全面戦争篇
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##NAME1##達が見舞いから帰った、その日の夜の事。村田家でダラダラと早く帰ってきた将五とテレビを見て駄菓子の奪い合いをしている時であった。
将五と##NAME1##の携帯が同時に鳴る。珍しいね~と二人して出ると、電話の向こう側から痛みに呻くような声と、怒号が聞こえた。相手は一つ下の後輩の男からであった。
《か、……かしら……》
『何が起きてる』
《に、にげろ……》
逃げて、だと?##NAME1##は眉間に皺を寄せる。##NAME1##が治める常磐高校の奴等は##NAME1##の性格をよく知っていて、プライドエベレストなこの女に逃げろなんて言葉はまぁまず使わない。しかもこの男は女である##NAME1##が頭を張るのであれば、絶対に背を向けるなと叫んだ事のある男だった。
『何処にいる』
《こないでくれ、》
すると電話の向こうからゴッ!と固いものを殴る音がした。おーわり、なんて軽い声が聞こえて、##NAME1##は激しく頭を回転させる。微かに聞こえる信号の音、この信号のメロディは戸亜留で三箇所。電話をかけて来た男の家は、
ガンッ!!!とテーブルを叩く音。将五である。勢いよく立ち上がった将五を見て、確信する。
『将五、連れてって』
「##NAME1##、ここに居ろ」
『スクラップ置き場の近くに住んでる奴から電話。うちのがやられたんだよ』
「こっちもだ」
『早くして』
「畜生、」
言い争う暇も無いので、風呂に入ってた十三にごめんと叫んで外に出た。飛ばすぞ、と言う将五に無言で背を叩き、ケツに乗る。メットを被る余裕すらなかった。
「、頭!」
酷い惨状であった。スクラップ置き場から出た瞬間を狙われたのだろう、髑髏を背負った男が四人。……春も、その一人で、たまたま通りがかった常磐の後輩、辻本も一緒に居た。人一倍情に厚い男で、##NAME1##と居る時に武装とも知り合っていたから加勢したのかもしれない。だって武装の男共が、それも春も居てここまで酷くやられるなんて、馬鹿みたいに囲まれたくらいにしか思えない。将五の方に知らせてくれたのは、春の後輩である七代目のメンバー、京本であった。知らせる為に、逃がされたのだと。
「か、かしら」
『喋んな、病院行くぞ』
「す、すんません、かしら、お、おれ、おれァ、やっちゃいけねー、ことを」
『はい、はい。五台お願いします、はい。……今救急車来るからな』
「しゃべっ、ちまった、おれ、」
『……』
「おれ、おれ……と、とあるの、勢力……しゃべっちまったよ……」
『……良い、良い。良く頑張ったな』
「##NAME1##、」
『そっちのも呼んだからよ、今黙っててくれや』
「かしら、」
『うん』
「や、やべーよ、あいつら、と、とあるを、つ、つぶすきだ」
辻本が出してきたのは……昼間見たばかりの“蛇目”のステッカー。スッ、と目を細めて、話を促す。ここまで話せてんなら大丈夫だし、もう救急車も来るので。……命取りにならない為に。
「さ、佐々木が、バ、バイクに轢かれて、お、おれ、おれ、ビビっちまって、」
『そうな』
「さ、佐々木、お、俺を、か、ばったんだ、つ、次は、おれって、さ、佐々木、佐々木が、逃げろって、い、いってくれたのに」
『……』
チラ、と見ると……この中で一番怪我が酷いのは春であった。##NAME1##の後輩でもある佐々木春とこの辻本って男は、違う勢力とは言え仲が良かった方だった。
『おい、泣き言は後にしろ、罪悪感に喚きてえなら、春に謝りてーなら後でやれ。お前は、お前のすべき事をしろ』
「、ぐ、……かしら、蛇目、蛇目連合って、言ってました。す、鈴蘭と、鳳仙、武装、常磐を、狙うみてーです」
