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朝起きた涼の腕の中には##NAME1##がいた。昨日、##NAME1##は高校二年の時の話をしてる最中に過呼吸を起こして涼にしがみついたのだ。殆ど吹っ切れていて最近では無かったのだけど、状況が状況なので久しぶりに精神がヤバかったらしい。そんな事はひとつも知らない涼はとんでもなく慌てて、##NAME1##を落ち着かせた後一緒に寝たというわけ。何か起こったら嫌だから。

起こさねーようにベッドから抜け出して、身支度をした後……未だ目を腫らす妹の髪をさらりと撫でる。


『……りょ、』
「起こしたか」
『……きをつけてね』
「……あぁ」


##NAME1##の気を付けてには涼が思ってる以上の意味がある。今日で三日目、そろそろ、##NAME1##も覚悟を決めなければいけない時だったから。


『……友哉、タケ。……護って欲しい、奴がいる』
《ん？》
『梶間、多分襲われるかもしれねーからよ。見ててやってくれるか』
《おけまる》
《##NAME1##のこういう時の、当たるからなぁ》


情報共有は逐一しているので話はスムーズ。恐らくその雇われた殺し屋とやらに梶間が襲われるだろうというのも、まぁ想像出来ねー話ではない。
ネット班……Aから来た話じゃ涼を殺す為に殺し屋を雇ったヤクザと、涼の舎弟はまず涼の味方を減らそうとしているらしい。


『梶間はもう私の身内みてーなもんだからよ。頼むな』
《よく言うよ助けてやる代わりに兄貴護れとか》
《いやあの時敵連れてきたこのアマ殺してやろうかと思ったもんね》
『ごめんて』


##NAME1##はその日も家を出てフラフラと歩いていた。この街はどうにも厄介な奴が多い。タチが悪すぎて……戸亜留がより恋しくなっちまう。涼や小鳥達が居なければ来たくない街であった。


『ほっわ、ツネくん？』
「ん？お！##NAME1##じゃねーか！」
『おひさ！なに、帰ってたの？』
「まぁな。お前は？涼に会いに来たんか？」
『そー。あの馬鹿シスコンに磨きが掛かってるんだけど』
「ハハ……アイツ身内には甘いもんな……」
『小鳥ちゃん達には？』
「会ったぜ。あぁ、今幸三の家に泊まってんだ」
『そ。幸三くん元気？』
「元気だよ。……あ、##NAME1##。秀人とヒロミが連絡欲しがってたぞ」
『秀人兄ちゃんなんていざ連絡したらうるせーって言うくせにね』
「不器用なんだよ」
『知ってる。いや、皆忙しいと思ってさ！連絡してなかったんだ』
「たま～にでいいからよ。ほら、アイツ等あんなんでもお前の事可愛がってるしな」
『ンはは、そうね。連絡するよ』
「……あのよ、」
『涼ちゃんは、なんとかするよ』
「……すまねえな」