加地屋中の不良主さん
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『あのねえ』
「ぐ、」
倒れ伏した男を蹴り飛ばす女。目にはどうしようもない呆れがにじんでいて、むしろ同情すらも浮かんでいた。
『将五が狙いなんでしょ?真正面から行けないわけ?私もう辞めたのよ、こういうの。解る?』
男の前髪を掴んでぺちぺちと頬を叩く。それでも、男の目には“女なんかに”“舐めやがって”なんて色が浮かぶ。それを察した瞬間、女は男の顔面を地面に叩き付けた。ぶべ、なんて汚ねえ音がして溜息を吐く。
『ざぁんねんでしたァ、人質に取ろうとして返り討ちなんて、クソダサいねぇ?』
地面と接吻かましたままの男の頭を踏み付ける。踏み付ける。踏み付ける。妙な音がするけれど、それが女を止める理由にはならない。
「も、はんべん、してくれ」
『は?なに?してくれ?してくれっつったのお前』
「は、はんべん、してくらはい……おねはいひまふ……」
『良いよ。そんかわし、次妙な真似してみろよ、お前の家燃やしてやっからな。井田中二年の木崎くん?』
名前を呼ばれて、男は驚愕する。何故知られているのか、もしかして家まで知られているのかと。
『……解ったの?』
「は、はい!わはりまひた!!!」
ち、と舌を打ってから女は場を後にする。踏み付けるのは先の男とは別の男共、四人。女一人捕まえるのに五人で来るのは流石にどうなのかな、と気の抜けた顔で欠伸を零した。
「##NAME1##ちゃん!!」
『ん?あぁ、どしたー?息切らして。ほーれ深呼吸深呼吸』
クラスメイトの女の子がこちらへ駆けてくる。嫌な予感するなぁ、と思いながら落ち着かせると、将五が先輩達に呼び出されたのだと。
『ん~~~~~あの野郎もしかしてわざとかな?』
「ごめんね、##NAME1##ちゃん何かあれば伝えてって言ってたし。出来れば行かないで欲しいんだけど……行くんだよね?」
『うん。心配してくれてありがとね。あ、そう。この先めちゃくちゃ気持ち悪い虫居るから行かない方がいいよ』
「え?う、うん。解った」
##NAME2####NAME1##、中学二年。春休みを終えたら三年になる時である。
将五が呼び出されるなんてのはよくある話だ、なにせ生意気な顔をしているし兄貴はあの十三。加地屋に入学して一年の時に三年に喧嘩を売り、武装戦線の頭にめちゃくちゃしつこくスカウトされて副頭になった男。もっと言えばそんな十三に喧嘩を売った現武装戦線頭、武田好誠の後輩。まぁ、目を付けられないわけが無い。
##NAME1##は反抗期が終わった頃なのでまだ良いが、反抗期真っ最中は##NAME1##自身も「村田十三の女」だの「武田の女」だの、完全にビッチ扱い、悪女扱いで、暴れに暴れていた。ま、十三には家族同然と可愛がって貰っているし、好誠はウザいけど気のいい先輩なので仕方ないが、落ち着いたとはいえ舐められるのは性にあわない。
にしても卒業した先輩達ねえ。と##NAME1##は独り言ちる。お礼参り逆バージョン。年下を数人で呼び出して恥ずかしくないのかしら。私なら恥ずかしくて切腹だわなと思いながら先のクラスメイトに聞いた河川敷へと向かった。
着いた時には倒れ伏した先輩達と、ボコボコの将五。そして、坊主頭の厳つい人だった。
「オイ!テメェ、何者だッ!」
叫んだのは将五だった。坊主頭の人はそんな将五を睨み付けて、歩いていく。
んな訳あるか、状況を見たら猿でも解る。そんな中であの言い草は一体なに?とクソデカ溜息を吐いて坊主頭を追いかける。
『おにーさんや』
「あ?」
