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『うるせーーー！！！！保護者面してんじゃねーー！！！』
「##NAME1##！！！」


バン！！！と酷い音を立てて女は外に消えた。十三は酷い面で##NAME1##を追いかけるのだけれど、あんなに足の遅い女はもう居なかった。


どうしていいか解らなかった。未成年、まして中学生の女は一人でなんて生きていけない。でも親はもう既に海外で再婚、電話では帰る事も無くなるとも言っていた。そうなれば幼い頃から世話を見てくれている村田家に世話になるしかないけれど、不純異性交友。不純異性交友とは？確かに歳の近い男は二人居るけれど、将五なんて……それこそ産まれた時から一緒にいるってのに。十三にあんな事言いたい訳じゃなかった、いつも感謝している。十三は十三の人生があるのに、いつも気にかけてくれているあの人に、あんな酷い事言うつもりは無かったってのに。



「おい！あれ、村田の……」


女には敵が多かった。あのおっかない四代目武装戦線の副頭、その妹分。なんなら女は頭の龍信や、その他の連中にも可愛がられて居るもんだから人質に取ろうとする奴も沢山居る。鳳仙も代々可愛がってくれる美藤兄弟が、鈴蘭には春道や海老塚三人衆……なんならこの間まではリンダマンの人質にも取られていた。いつもなら助けて貰えるまでなんとか待つか、逃げ切るかなのだけど。


「おい、ちょっと来いよ」
『……よ、』
「ぁに？」


どうしていいか解らなかった。この心の内で燻っている怒りを……なるべく身内に向けたく無かった。


『相手してやっからよ、……とりあえず、歯置いてけや』
「ごっ！？」
「な、なんだこい、ぐあ！！！」


女は……通りすがったある男に止められるまで、絡んできた二人を叩きのめした。やり過ぎだ、それ以上は死んじまうと。


「コイツ等が悪かったにしても、なんにしてもこれ以上やるとお前が悪くなるぞ」
『、……クソが……、』
「とりあえずもう離れようぜ。……いいな」
『うるせー、畜生』


女はその手を振り払って走り去った。随分荒れてる女だったなぁ、と男も少し気にした様子で帰路についた。その男の名は、大東隆と言った。



「##NAME1##！！くそ、また怪我しやがって、」
『……ほっといて』
「おい、」
『触んな！！！』


十三の腕を振り払って##NAME1##はやっと帰ったってのにまたどっか行ってしまった。残された手はなんにも掴めちゃ居なかった。

十三も、どう接したら良いか解らないのだ。だってまだ18歳。将五が反抗期になって突っかかってきたら殴り倒してどうにかしたら良いけれど、流石に##NAME1##は殴れない。しかも今辛い時期なのが解るから余計に……ビシッと叱る事が出来なかった。


「はい##NAME1##っち、お手て出してみ」
『む゛……』
「皮剥けるまで殴る奴があるかばーか！！オタンコナス！！」
『……怒んないで』
「いっから手当てちや。ンね」


阿賀島家で手当てを受ける。お前ふざけんなよ、とタケが唸るが、##NAME1##はうん。うん。としか言わない。……去年の自暴自棄なタケと、似た状態だった。