『思ったのねお兄ちゃん』
「なんだマイリトルシスター」
『コイツ等全員を酔うまで飲ますのは自殺行為なのよ』
「そうか？いざとなりゃ沈めるか物理的に沈めりゃ治まるだろ」
『人を易々と沈めようとするんじゃないよ』
「ねえ゛##NAME1##なんで俺には話しかけてくんないの゛」
「うん」
「…………………………」
『あれ寿ちゃん酔い醒めた？』
「……ギリ……意識はある……」
『アルマジロ』
「んぐふっっっっっ」
『駄目じゃん』
「うん」
「将五ほれ水飲め」
「うん」
「##NAME1##ってば！！なあ゛～天地ばっか見んな！！！構えや゛」
『拓海ファンが見たら卒倒するよコレ』
「ソイツなりに甘えてんだ許してやれ。普段が大人しいからな」
『いや単純に面倒臭いじゃん』
「面倒臭い゛ってなに゛」
『ハイハイハイハイ拓海ちゃん可愛いねえ～ヨシヨシ！！！！』
「は？今更何？嫌ならもう触るなよ」
『十三』
「ここで手まで出したら流石の俺も大噴火だがな」
『もしもし……？山田……？』
《はいこちら山田。火事ですか、救急ですか》
『そんな事ある？』
「ふぐっ……………………」
「##NAME1##ってば！！！」
《大方お好み焼きする時に十三さんが強めの酒飲ませて皆酔ったんでしょ》
「どーーいう事だ山田ァデスソースか？」
『大正解過ぎて』
《ちなみに山田家では兄貴が帰ってきてて》
『クロサーさんが？』
《九里虎も居るしタケは泊まりに来てるんだけど》
『謎メン過ぎて。凄い後ろからドンガラガッシャーン聞こえてるよ』
《兄貴、今日初めて知ったけど限界まで酔ったらめちゃくちゃ酷いことになってて》
『え、酒乱？』
《執拗に周りを褒め出す》
『なんて？』
《照れたタケと九里虎が気紛らわすのに腕相撲してるんだわ今》
『なんて？？？』
《お～##NAME1##かぁ～？？》
『あ、クロサーさん凄い酔ってるね』
《##NAME1##はな、偉い奴だよなァ》
『待って』
「同意する」
『アンタは黙って』
《周りがクソッタレばかりでよぉ、喧嘩に巻き込まれて、もう嫌だって嫌っても仕方ねえってのに、こんな真っ直ぐ育ちやがってよぉ……》
『助けて』
「俺が育てた」
『ふざけんなよ』
「##NAME1##のことよくしってるね……」
「うん」
『寿ちゃん拓海黙らせて』
「多分」
《兄貴、##NAME1##が死んじゃうからそろそろ……》
《それにな……嫌いな鈴蘭にわざわざな……乗り込んできてな……友哉の為とは言えよお……》
《ギャーーー！！！！やめて！！！それ俺にも刺さる！！！》
『クロサーさん九里虎の話聞きたいなぁ！！！』
《やめんかーー！！！！！》
《ぐりこ……？九里虎はな……あんな色欲大魔神だけどな……まず当たり前とはいえ女にゃ絶対手上げないしな……》
《おなごに褒められるならまだしもニシャに褒められてもなんも嬉しくなか、》
《八助が家出した時一緒になって必死に探してくれてよぉ……》
《ギャーーー！！！！！！！》
「八助って？」
『黒澤家の犬。急激に家出したくなる癖があるけど可愛いよ』
《あれは兄貴が柄にもなく半泣きだったから助けてくれたんだよね》
《弟、余計な事ば言うとくらすぞ、》
《しかもな～飯行ったりするとな～コイツめちゃくちゃ綺麗に食うんだわ～ありゃ作る側も嬉しいだろうな～》
『確かに九里虎綺麗に食べるよね。米粒残さないし、食べる時の姿勢もいいし』
《解る～、俺がツマミ作ったけどあれは作りがいあるわ》
《もうやめ、やめろ……》
《タケはな～あんな奇抜な見た目してっけどよ～可愛い奴だよな～》
《##NAME1##っち～、グリちゃに腕相撲勝てない……》
『そもそもこのクソ暑い中腕相撲なんてするんじゃないよ』
《は？男なら勝負だろが舐めた事抜かすな》
『ねえ゛～タケちゃんまで酔ってるとか聞いてないんだけど』
「そりゃ酒飲んで腕相撲なんぞやってたら酔い回るだろ」
《タケちゃんの酔い方あんま解らないね》
『正直さが増すし男臭さが増す』
「あと急にド正論祭りが始まる」
『懐かしいね、前好誠さん居る時飲んで“触んじゃねードブネズミ！！！！でも撫でるなら許してやるわ”的なこと言って好誠さん崩れ落ちてたじゃん』
「天地も崩れ落ちたがな今」
「………………ッ、ク………………」


被害受ける前にバイバイ、と##NAME1##が電話を切った。これ以上電話すると褒めちぎられるので。完全に床に胡座をかいて全肯定botになってる将五と、ソファに座る十三とその隣でボケっとする##NAME1##、##NAME1##の隣に行こうとするメンヘラ拓海とそれを阻止しようとするけど箸が転がっても笑う天地。最悪である。


「##NAME1##、眠くないか？寝るなら部屋で寝ろよ」
『その優しさを弟達にも見せてやって欲しいんだよね』
「……何故？」
『何故！！！？』
「明日6時起きだからな」
『今何時だか見えてる？』
「18時」
『バリバリ22時だが！！！？』
「どうする？泊まる前提で行くか？どうせ俺は明日から休み二日取ったからな」
『前提で行こ、どうせ今日花火出来ないし』
「拓海は夏休み取ったんだよな」
「四日取った！！！」
「そうか」
『急に元気になるじゃん』
「天地は予定は無いな？」
「断定するな俺だって予定はある」
『私より優先する予定ってなに？』
「死刑か？」
「天地お前……俺が居るのに……！？」
「ないです」
「だろうな」
『でしょうね』
「クソッタレが……」
「うん」
「将五お前飲めクソ野郎」
「うん……うん？」
『全肯定botをバグらせるな、イェーガー置きなさい』
「十三さんイェーガーのカクテルとかって」
「待ってろ」
「ッス」
『飲ますな飲ますな』
「天地が俺に頼み事するのなんか珍しいだろが」
『将五に頼って貰えないから可愛いんでしょ』
「##NAME1##？」
『待って』
「##NAME1##？？」
『ごめんって笑顔が怖いの』
「##NAME1##、俺甘いの飲みたい……」
『甘いの？』
「作って……？」
『おらよ』
「日本酒なんて飲めない」
『お前が最初にイッキした酒だわ馬鹿が。私ィ、甘いのしか飲めなァいみたいなキャピキャピ系の真似をするんじゃないよ』
「んっっっっぐ……」
『また寿ちゃんがマージ・マジ・マジーロ……』
「なんて？」
「んぐぐ……………………ッ」
「天地ほらよ」
「……ッ、……なんすか、これ」
「レッドヘッド」
『十三いつからお洒落なカクテルにハマったの？』
「夜の海辺で作ってる動画撮って龍ちゃんに送りてえって思い付きで勉強した」
「ビールジョッキでなきゃ素直に喜べたんだよな……」
『ゆっくり飲みなさいね』
「頂きます」
「おーいい飲みっぷり」
『一気に飲むんじゃねーーーー！！！！』
「うまい」
「またアホの顔したな」
「うん」



この後もめちゃくちゃ飲んで##NAME1##は十三に部屋まで運ばれたとだけ言っておく。