『良くやった、あとは休みな』
「き、つけて、やつら、どうぐ、つかいます」
『おう!任せとけ、私を誰だと思ってる?』
辻本はふ、と笑って意識を落とした。限界だったのだろう、やって来た救急車に全員乗せて、京本が付き添って救急車に乗った。そして私と将五だけがポツン、と残る。
「……##NAME1##」
『うん』
スクラップ置き場に入って、そこらに二人して腰をかける。激情家の面を持つ二人にしては、不気味な程静かだった。
『聞いてた?』
「あぁ」
『ハハ、うちのを怒るかい?』
「いや」
『どう思う?』
「どうもこうもねーだろう」
##NAME1##が煙草に火を灯す。将五が顔を寄せ、ジュウ、と一緒に火を点けた。
『やるかぁ』
「そうな」
気心知れた二人にそれ以上の会話なぞ必要無かった。既に二人の眼はギラギラと鈍く光り、瞳孔がガッツリ暗さ以外の理由で開き切っていた。
『拓海にお願いしていい?花にも伝わるしね。私は友哉とタケ、……光政に』
「あぁ」
ぴ、と二人一斉に電話をかける。山田は##NAME1##の連絡はまずツーコール以内に出るので楽。はいはい?と出た山田の方からはおあつらえ向きにタケの声が聞こえた。
『二人、伝令を頼む』
《えっ》
《あっこれ真面目な話ちや》
『辻本がやられた。救急車で運ばれて、蛇目連合は戸亜留の勢力を潰しに来たらしい』
《ほあ゛!?》
《ほぉ~》
『これより常磐は七代目武装戦線と同盟を組む。……春が単車に轢かれてな、道具も使う。相当危ねー奴等だ、やる気のねー奴は下がらせろ』
《了解ボス》
《イエスマーム!》
『うん。じゃ、これから光政んとこ行ってくるから……くれぐれも一人になるな』
《りょ》
《りょりょりょ》
ピッと切って将五に目をやる。頷いたので##NAME1##も頷いてまた電話をかけ始めた。
『もしもし』
《おー、どうしたこんな時間に》
『今からそっち行くから、呼んだら出て来て。将五と行くから』
《……緊急っぽいな?》
『緊急も緊急よ~!構わねーな?』
《おー、待ってる》
将五と##NAME1##の携帯が同時に鳴る。珍しいね~と二人して出ると、電話の向こう側から痛みに呻くような声と、怒号が聞こえた。相手は一つ下の後輩の男からであった。
《か、……かしら……》
『何が起きてる』
《に、にげろ……》
逃げて、だと?##NAME1##は眉間に皺を寄せる。##NAME1##が治める常磐高校の奴等は##NAME1##の性格をよく知っていて、プライドエベレストなこの女に逃げろなんて言葉はまぁまず使わない。しかもこの男は女である##NAME1##が頭を張るのであれば、絶対に背を向けるなと叫んだ事のある男だった。
『何処にいる』
《こないでくれ、》
すると電話の向こうからゴッ!と固いものを殴る音がした。おーわり、なんて軽い声が聞こえて、##NAME1##は激しく頭を回転させる。微かに聞こえる信号の音、この信号のメロディは戸亜留で三箇所。電話をかけて来た男の家は、
ガンッ!!!とテーブルを叩く音。将五である。勢いよく立ち上がった将五を見て、確信する。
『将五、連れてって』
「##NAME1##、ここに居ろ」
『スクラップ置き場の近くに住んでる奴から電話。うちのがやられたんだよ』
「こっちもだ」
『早くして』
「畜生、」
言い争う暇も無いので、風呂に入ってた十三にごめんと叫んで外に出た。飛ばすぞ、と言う将五に無言で背を叩き、ケツに乗る。メットを被る余裕すらなかった。
「、頭!」
酷い惨状であった。スクラップ置き場から出た瞬間を狙われたのだろう、髑髏を背負った男が四人。……春も、その一人で、たまたま通りがかった常磐の後輩、辻本も一緒に居た。人一倍情に厚い男で、##NAME1##と居る時に武装とも知り合っていたから加勢したのかもしれない。だって武装の男共が、それも春も居てここまで酷くやられるなんて、馬鹿みたいに囲まれたくらいにしか思えない。将五の方に知らせてくれたのは、春の後輩である七代目のメンバー、京本であった。知らせる為に、逃がされたのだと。