『凄むな凄むな。顔怖いんだわ。さっきの中坊、私の馴染みなの。ありがとね』
「……別に助けた訳じゃねえぞ」
『解ってんよ~!一応ね!ンじゃ!気を付けてね~!!』
ぶんぶん手を振って##NAME1##は離れていく。河川敷には既に将五は居なかったのでブチ切れながら家へ向かった。もう、話しかけた坊主頭の顔なんぞ頭から追放して。
そうして話しかけられた鉄生は、なんだあの女……と思いながら、また会うかも知れねえな、と漠然と思っていた。
「将五、俺と金は武装戦線に入るぜ!!」
昨日、家に帰って将五に文句でも言おうとしたのにタイミングが悪いのか会えなかったのでどうせ屋上だろうと向かうと、頭の悪い声が聞こえる。今、将五だけでなくこの声の元にも苛立っているので少々思考が荒い。
「俺は武装には入らねえ、俺の道は俺が決める」
『て~~めぇの道決める前によぉ』
「ぐっっっふ」
バン!!!と屋上の扉を開け放ち、勢いよく将五の腹を殴打する。将五にとって残念な事に、本日の##NAME1##の機嫌は最悪。昨日のうちに話せていれば胸ぐら掴んでグラグラ揺らされるだけだったが、会えなかった上に今朝から明らかに武装の敵です~なんて顔をした奴等に拐われかけ、女の癖にと罵られ、学校に着けば昨日とは違う卒業生に村田将五や奈良明達への人質と拐われかけ、なんとかスっ殺して教室に着けば将五くんと拓海くんの幼馴染だからって生意気……なんて女が湧く。フルコンボだドン。勢いのまま将五を一本背負いして、地べたに這いつくばったその腹を押し潰した。
「あ、あの~……##NAME1##さん……?あの~……将五が死んじまうのでは……?」
「あっ無理っ##NAME1##!どいて!死ぬ!」
『死ねばいいのでは?』
「ガチの目してる!!!!将五お前何やった!!?」
『言っとくけど明ちゃん、次お前だからな。去勢されたくなかったら大人しく座っといて』
「ハイ!!!」
「ぐ、」
倒れ伏した男を蹴り飛ばす女。目にはどうしようもない呆れがにじんでいて、むしろ同情すらも浮かんでいた。
『将五が狙いなんでしょ?真正面から行けないわけ?私もう辞めたのよ、こういうの。解る?』
男の前髪を掴んでぺちぺちと頬を叩く。それでも、男の目には“女なんかに”“舐めやがって”なんて色が浮かぶ。それを察した瞬間、女は男の顔面を地面に叩き付けた。ぶべ、なんて汚ねえ音がして溜息を吐く。
『ざぁんねんでしたァ、人質に取ろうとして返り討ちなんて、クソダサいねぇ?』
地面と接吻かましたままの男の頭を踏み付ける。踏み付ける。踏み付ける。妙な音がするけれど、それが女を止める理由にはならない。
「も、はんべん、してくれ」
『は?なに?してくれ?してくれっつったのお前』
「は、はんべん、してくらはい……おねはいひまふ……」
『良いよ。そんかわし、次妙な真似してみろよ、お前の家燃やしてやっからな。井田中二年の木崎くん?』
名前を呼ばれて、男は驚愕する。何故知られているのか、もしかして家まで知られているのかと。
『……解ったの?』
「は、はい!わはりまひた!!!」
ち、と舌を打ってから女は場を後にする。踏み付けるのは先の男とは別の男共、四人。女一人捕まえるのに五人で来るのは流石にどうなのかな、と気の抜けた顔で欠伸を零した。
「##NAME1##ちゃん!!」
『ん?あぁ、どしたー?息切らして。ほーれ深呼吸深呼吸』
クラスメイトの女の子がこちらへ駆けてくる。嫌な予感するなぁ、と思いながら落ち着かせると、将五が先輩達に呼び出されたのだと。
『ん~~~~~あの野郎もしかしてわざとかな?』
「ごめんね、##NAME1##ちゃん何かあれば伝えてって言ってたし。出来れば行かないで欲しいんだけど……行くんだよね?」
