反抗期パニック!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
?
「まーた荒れてんのか、お前」
『……』
「ほら、手当てしよーぜ。立てるか」
『……うるせー』
「はいはい、飴食うか?」
『ガキじゃねーんだぞ。ちょうだい』
「食うんじゃねーか」
お前飴貰っても知らねー奴に着いていくなよ、つか貰うな、なんて話す男は##NAME1##の額から出る血を拭って、手当てしてくれた。これで三度目の会合、二度目もやり過ぎた自分を止めたこの男に##NAME1##は怒鳴り散らしたが、この大東という男は気にせずにふらりと目の前に現れた。GPSでも付けてんのかお前、と言うとフと笑って俺ァストーカーでもなんでもねーよと宣うのだった。
「俺が歩くような時間に荒れてる女が暴れてるンでな、気になっただけだ」
『……』
「噂になってるぜ、加地屋の##NAME2####NAME1##。どんだけ暴れてんだよ」
『うるさ。……好きで暴れてる訳じゃない』
「そうだろうな、好きで暴れてる奴の顔じゃねー」
『……手当て、ありがと。礼は言っとく』
「飴、食うんじゃなかったのか?」
『知らねー奴に飴貰うなっつったの、お前じゃん』
「俺ァまだ知らねえ奴か?」
『……それもそう。何味』
「パイン」
貰う、と言おうとしたら##NAME1##の腹がぎゅう、と悲鳴を上げる。あ、と顔を上げるとポカンとした大東が、数拍置いてクハ、と耐えきれないように笑う。笑うんじゃねーわ、と言えば悪い悪いと頭を撫でるので少しムスッとする。
「飯、食ってねーの」
『……兄貴に』
「ん?」
『……なんでもない』
そうして##NAME1##はパイン飴を舐めて夜に消えた。大東は、また会うだろうなと思いながらその場を去っていった。
「##NAME1##」
『……』
「……家、入れ。そっちじゃなく、村田の方な」
『……』
「飯にしよう、な」
『要らない』
「##NAME1##」
『……要らない……』
「……くそ、」
「おーおー、酷い怪我だな、お前」
『……大東』
「ほれ、ジュース飲むか?」
『……飲む』
「今日はなに言われたんだよ」
『……拐われかけた。先輩の人質』
「そうかい」
『……』
「ほれ、パン」
『……なんで』
「飯、どうせ今日も食ってねーんだろ」
『……』
「気紛れだ、捨ててもいいぜ」
『……ありがと』
「おー」
十三が作るご飯が好きだ。小学校の頃から作り始めて、年々上達したご飯は何に優ることも無い出来で……自分が食べて良いか、解らないくらい。
『……兄貴に……親代わりの幼馴染に、また、酷いこと、言った』
「そっか」
『親、帰ってこねーって、なってからずっと……親になろうと、してる。……兄貴には、兄貴の人生があるってのに』
「……おう」
『私、なんかに、かまけてて良いような……人じゃねーんだ。……だけど、優しいから……』
「その優しい兄貴の人質にされそうになって怪我してるってのに、中々だよなお前も」
『……』
##NAME1##はもそもそパンを頬張る。同い年なのに、ガキみてーだなと大東がボサボサの縛った髪をさわさわと撫でる。ここ数日で癖になっちまった行動だった。
『……』
「どうした?」
『いや。……私が、男だったらなぁ、って』
「は?」
『……親、居ねーから。幼馴染の家に行ってる。……教師に、不純異性交友って、言われるから』
「あぁ、なるほどな。いやそれはセンコーが悪いだろ、言っていいこと悪いことあるからな」
『幼馴染達と、距離が近過ぎるって。同性の友達も作れって。居ない訳じゃない、でも、……人気者、だからさ。嫉妬されるんだ』
「カーッ、面倒臭ぇな」
『……本当にね』
「離れねーの、ソイツ等と」
『……離れ、ない。今……今は近くないけど……生まれた時から、一緒だもん』
「そうかよ」
『……大東』
「ん?」
『わ、わた、わたしね』
「おう」
『け、喧嘩だって、し、したくねーし、どな、怒鳴りたくも、ねーんだ』
「……おう」
『い、生きにくいよ。唯一、完全に味方してくれる、友達でさえ、と、遠ざけちまってる』
「……」
『、ご、めん、違う、違うんだ、ど、同情が欲しい訳じゃない、た、ただ、』
「あぁ、いい。俺の事は……まぁ、空気とでも思ってくれりゃ良いからよ」
『なんでお前、面倒臭いでしょ』
「別に、言ったろ。気紛れなんだよ」
『……変な奴』
「お前にゃ言われたかねーわ」
ぐす、と鼻をすする女の頭を撫でて、もう遅いから帰ろうぜと帰宅を促す。中坊の二人は補導されちまったら親が呼び出されっちまうので。
「送ろうか」
