十希夫ん家は少し寒い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
?
なんでか知らないけど、普段十希夫が出かける時にゃ割と平和なくせに##NAME1##とどっか少し遠出でもしようかなんて時に人というのは絡んでくるのだろうか。ガコッ!と男を壁に叩き付けてめちゃくちゃどデカい舌打ちを零す。
色々……鉄生が死んで、##NAME1##が勢力の長になって……やっと落ち着いたし、珍しく、本当に珍しく十希夫から休みにどっか行くか?と声をかけたのだ。鈴蘭の人間にゃまだビクつくけれど、十希夫と、一つ下の月島花は大丈夫な事は解っているので。
##NAME1##は存外喜んで、え、どこ行く?と基本無気力な顔をニコニコとかわゆく綻ばせていた。……それを見て十希夫も思わず目尻を下げちまって、近くにいた黒澤兄弟と阿賀島にニヤニヤされたけれど。アイツ等そのうち殺してやるからな。
そうして、紅葉狩りでも行くかぁなんて言ってたのだけど。時刻は10時、朝から行こうねと言っていたのに30分遅刻。いつだかの時よりもめちゃくちゃ焦っているのは自覚している。十希夫は進路の事もあるし、##NAME1##は傘下の人間を治めるのに忙しかったから、朝から二人でゆっくり出来るのなんて本当に久しぶりだってのに。
なんとか絡んできた奴等を潰して、急いで携帯を見る。すると、##NAME1##の兄貴分である十三から少し前に「コイツ寝てるから、ゆっくり来い」なんて連絡が来ていた。十希夫は片手で顔を覆ってスーーーーーッ、と深呼吸。……向かおうか。
「なんだお前、喧嘩して来たんか」
「絡まれたんすよ。##NAME1##は」
「ま、見てみろ」
十三が少し意地の悪い顔で十希夫を家に上げる。実は##NAME1##の奴起きててなんかやらかすんじゃねーか、とか、とりあえずごめんしよ……とか考えてたら、##NAME1##は茶の間のソファにぐでん!と口を開けて寝ていた。滅多に着るのを見た事がないワンピースに、いつだか、気紛れにやったネックレスをつけて、化粧までして。カッと頭に血が登る。数秒固まった十希夫を十三と、化粧担当の山田と服装担当の阿賀島はめちゃくちゃニヤニヤして見ていた。
「ま、涎垂らしてちゃ仕方ねーがな」
「……コイツ、前俺ん家でも涎垂らしてたんすけど」
「災難だったな。可愛いもんだろ」
「ええ、まぁ」
つい出ちまった本音に十三が「ぁ゛あ゛!!?」なんて唸って、山田と阿賀島は「キャーー!!」と抱き合って叫んじまった。十希夫ももう無の表情で受け流す。もうここまで来たら開き直りである、十三にはこの間呼び出されて##NAME1##と手繋いだんか?それ以上は?してない?ほぉ。ちなみに就職は?どうすんだ?と酒を飲まされながらめちゃくちゃ聞かれたから大体解る。今の、可愛いって言っても唸るし否定したら殺されてた。
「……ま、いい。原田、##NAME1##が一発で起きる方法を教えてやる」
「やめろやめろやめろアンタ手にデスソース持ってんの見えてるからな」
「匂い嗅がせりゃ一発よ」
「##NAME1##ーーー!!!死ぬぞ!!!!」
『うるさ……』
十希夫の声にめちゃくちゃ不機嫌そうに起きた##NAME1##が目を擦ろうとして山田にやめろや!!と叩かれた。
「原田、##NAME1##はお色直しするから座って待ってろ」
「言い回しが腹立つんだよなアンタ」
「あ?また十三スペシャルが飲みてえって?」
「待ってます」
