十希夫ん家は少し寒い
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どうしようもねえな、と十希夫は目の前の男に蹴りを入れた。現在15時15分、約束の時間は1時間と15分前。今自分の下で呻いてる男のせいであった。
生意気な後輩である##NAME1##があのね、お花見しよ!なんて言ってきた時にはなんで俺が、とは思ったし、誰が行くかよ、なんて冷たく言ったけれど、##NAME1##が嫌?と少し膨れた顔をした瞬間解ったよ!!と叫んじまった。原田十希夫というのは優しい男なので。
というか、生意気だけれど十希夫にとっちゃ##NAME1##は可愛い後輩なので、ご飯行こ!とかはまぁ多々あったけれど、花見なんて可愛い事を言われたら叶えてやろうとは思う。
##NAME1##が今日は学校が早いからと十希夫にとっきーの家で待ってるからね、と連絡を寄越して、勝手に家に上がるんじゃねーわなんて言っておいた。
十希夫もそろそろ向かうかと家に向かうと、少々因縁のある男に絡まれた。十希夫は割と時間にマメで、どうせなら早く現場に着きたいタイプなのでめちゃくちゃイライラし、この野郎秒殺してやろ!と意気込んでいた。
のだが、待っていたのは男三人。囲まれた十希夫は怯む訳じゃねーけど、ただ、遅れそうだなあとぼんやり思っていた。
そうしてようやく最後の一人を殴り倒して腹いせにめちゃくちゃ蹴って戦意を喪失させ、鼻血を拭って家に向かった。15時30分。1時間半も待たせちまった、もう帰ったかも知れない。
ここまで遅刻しちまったら別に急がなくたって良いってのに、電話をする事も忘れて十希夫は走った。ちょっと身体は痛むけれど、それだけだ。これ以上待たせるクソヤローにだけは、なりたくなかった。
家に着いて母親に「##NAME1##ちゃん部屋に居るわよ」なんて言われていつの間に仲良くなってんだよ……とかボヤいて、部屋へ。まだ、居るのか。16時、もう2時間も待たせちまったってのに。
十希夫は……別に##NAME1##に怒られたって怖かねーけども、それでも怒るんかな……とか思いながら少し胃を痛くした。本当にクソ生意気だけど、本当に腹立つけど、……純粋に、自分に懐いてるのは、察しているから、それが無くなるのは避けたかった。
ガチャ、とドアを開ける。悪い事して怒られるガキみてーに十希夫はそろそろっと開けた。
「##NAME1##……?」
なんとこの女、人様のベッドで爆睡こいてやがったのだ。嘘だろ、と近くに寄る。かぁ、なんて間抜けな声が漏れている。
はぁ~~、と十希夫はクソでかい溜め息を吐いた。急いで来たけど、……待ちくたびれたか。
「……ハ、お前、人の枕に涎垂らしやがって」
『か……』
「かぁ、じゃねーわ」
とんでもなく幸せそうな顔で十希夫のベッドで眠り、枕に涎を垂らしてる姿を見てもう笑うしか無くなっちまった。ク、と喉で笑って写真を撮る。……別に、疚しい気持ちは全くなく、後から馬鹿にしてやろうと思っただけだけど。苦笑して、ティッシュで涎を拭いてやる。ん゛む゛……なんて唸るからまた笑っちまった。
「##NAME1##、##NAME1##、起きろ」
『ん゛……』
「##NAME1##」
肩を揺すって、顔をぺちぺち。ようやっと##NAME1##が薄らと目を開け、十希夫が起きたか、と声をかけると寝惚け眼でふにゃりと笑った。
『おかえり……』
十希夫は自分をぶん殴りたくなった。だって、一瞬だとしてもこの女が可愛く思えちまった。後輩じゃなく、女として。ぶん、と頭を振って、遅れて悪い、と声をかけた。
『おはなみは……?』
「あぁ、行こう。今からで良いなら」
『うん゛。……ん゛~~、ちょっと待ってね、すぐ起きる』
「いい、待たせたんだから、少しくらい待ってやる」
『いや別に、寝てたからあんま待った感じしねーわ』
「あのなクソ女」
『は?待たせた奴が言ってはならない言葉No.1じゃん』
「……男の部屋で寝るな。な、これだけは頼むから守ってくんねーか」
『えっ村田家も……?』
「そうだったな~~~、まぁ、いい。お前涎垂らしすぎなんだわ」
『え!!!マジ?ごめんとっきー、あー!枕!!ごめん……』
「ほっとけ。起きたか?」
『あ、うん』
「じゃ、行くか」
薄暗くなった外に笑いながら桜塗れの公園で適当に座って、ジュースを飲むだけ。桜凄いね、なんてはしゃぎそうになる##NAME1##の肩に手を伸ばして抑えた。
『花見と言えば?』
「なんだろうな」
『桜餅!』
「そうか?」
『買ってきたさ、一個あげる』
「おー、ありがとよ」
もちゃもちゃと風景とおんなじ色の餅を食いながらあのね、桜の塩漬け美味しいんだよ!!なんて色気もクソもない事を言う女に十希夫は笑っちまった。
女の頭をわしゃ、と撫でて、もう遅いから帰るぞ、なんて手を引いて帰った。まだ、手を繋いでも後輩だからと押し込めていた時期のことだった。
