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『あ！おかえり涼ちゃん。ご飯にする？お風呂にする？それとも』
「梶間とはどういう関係だ」
『乗れやド畜生』


一足先に買い物をして帰った##NAME1##が涼を出迎えるととんでもねえ目付きで睨まれた。と、いうか凄く不機嫌な顔である。不器用すぎるこの男なりの心配なのだが、##NAME1##以外であれば何考えてっか解らねー顔であった。


『学生時代世話した事があるだけよ。梶間もそう言ってなかった？』


あの後梶間を呼び出した涼はあの女とどういう関係だと顔に不機嫌を出さねーように冷静に聞き出した。右目の下がピクピクしていたので梶間はウワ……という顔だったけれど。
梶間は昔世話になった人ですとだけ伝えた。すると世話？と返され、多大な恩がありましてと言い換えると恩だァ？？とめちゃくちゃドスきかせて返されて死ぬかと思った。だから軽く、本当に軽く“昔姐さんとは敵対していて色々あって助けてもらいました”と言うとスーーーーーーッ……と涼が息を吸って、静かに顔を片手で覆ってもう片手でヒラヒラと梶間を追い出した。
そんな事があったので涼は気が気ではない。敵対ってなに。お前そのイヤリングの事もそうだけど、一体なにがあったんだと。


『とりあえずどうすんの。先にお風呂？』
「………………入る……」
『ん。入りな』


俺が家主なんだがな……とか思いながら涼は風呂へとぼとぼ向かう。##NAME1##はそれを見てケラケラ笑っていた。


「んで？」
『先にご飯よ』
「……買ったのか」
『買ったよ、調理器具ないからレトルトだけど』
「……買うか？」
『買ったところで私帰ったら作らないでしょ。それに、私包丁使えないのよ』
「使えない？」
『……ま、色々あって。んへへ、私、刃物ダメなんだ。頑張ってハサミとかなら触れるようになったんだけどね』
「##NAME1##」
『ん？』
「話せ」
『ご飯が先っつってんだろ』
「##NAME1##」
『目の前で兄貴分が刺されて死んだの』
「は？」
『私の不始末で、私を庇って。私が死ぬ予定だった。私が甘くなけりゃあの人が死ぬ事は無かった』
「な、」
『満足？なら座って。飯、食お』


涼は思わず##NAME1##の腕を取ってしまった。なんだってそんな投げやりに言うんだ、お前、なんで死ぬ死なないに関わっているんだ。そう言いたいのに、口から出るのは意味もねえ息だけ。##NAME1##はフ、と笑ってご飯、食べよ。と涼の肩を叩いた。


『つか、どうせ梶間にも聞いたんでしょ？私が言うこと無くない？』
「とりあえずな」
『うん』
「軽々しく男と肩組むんじゃねー……解ったな……」
『そこ？？？？？？』
「解ったな」
『いや……うん……なるべく……？』
「おい」
『いや梶間は昔からのあれだし……部下みたいな……』
「今は俺の舎弟だ」
『んふふ。良い奴でしょう梶間。根性あるし、性格も良いしね』
「##NAME1##」
『ん？』
「梶間は駄目だぞ」
『そっち？？？？？いやそういう意味では全くないから安心してくれる？てか普通金的して来た女嫌だろあっちだって』
「おい」
『やべ』
「詳しく話せ」
『も゛～、ご飯冷める！！！』


そのまま##NAME1##は涼の視線も無視して飯を食い始めちまった。金的したってなに。お前小さい頃は暴力にむえ……無縁……？無縁の筈だっただろ。



「食い終わったろ話せ」
『じゃあ食器洗ってくるね』
「お前な、」
『今日は高校一年生編ですね。まぁ昨日みたいに反抗期で大怪我したとかそういうのは……………………ない筈だから大丈夫』
「反抗期の話はやめろ二度とするな」
『別にただ囲まれてぶん殴られただけなのにね』
「やめろ」


##NAME1##は苦々しい顔の涼を見て苦笑する。ホント身内に甘いんだからコイツは。いくら暴力の道に……お天道様に背を向けたとしても、そういう事には敏感なんだから。


『じゃ、話すね。これは私が常磐高校に入って、初めて身内以外で……友達と認識出来る奴と出会う話だよ』
「お前友達多くなかったか」
『居たよ。でも、そうね。中学の頃の奴もその時は私頭が固くてね！友達って言葉が突き放されてるとしか思えなかったんだ。そんな馬鹿を変えてくれた男の話だよ』
「男？」
『怖い顔すんな』