「か、かしら」
『喋んな、病院行くぞ』
「す、すんません、かしら、お、おれ、おれァ、やっちゃいけねー、ことを」
『はい、はい。五台お願いします、はい。……今救急車来るからな』
「しゃべっ、ちまった、おれ、」
『……』
「おれ、おれ……と、とあるの、勢力……しゃべっちまったよ……」
『……良い、良い。良く頑張ったな』
「##NAME1##、」
『そっちのも呼んだからよ、今黙っててくれや』
「かしら、」
『うん』
「や、やべーよ、あいつら、と、とあるを、つ、つぶすきだ」
辻本が出してきたのは……昼間見たばかりの“蛇目”のステッカー。スッ、と目を細めて、話を促す。ここまで話せてんなら大丈夫だし、もう救急車も来るので。……命取りにならない為に。
「さ、佐々木が、バ、バイクに轢かれて、お、おれ、おれ、ビビっちまって、」
『そうな』
「さ、佐々木、お、俺を、か、ばったんだ、つ、次は、おれって、さ、佐々木、佐々木が、逃げろって、い、いってくれたのに」
『……』
チラ、と見ると……この中で一番怪我が酷いのは春であった。##NAME1##の後輩でもある佐々木春とこの辻本って男は、違う勢力とは言え仲が良かった方だった。
『おい、泣き言は後にしろ、罪悪感に喚きてえなら、春に謝りてーなら後でやれ。お前は、お前のすべき事をしろ』
「、ぐ、……かしら、蛇目、蛇目連合って、言ってました。す、鈴蘭と、鳳仙、武装、常磐を、狙うみてーです」
『良くやった、あとは休みな』
「き、つけて、やつら、どうぐ、つかいます」
『おう!任せとけ、私を誰だと思ってる?』
辻本はふ、と笑って意識を落とした。限界だったのだろう、やって来た救急車に全員乗せて、京本が付き添って救急車に乗った。そして私と将五だけがポツン、と残る。
「……##NAME1##」
『うん』
スクラップ置き場に入って、そこらに二人して腰をかける。激情家の面を持つ二人にしては、不気味な程静かだった。
『聞いてた?』
「あぁ」
『ハハ、うちのを怒るかい?』
「いや」
『どう思う?』
「どうもこうもねーだろう」
##NAME1##が煙草に火を灯す。将五が顔を寄せ、ジュウ、と一緒に火を点けた。
『やるかぁ』
「そうな」
気心知れた二人にそれ以上の会話なぞ必要無かった。既に二人の眼はギラギラと鈍く光り、瞳孔がガッツリ暗さ以外の理由で開き切っていた。
『拓海にお願いしていい?花にも伝わるしね。私は友哉とタケ、……光政に』
「あぁ」
ぴ、と二人一斉に電話をかける。山田は##NAME1##の連絡はまずツーコール以内に出るので楽。はいはい?と出た山田の方からはおあつらえ向きにタケの声が聞こえた。
『二人、伝令を頼む』
《えっ》
《あっこれ真面目な話ちや》
『辻本がやられた。救急車で運ばれて、蛇目連合は戸亜留の勢力を潰しに来たらしい』
《ほあ゛!?》
《ほぉ~》
『これより常磐は七代目武装戦線と同盟を組む。……春が単車に轢かれてな、道具も使う。相当危ねー奴等だ、やる気のねー奴は下がらせろ』
《了解ボス》
《イエスマーム!》
『うん。じゃ、これから光政んとこ行ってくるから……くれぐれも一人になるな』
《りょ》
《りょりょりょ》
ピッと切って将五に目をやる。頷いたので##NAME1##も頷いてまた電話をかけ始めた。
『もしもし』
《おー、どうしたこんな時間に》
『今からそっち行くから、呼んだら出て来て。将五と行くから』
《……緊急っぽいな?》
『緊急も緊急よ~!構わねーな?』
《おー、待ってる》