どうしようもねえな、と十希夫は目の前の男に蹴りを入れた。現在15時15分、約束の時間は1時間と15分前。今自分の下で呻いてる男のせいであった。
生意気な後輩である##NAME1##があのね、お花見しよ!なんて言ってきた時にはなんで俺が、とは思ったし、誰が行くかよ、なんて冷たく言ったけれど、##NAME1##が嫌?と少し膨れた顔をした瞬間解ったよ!!と叫んじまった。原田十希夫というのは優しい男なので。
というか、生意気だけれど十希夫にとっちゃ##NAME1##は可愛い後輩なので、ご飯行こ!とかはまぁ多々あったけれど、花見なんて可愛い事を言われたら叶えてやろうとは思う。
##NAME1##が今日は学校が早いからと十希夫にとっきーの家で待ってるからね、と連絡を寄越して、勝手に家に上がるんじゃねーわなんて言っておいた。
十希夫もそろそろ向かうかと家に向かうと、少々因縁のある男に絡まれた。十希夫は割と時間にマメで、どうせなら早く現場に着きたいタイプなのでめちゃくちゃイライラし、この野郎秒殺してやろ!と意気込んでいた。
のだが、待っていたのは男三人。囲まれた十希夫は怯む訳じゃねーけど、ただ、遅れそうだなあとぼんやり思っていた。
そうしてようやく最後の一人を殴り倒して腹いせにめちゃくちゃ蹴って戦意を喪失させ、鼻血を拭って家に向かった。15時30分。1時間半も待たせちまった、もう帰ったかも知れない。
ここまで遅刻しちまったら別に急がなくたって良いってのに、電話をする事も忘れて十希夫は走った。ちょっと身体は痛むけれど、それだけだ。これ以上待たせるクソヤローにだけは、なりたくなかった。
家に着いて母親に「##NAME1##ちゃん部屋に居るわよ」なんて言われていつの間に仲良くなってんだよ……とかボヤいて、部屋へ。まだ、居るのか。16時、もう2時間も待たせちまったってのに。
十希夫は……別に##NAME1##に怒られたって怖かねーけども、それでも怒るんかな……とか思いながら少し胃を痛くした。本当にクソ生意気だけど、本当に腹立つけど、……純粋に、自分に懐いてるのは、察しているから、それが無くなるのは避けたかった。
ガチャ、とドアを開ける。悪い事して怒られるガキみてーに十希夫はそろそろっと開けた。
「##NAME1##……?」
なんとこの女、人様のベッドで爆睡こいてやがったのだ。嘘だろ、と近くに寄る。かぁ、なんて間抜けな声が漏れている。
はぁ~~、と十希夫はクソでかい溜め息を吐いた。急いで来たけど、……待ちくたびれたか。
「……ハ、お前、人の枕に涎垂らしやがって」
『か……』
「かぁ、じゃねーわ」
とんでもなく幸せそうな顔で十希夫のベッドで眠り、枕に涎を垂らしてる姿を見てもう笑うしか無くなっちまった。ク、と喉で笑って写真を撮る。……別に、疚しい気持ちは全くなく、後から馬鹿にしてやろうと思っただけだけど。苦笑して、ティッシュで涎を拭いてやる。ん゛む゛……なんて唸るからまた笑っちまった。
「##NAME1##、##NAME1##、起きろ」
『ん゛……』
「##NAME1##」
肩を揺すって、顔をぺちぺち。ようやっと##NAME1##が薄らと目を開け、十希夫が起きたか、と声をかけると寝惚け眼でふにゃりと笑った。
『おかえり……』
十希夫は自分をぶん殴りたくなった。だって、一瞬だとしてもこの女が可愛く思えちまった。後輩じゃなく、女として。ぶん、と頭を振って、遅れて悪い、と声をかけた。
『おはなみは……?』
「あぁ、行こう。今からで良いなら」
『うん゛。……ん゛~~、ちょっと待ってね、すぐ起きる』
「いい、待たせたんだから、少しくらい待ってやる」
『いや別に、寝てたからあんま待った感じしねーわ』
「あのなクソ女」
『は?待たせた奴が言ってはならない言葉No.1じゃん』
「……男の部屋で寝るな。な、これだけは頼むから守ってくんねーか」
『えっ村田家も……?』
「そうだったな~~~、まぁ、いい。お前涎垂らしすぎなんだわ」
『え!!!マジ?ごめんとっきー、あー!枕!!ごめん……』
「ほっとけ。起きたか?」
『あ、うん』
「じゃ、行くか」
薄暗くなった外に笑いながら桜塗れの公園で適当に座って、ジュースを飲むだけ。桜凄いね、なんてはしゃぎそうになる##NAME1##の肩に手を伸ばして抑えた。
『花見と言えば?』
「なんだろうな」
『桜餅!』
「そうか?」
『買ってきたさ、一個あげる』
「おー、ありがとよ」
もちゃもちゃと風景とおんなじ色の餅を食いながらあのね、桜の塩漬け美味しいんだよ!!なんて色気もクソもない事を言う女に十希夫は笑っちまった。
女の頭をわしゃ、と撫でて、もう遅いから帰るぞ、なんて手を引いて帰った。まだ、手を繋いでも後輩だからと押し込めていた時期のことだった。