不良はヤクザと交われない
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人目を避けて質素な部屋に。涼の中高時代の写真がやけに寂しく壁にかかっていた。
適当にそこらに座って予め持ってきてたお泊まりセットを開ける。ンね米炊くからね。おー。涼ちゃん食べるんでしょ三合?二合で良いだろ。いっぱい食べるから三合ね。
「……風呂入るから、大人しくしとけ」
『テレビ見るよ』
「大人しく」
『ねえ涼ちゃん自炊しないでしょレンジしかないんですけど』
「……大人しくしろ……」
##NAME1##という女はこんなにちょこまか動く奴だっただろうか。最後に会ったのは女が中学生の頃。初めて我妻涼が女に殴られた時以来であった。小鳥が年少に入ってから我妻涼は高校を辞め、いずれ戻ってくる石田小鳥の為に孤軍奮闘し、時にはリンチにあい、時には銃を向けられる。若い頃からそんな生活をしている時に、同じように女がふらりと我妻涼の目の前に現れたのだ。
“『そろそろ目も覚めた頃じゃないの』”
我妻にはその意味が解らなかった。目が覚めるとは、どういう意味だと問えば女は心底呆れた目で我妻を見て……全力で顎を殴りあげたのである。
“『私はこれ以上兄ちゃんが居なくなるのは嫌だよ』”
そう言って去っていった女はその後も沢山連絡してきたけれど、我妻は全て無視した。その頃にはもうそういった関係の者としか連絡を取り合わなくなっていた。
風呂から上がると##NAME1##はめちゃくちゃ脱力しながら転がっていた。何してんだお前。
「人様の家でどんだけ寛いでんだお前」
『兄貴の家は私の家みたいなもんでしょ』
「どーいう理屈だ」
『あ、風呂借りるね。バスタオルは?』
「ん」
『あんがと』
「……飯、食ってなかったのか」
『一人で食うより二人で食った方が美味いでしょ』
「変わらねーよ」
『変わるのよ』
女はんへへ~お風呂お風呂~なんて言いながら風呂場へ。なんなんだあの女は本当に。それでも突き放しきれないのだから、まだ自分は甘いのだろうか。
『涼ちゃんバックからヘアオイル取って』
「は?どれだよ」
『なんかボトルあるでしょ』
「何種類あんだよ色気づきやがって」
『仕方ないでしょちゃんとケアしないと友達連中にキレられるのよ』
「なんて?」
『うっ……私ガチ勢が多すぎる……』
「……ほらよ」
『あんがと』
髪を乾かした女は勝手に米を盛って食べよ~と買ってきたハンバーグを開ける。いただきまぁす。おー。
『あのね、今大型連休なの。職場』
「なんの」
『建築の事務よ。社長が知り合いでね……涼ちゃんと同い年のね』
「ほー」
『だから四日は泊まるから』
「は?」
『四日は泊まるから』
「ふざけんなよお前」
『あ、このハンバーグ美味……』
「聞けコノヤロー」
『お前じゃ想像も付かねー世界に身を置いてるんだ、解ったなら失せろって?』
ぐ、と唸る。##NAME1##に殴られた時に言い放った言葉だった。根に持ってやがる。でも、その時より今はもっと危ない状況下だ。
「解ってるなら言わせんじゃねー」
『あ、これ脅し込みだから』
「は?」
『言ってなかった?このイヤリング。非常ボタンになってんだ』
「……は?」
『押した瞬間……何人集まれるかなぁ。少なくとも300』
「は?」
『多くて700の兵隊がこの街に入り込む。ま、押した瞬間GPS起動して居場所一瞬で割れるんですけどね!』
「待て、は?お前、兵隊って」
『ンはは。……ね?一日じゃあ語り足りないんだよ兄弟。良いよね?』
「お前、」
『ねえ゛~涼ちゃん良いよって言って~!!ね゛~!!!可愛い妹の頼みでしょ!!!』
「こういう時ばかりこの野郎」
『どうせ涼ちゃん、私以外知らないんでしょう。この家』
「……」
『全く……馬鹿な兄貴だよ、ホントにね』
「何が言いてえ」
『は?いいから##NAME1##ちゃん可愛いね~ってしろやクソ兄貴』
「おいいつからそんな口が悪くなった、村田か?」
『残念ながら十三だけのせいじゃないよ。うちの……戸亜留の奴等皆口悪いからね』
「あの頃はお兄ちゃんって呼んでくれたのにな……」
『は?呼ばれたいの?呼んであげよっか?』
「いいわ別に」
『良かった。私も色々あってね、“絶対死なねーような人しか”兄ちゃんとは呼べねーんだ』
いつ死ぬか解らない世界に身を置いている我妻涼はう゛、と唸る。ンははと##NAME1##は笑って食器を洗って先程買った酒を開けた。
『んじゃ今日は中一の頃リンチにあった話からしよっか』
