ちゃん”』
「……あぁ」
『絶対に死なないで。何があろうと、前を向くんだ。いい?』
「……」
『何があるか解らねー、なんて言葉聞きたい訳じゃねえんだ。お兄ちゃん、もう私からお兄ちゃんを奪わないで』
「……##NAME1##」
『これ』
##NAME1##が涼に手を伸ばす。握られていたのはイヤーカフだった。何故そんなもの差し出すのかと##NAME1##を見れば酷く真剣な顔で自分を見るから思わず固まっちまった。少し考えて受け取って耳に着ける。
『……もう行くんでしょ』
「あぁ」
『荷物、持ったから』
「見送りは」
『要らない。迎えが来てる』
「そうか」
迎えが来るなんてひとつも聞いちゃ居なかったけれど、涼はもうなにも言わなかった。
外に出るまで##NAME1##の手は涼の小指を握っていた。握り返してやれないような情けない兄貴を許して欲しかった。