数分後、##NAME1##がとっきー行こ!と元気に言って、おー、なんて軽く返事をしてじゃあ行ってきますと村田家を出た。十三や山田、阿賀島もバイバイ、と手を振って見送っていた。
いつも邪魔だからと結い上げている髪を珍しく下ろして、景色を眺める女の横顔は自覚する前よりも可愛く思えた。この女は桜のような淡い色も生えるけれど……どこか消えてしまいそうな時があるから、紅葉のはっきりとした色に包まれていると、女の、意外と熱い心が透けて見えるようで心地よかった。
『ね、とっきー。紅葉と言えば』
「なんだろうな」
『もみじ饅頭』
「やっぱり食い気しかねーな、お前」
『一個あげる』
「ありがとよ」
二口くらいで食べきって、まだもそもそと饅頭を食う女の頭に紅葉が落ちてきて、取れば良いだけなのに、さらりと撫でる。ん?と見上げる女に何でもねーよ、とだけ言って、帰り、飯でも食ってくか、と言った。ねえハンバーグ食べたい、と食い物の事になりゃ目を輝かせる女に苦笑して立ち上がる。
「まだ、帰るにゃ早い時間だろ」
そう言って十希夫は##NAME1##に手を差し出した。別に初めてでもねーってのに、##NAME1##はポン!とそこらの紅葉みてーに顔を真っ赤にした。十希夫は頑張って我慢したけど、すげーオドオドして、ちょこ……っと差し出した手を掴まれた瞬間時間差で十希夫の顔も真っ赤になっちまった。たまたまデートしてた九里虎がそれを見てンはは!と笑ってめちゃくちゃ写真を撮って黒澤に送った。
「い、行くか」
『う、うん』
二人で紅葉の絨毯を踏み出した。会話なんて特に無かったけれど、二人を見た人間は真っ赤な二人を見て皆ニッコリしちまったから、つまりそういう事である。
「んで、お前付き合ったんだよな?」
「付き合ってないです……」
「は!!!?」
「十希夫ちゃそれは無いわ」
「ふざけんな原田十希夫17歳童貞ヤロー」
「うるせーー!!!!ほっとけ!!!!」
なんでか知らないけど、普段十希夫が出かける時にゃ割と平和なくせに##NAME1##とどっか少し遠出でもしようかなんて時に人というのは絡んでくるのだろうか。ガコッ!と男を壁に叩き付けてめちゃくちゃどデカい舌打ちを零す。
色々……鉄生が死んで、##NAME1##が勢力の長になって……やっと落ち着いたし、珍しく、本当に珍しく十希夫から休みにどっか行くか?と声をかけたのだ。鈴蘭の人間にゃまだビクつくけれど、十希夫と、一つ下の月島花は大丈夫な事は解っているので。
##NAME1##は存外喜んで、え、どこ行く?と基本無気力な顔をニコニコとかわゆく綻ばせていた。……それを見て十希夫も思わず目尻を下げちまって、近くにいた黒澤兄弟と阿賀島にニヤニヤされたけれど。アイツ等そのうち殺してやるからな。
そうして、紅葉狩りでも行くかぁなんて言ってたのだけど。時刻は10時、朝から行こうねと言っていたのに30分遅刻。いつだかの時よりもめちゃくちゃ焦っているのは自覚している。十希夫は進路の事もあるし、##NAME1##は傘下の人間を治めるのに忙しかったから、朝から二人でゆっくり出来るのなんて本当に久しぶりだってのに。
なんとか絡んできた奴等を潰して、急いで携帯を見る。すると、##NAME1##の兄貴分である十三から少し前に「コイツ寝てるから、ゆっくり来い」なんて連絡が来ていた。十希夫は片手で顔を覆ってスーーーーーッ、と深呼吸。……向かおうか。
「なんだお前、喧嘩して来たんか」
「絡まれたんすよ。##NAME1##は」
「ま、見てみろ」