『……いい、大丈夫』
「危ねーぞ」
『どこに居たって一緒』
「そうかよ」
「まーた荒れてんのか、お前」
『……』
「ほら、手当てしよーぜ。立てるか」
『……うるせー』
「はいはい、飴食うか?」
『ガキじゃねーんだぞ。ちょうだい』
「食うんじゃねーか」
お前飴貰っても知らねー奴に着いていくなよ、つか貰うな、なんて話す男は##NAME1##の額から出る血を拭って、手当てしてくれた。これで三度目の会合、二度目もやり過ぎた自分を止めたこの男に##NAME1##は怒鳴り散らしたが、この大東という男は気にせずにふらりと目の前に現れた。GPSでも付けてんのかお前、と言うとフと笑って俺ァストーカーでもなんでもねーよと宣うのだった。
「俺が歩くような時間に荒れてる女が暴れてるンでな、気になっただけだ」
『……』
「噂になってるぜ、加地屋の##NAME2####NAME1##。どんだけ暴れてんだよ」
『うるさ。……好きで暴れてる訳じゃない』
「そうだろうな、好きで暴れてる奴の顔じゃねー」
『……手当て、ありがと。礼は言っとく』
「飴、食うんじゃなかったのか?」
『知らねー奴に飴貰うなっつったの、お前じゃん』
「俺ァまだ知らねえ奴か?」
『……それもそう。何味』
「パイン」
貰う、と言おうとしたら##NAME1##の腹がぎゅう、と悲鳴を上げる。あ、と顔を上げるとポカンとした大東が、数拍置いてクハ、と耐えきれないように笑う。笑うんじゃねーわ、と言えば悪い悪いと頭を撫でるので少しムスッとする。
「飯、食ってねーの」
『……兄貴に』
「ん?」
『……なんでもない』
そうして##NAME1##はパイン飴を舐めて夜に消えた。大東は、また会うだろうなと思いながらその場を去っていった。
「##NAME1##」
『……』
「……家、入れ。そっちじゃなく、村田の方な」
『……』
「飯にしよう、な」
『要らない』
「##NAME1##」
『……要らない……』
「……くそ、」
「おーおー、酷い怪我だな、お前」
『……大東』
「ほれ、ジュース飲むか?」
『……飲む』
「今日はなに言われたんだよ」
『……拐われかけた。先輩の人質』
「そうかい」
『……』
「ほれ、パン」
『……なんで』
「飯、どうせ今日も食ってねーんだろ」
『……』
「気紛れだ、捨ててもいいぜ」
『……ありがと』
「おー」
十三が作るご飯が好きだ。小学校の頃から作り始めて、年々上達したご飯は何に優ることも無い出来で……自分が食べて良いか、解らないくらい。
『……兄貴に……親代わりの幼馴染に、また、酷いこと、言った』
「そっか」
『親、帰ってこねーって、なってからずっと……親になろうと、してる。……兄貴には、兄貴の人生があるってのに』
「……おう」
『私、なんかに、かまけてて良いような……人じゃねーんだ。……だけど、優しいから……』
「その優しい兄貴の人質にされそうになって怪我してるってのに、中々だよなお前も」
『……』
##NAME1##はもそもそパンを頬張る。同い年なのに、ガキみてーだなと大東がボサボサの縛った髪をさわさわと撫でる。ここ数日で癖になっちまった行動だった。
『……』
「どうした?」
『いや。……私が、男だったらなぁ、って』
「は?」
『……親、居ねーから。幼馴染の家に行ってる。……教師に、不純異性交友って、言われるから』
「あぁ、なるほどな。いやそれはセンコーが悪いだろ、言っていいこと悪いことあるからな」
『幼馴染達と、距離が近過ぎるって。同性の友達も作れって。居ない訳じゃない、でも、……人気者、だからさ。嫉妬されるんだ』
「カーッ、面倒臭ぇな」
『……本当にね』
「離れねーの、ソイツ等と」
『……離れ、ない。今……今は近くないけど……生まれた時から、一緒だもん』
「そうかよ」
『……大東』
「ん?」
『わ、わた、わたしね』
「おう」
『け、喧嘩だって、し、したくねーし、どな、怒鳴りたくも、ねーんだ』
「……おう」
『い、生きにくいよ。唯一、完全に味方してくれる、友達でさえ、と、遠ざけちまってる』
「……」
『、ご、めん、違う、違うんだ、ど、同情が欲しい訳じゃない、た、ただ、』
「あぁ、いい。俺の事は……まぁ、空気とでも思ってくれりゃ良いからよ」
『なんでお前、面倒臭いでしょ』
「別に、言ったろ。気紛れなんだよ」
『……変な奴』
「お前にゃ言われたかねーわ」
ぐす、と鼻をすする女の頭を撫でて、もう遅いから帰ろうぜと帰宅を促す。中坊の二人は補導されちまったら親が呼び出されっちまうので。
「送ろうか」
『……いい、大丈夫』
「危ねーぞ」
『どこに居たって一緒』
「そうかよ」