『うん。心配してくれてありがとね。あ、そう。この先めちゃくちゃ気持ち悪い虫居るから行かない方がいいよ』
「え?う、うん。解った」
##NAME2####NAME1##、中学二年。春休みを終えたら三年になる時である。
将五が呼び出されるなんてのはよくある話だ、なにせ生意気な顔をしているし兄貴はあの十三。加地屋に入学して一年の時に三年に喧嘩を売り、武装戦線の頭にめちゃくちゃしつこくスカウトされて副頭になった男。もっと言えばそんな十三に喧嘩を売った現武装戦線頭、武田好誠の後輩。まぁ、目を付けられないわけが無い。
##NAME1##は反抗期が終わった頃なのでまだ良いが、反抗期真っ最中は##NAME1##自身も「村田十三の女」だの「武田の女」だの、完全にビッチ扱い、悪女扱いで、暴れに暴れていた。ま、十三には家族同然と可愛がって貰っているし、好誠はウザいけど気のいい先輩なので仕方ないが、落ち着いたとはいえ舐められるのは性にあわない。
にしても卒業した先輩達ねえ。と##NAME1##は独り言ちる。お礼参り逆バージョン。年下を数人で呼び出して恥ずかしくないのかしら。私なら恥ずかしくて切腹だわなと思いながら先のクラスメイトに聞いた河川敷へと向かった。
着いた時には倒れ伏した先輩達と、ボコボコの将五。そして、坊主頭の厳つい人だった。
「オイ!テメェ、何者だッ!」
叫んだのは将五だった。坊主頭の人はそんな将五を睨み付けて、歩いていく。
んな訳あるか、状況を見たら猿でも解る。そんな中であの言い草は一体なに?とクソデカ溜息を吐いて坊主頭を追いかける。
『おにーさんや』
「あ?」
『凄むな凄むな。顔怖いんだわ。さっきの中坊、私の馴染みなの。ありがとね』
「……別に助けた訳じゃねえぞ」
『解ってんよ~!一応ね!ンじゃ!気を付けてね~!!』
ぶんぶん手を振って##NAME1##は離れていく。河川敷には既に将五は居なかったのでブチ切れながら家へ向かった。もう、話しかけた坊主頭の顔なんぞ頭から追放して。
そうして話しかけられた鉄生は、なんだあの女……と思いながら、また会うかも知れねえな、と漠然と思っていた。
「将五、俺と金は武装戦線に入るぜ!!」
昨日、家に帰って将五に文句でも言おうとしたのにタイミングが悪いのか会えなかったのでどうせ屋上だろうと向かうと、頭の悪い声が聞こえる。今、将五だけでなくこの声の元にも苛立っているので少々思考が荒い。
「俺は武装には入らねえ、俺の道は俺が決める」
『て~~めぇの道決める前によぉ』
「ぐっっっふ」
バン!!!と屋上の扉を開け放ち、勢いよく将五の腹を殴打する。将五にとって残念な事に、本日の##NAME1##の機嫌は最悪。昨日のうちに話せていれば胸ぐら掴んでグラグラ揺らされるだけだったが、会えなかった上に今朝から明らかに武装の敵です~なんて顔をした奴等に拐われかけ、女の癖にと罵られ、学校に着けば昨日とは違う卒業生に村田将五や奈良明達への人質と拐われかけ、なんとかスっ殺して教室に着けば将五くんと拓海くんの幼馴染だからって生意気……なんて女が湧く。フルコンボだドン。勢いのまま将五を一本背負いして、地べたに這いつくばったその腹を押し潰した。
「あ、あの~……##NAME1##さん……?あの~……将五が死んじまうのでは……?」
「あっ無理っ##NAME1##!どいて!死ぬ!」
『死ねばいいのでは?』
「ガチの目してる!!!!将五お前何やった!!?」
『言っとくけど明ちゃん、次お前だからな。去勢されたくなかったら大人しく座っといて』
「ハイ!!!」