十三が少し意地の悪い顔で十希夫を家に上げる。実は##NAME1##の奴起きててなんかやらかすんじゃねーか、とか、とりあえずごめんしよ……とか考えてたら、##NAME1##は茶の間のソファにぐでん!と口を開けて寝ていた。滅多に着るのを見た事がないワンピースに、いつだか、気紛れにやったネックレスをつけて、化粧までして。カッと頭に血が登る。数秒固まった十希夫を十三と、化粧担当の山田と服装担当の阿賀島はめちゃくちゃニヤニヤして見ていた。
「ま、涎垂らしてちゃ仕方ねーがな」
「……コイツ、前俺ん家でも涎垂らしてたんすけど」
「災難だったな。可愛いもんだろ」
「ええ、まぁ」
つい出ちまった本音に十三が「ぁ゛あ゛!!?」なんて唸って、山田と阿賀島は「キャーー!!」と抱き合って叫んじまった。十希夫ももう無の表情で受け流す。もうここまで来たら開き直りである、十三にはこの間呼び出されて##NAME1##と手繋いだんか?それ以上は?してない?ほぉ。ちなみに就職は?どうすんだ?と酒を飲まされながらめちゃくちゃ聞かれたから大体解る。今の、可愛いって言っても唸るし否定したら殺されてた。
「……ま、いい。原田、##NAME1##が一発で起きる方法を教えてやる」
「やめろやめろやめろアンタ手にデスソース持ってんの見えてるからな」
「匂い嗅がせりゃ一発よ」
「##NAME1##ーーー!!!死ぬぞ!!!!」
『うるさ……』
十希夫の声にめちゃくちゃ不機嫌そうに起きた##NAME1##が目を擦ろうとして山田にやめろや!!と叩かれた。
「原田、##NAME1##はお色直しするから座って待ってろ」
「言い回しが腹立つんだよなアンタ」
「あ?また十三スペシャルが飲みてえって?」
「待ってます」
数分後、##NAME1##がとっきー行こ!と元気に言って、おー、なんて軽く返事をしてじゃあ行ってきますと村田家を出た。十三や山田、阿賀島もバイバイ、と手を振って見送っていた。
いつも邪魔だからと結い上げている髪を珍しく下ろして、景色を眺める女の横顔は自覚する前よりも可愛く思えた。この女は桜のような淡い色も生えるけれど……どこか消えてしまいそうな時があるから、紅葉のはっきりとした色に包まれていると、女の、意外と熱い心が透けて見えるようで心地よかった。
『ね、とっきー。紅葉と言えば』
「なんだろうな」
『もみじ饅頭』
「やっぱり食い気しかねーな、お前」
『一個あげる』
「ありがとよ」
二口くらいで食べきって、まだもそもそと饅頭を食う女の頭に紅葉が落ちてきて、取れば良いだけなのに、さらりと撫でる。ん?と見上げる女に何でもねーよ、とだけ言って、帰り、飯でも食ってくか、と言った。ねえハンバーグ食べたい、と食い物の事になりゃ目を輝かせる女に苦笑して立ち上がる。
「まだ、帰るにゃ早い時間だろ」
そう言って十希夫は##NAME1##に手を差し出した。別に初めてでもねーってのに、##NAME1##はポン!とそこらの紅葉みてーに顔を真っ赤にした。十希夫は頑張って我慢したけど、すげーオドオドして、ちょこ……っと差し出した手を掴まれた瞬間時間差で十希夫の顔も真っ赤になっちまった。たまたまデートしてた九里虎がそれを見てンはは!と笑ってめちゃくちゃ写真を撮って黒澤に送った。
「い、行くか」
『う、うん』
二人で紅葉の絨毯を踏み出した。会話なんて特に無かったけれど、二人を見た人間は真っ赤な二人を見て皆ニッコリしちまったから、つまりそういう事である。
「んで、お前付き合ったんだよな?」
「付き合ってないです……」
「は!!!?」
「十希夫ちゃそれは無いわ」
「ふざけんな原田十希夫17歳童貞ヤロー」
「うるせーー!!!!ほっとけ!!!!」