「嘘だろそんなハードなとこから始めんのか」
人目を避けて質素な部屋に。涼の中高時代の写真がやけに寂しく壁にかかっていた。
適当にそこらに座って予め持ってきてたお泊まりセットを開ける。ンね米炊くからね。おー。涼ちゃん食べるんでしょ三合?二合で良いだろ。いっぱい食べるから三合ね。
「……風呂入るから、大人しくしとけ」
『テレビ見るよ』
「大人しく」
『ねえ涼ちゃん自炊しないでしょレンジしかないんですけど』
「……大人しくしろ……」
##NAME1##という女はこんなにちょこまか動く奴だっただろうか。最後に会ったのは女が中学生の頃。初めて我妻涼が女に殴られた時以来であった。小鳥が年少に入ってから我妻涼は高校を辞め、いずれ戻ってくる石田小鳥の為に孤軍奮闘し、時にはリンチにあい、時には銃を向けられる。若い頃からそんな生活をしている時に、同じように女がふらりと我妻涼の目の前に現れたのだ。
“『そろそろ目も覚めた頃じゃないの』”
我妻にはその意味が解らなかった。目が覚めるとは、どういう意味だと問えば女は心底呆れた目で我妻を見て……全力で顎を殴りあげたのである。
“『私はこれ以上兄ちゃんが居なくなるのは嫌だよ』”
そう言って去っていった女はその後も沢山連絡してきたけれど、我妻は全て無視した。その頃にはもうそういった関係の者としか連絡を取り合わなくなっていた。
風呂から上がると##NAME1##はめちゃくちゃ脱力しながら転がっていた。何してんだお前。
「人様の家でどんだけ寛いでんだお前」
『兄貴の家は私の家みたいなもんでしょ』
「どーいう理屈だ」
『あ、風呂借りるね。バスタオルは?』
「ん」
『あんがと』
「……飯、食ってなかったのか」
『一人で食うより二人で食った方が美味いでしょ』
「変わらねーよ」
『変わるのよ』
女はんへへ~お風呂お風呂~なんて言いながら風呂場へ。なんなんだあの女は本当に。それでも突き放しきれないのだから、まだ自分は甘いのだろうか。
『涼ちゃんバックからヘアオイル取って』
「は?どれだよ」
『なんかボトルあるでしょ』
「何種類あんだよ色気づきやがって」
『仕方ないでしょちゃんとケアしないと友達連中にキレられるのよ』
「なんて?」
『うっ……私ガチ勢が多すぎる……』
「……ほらよ」
『あんがと』
髪を乾かした女は勝手に米を盛って食べよ~と買ってきたハンバーグを開ける。いただきまぁす。おー。
『あのね、今大型連休なの。職場』
「なんの」
『建築の事務よ。社長が知り合いでね……涼ちゃんと同い年のね』
「ほー」
『だから四日は泊まるから』
「は?」
『四日は泊まるから』
「ふざけんなよお前」
『あ、このハンバーグ美味……』
「聞けコノヤロー」
『お前じゃ想像も付かねー世界に身を置いてるんだ、解ったなら失せろって?』
ぐ、と唸る。##NAME1##に殴られた時に言い放った言葉だった。根に持ってやがる。でも、その時より今はもっと危ない状況下だ。
「解ってるなら言わせんじゃねー」
『あ、これ脅し込みだから』
「は?」
『言ってなかった?このイヤリング。非常ボタンになってんだ』
「……は?」
『押した瞬間……何人集まれるかなぁ。少なくとも300』
「は?」
『多くて700の兵隊がこの街に入り込む。ま、押した瞬間GPS起動して居場所一瞬で割れるんですけどね!』
「待て、は?お前、兵隊って」
『ンはは。……ね?一日じゃあ語り足りないんだよ兄弟。良いよね?』
「お前、」
『ねえ゛~涼ちゃん良いよって言って~!!ね゛~!!!可愛い妹の頼みでしょ!!!』
「こういう時ばかりこの野郎」
『どうせ涼ちゃん、私以外知らないんでしょう。この家』
「……」
『全く……馬鹿な兄貴だよ、ホントにね』
「何が言いてえ」
『は?いいから##NAME1##ちゃん可愛いね~ってしろやクソ兄貴』
「おいいつからそんな口が悪くなった、村田か?」
『残念ながら十三だけのせいじゃないよ。うちの……戸亜留の奴等皆口悪いからね』
「あの頃はお兄ちゃんって呼んでくれたのにな……」
『は?呼ばれたいの?呼んであげよっか?』
「いいわ別に」
『良かった。私も色々あってね、“絶対死なねーような人しか”兄ちゃんとは呼べねーんだ』
いつ死ぬか解らない世界に身を置いている我妻涼はう゛、と唸る。ンははと##NAME1##は笑って食器を洗って先程買った酒を開けた。
『んじゃ今日は中一の頃リンチにあった話からしよっか』
「嘘だろそんなハードなとこから始めんのか」