容疑者は不良主
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
コナンは焦った。先程から物騒な発言を繰り返していた苗字という女性に激昂した犯人が包丁を持って走り出したのだ、時計型麻酔銃の針は小五郎に使ってしまった、彼女も避ける気配がない。安室さんが絶望的な顔をした、仕方ないと腰のベルトに手を伸ばした、その時。
苗字さんの目の前までいた犯人の女性が真っ直線に、店の端の壁まで吹っ飛んだ。驚きすぎて誰も声が出せなかった。3秒くらい固まって、それは苗字さんが“山田”と呼んでいた黒澤友哉のやった事だと解った。黒澤は突き出したままの足をゆっくりと元に戻し、ハッ!と鼻で笑った後ツカツカと犯人の女性に歩み寄り、思い切り、項の辺りを踏みつけた。なんとも言えないくぐもった悲鳴が静かな空気に響く。
「誰に手ェ出そうとしてんだ、あぁ?名前に手出すってんなら、番犬の俺にナシ付けんのが先ってもんだろーがこの礼儀知らずめ。一生女として暮らせなくしてやろうか」
『山田ー、狂犬の間違いじゃない?』
「秀吉さんとオソロとか恐れ多いわ……さて」
固まって動けないままの俺達を黒澤は舐め回すように睨め付けた。「いつまでそうしてるつもりだ無能共。俺がこのクソアマの首へし折る前にさっさと輪っぱかけろよ」
『山田ァー、そろそろ折れそうだからやめてやんなー』
「はぁ?俺の相棒に手ェ出そうとしやがったんだ殺されても文句ねーだろ」
『もう山田ったら過保護ぉー。十三達でさえ微動だにしなかったのに』
「俺がやらなくても山田が動く」
「おう兄貴手に持ったフォークは何に使うつもりだったんだ???」
「山田が取り逃がすことはねぇだろうが、万が一俺の妹に傷の一つでも付けたら二度と日に当たれねえ身体にしてやろうと思ってただけだ」
『ごめんな物騒な兄貴達で』
そうして犯人は手錠を嵌められ眩しい赤と共に消えていった。小五郎や蘭は離れた所で安室と話している。さて、腹減った腹減ったと騒ぐ彼女に少しだけ疑問を覚える。
「ねえ、お兄さんさっきの女の人、本気で殺そうとしたよね?」
「んんー?」
「包丁持った相手によく怖がらないで対処出来たね?お姉さんも、やけに堂々としてたし、」
言わずにいれなかった。だってあの力の込め方は尋常ではない。蘭の空手を間近で見てきたコナン、いや新一だからこそ。あの蹴りは、あの踏み方は“手加減などしていなかった”。まさか本当に彼女の為なら人をも殺すというのだろうか。彼女だって、錯乱した人間にあんな迫られ方をしたら多少怯えたっておかしくない。“一般人ならば”。なのに彼女は堂々と、むしろ余裕だと笑みさえ浮かべていたのだ。何かがおかしい、そう思わずにはいられない。
黒澤は人当たりの良さそうな笑顔を浮かべ、コナンの頭を撫でた。
口から出たのは、低い、低い、全てを凍てつかせるような
「お前、次名前の視界に入ったら殺す」
「ッ、え……?」
『山田』
「お前は名前に害だ。お前は凄く気持ちわるい。存在がだ、俺の七個以上ある全ての感覚がお前を名前に近付かせるなって言ってる」
『友哉お前セブンセンス以上あんの強いな』
「名前一回黙ってろ」
『いやん』
鼻頭に傷のある村田十三が言う。黒澤や将五よりもコナンを見る目は険しくないが、決して柔らかい色ではない。
「俺は頭脳派名乗って人を詮索する輩が一番嫌いだ、いかにも俺は悪くねえってツラで地雷を踏み抜いてきやがる。……戸亜留の腹黒連中よりもタチが悪い、名前に近付くな」
「……まぁ、山田は名前ガチ勢だからな。言い過ぎるところもあるが」
十三の鋭い目がコナンを捉える。殺気にも似たそれにコナンは一瞬固まって、
「好奇心は人を傷付けることもあるぜ坊主。随分頭が良さそうだ、解るよな?」
それ以上踏み込んでんじゃねえ、と有無を言わせないその言葉にコナンはひくりと口元を引き攣らせた。
苗字さんの目の前までいた犯人の女性が真っ直線に、店の端の壁まで吹っ飛んだ。驚きすぎて誰も声が出せなかった。3秒くらい固まって、それは苗字さんが“山田”と呼んでいた黒澤友哉のやった事だと解った。黒澤は突き出したままの足をゆっくりと元に戻し、ハッ!と鼻で笑った後ツカツカと犯人の女性に歩み寄り、思い切り、項の辺りを踏みつけた。なんとも言えないくぐもった悲鳴が静かな空気に響く。
「誰に手ェ出そうとしてんだ、あぁ?名前に手出すってんなら、番犬の俺にナシ付けんのが先ってもんだろーがこの礼儀知らずめ。一生女として暮らせなくしてやろうか」
『山田ー、狂犬の間違いじゃない?』
「秀吉さんとオソロとか恐れ多いわ……さて」
固まって動けないままの俺達を黒澤は舐め回すように睨め付けた。「いつまでそうしてるつもりだ無能共。俺がこのクソアマの首へし折る前にさっさと輪っぱかけろよ」
『山田ァー、そろそろ折れそうだからやめてやんなー』
「はぁ?俺の相棒に手ェ出そうとしやがったんだ殺されても文句ねーだろ」
『もう山田ったら過保護ぉー。十三達でさえ微動だにしなかったのに』
「俺がやらなくても山田が動く」
「おう兄貴手に持ったフォークは何に使うつもりだったんだ???」
「山田が取り逃がすことはねぇだろうが、万が一俺の妹に傷の一つでも付けたら二度と日に当たれねえ身体にしてやろうと思ってただけだ」
『ごめんな物騒な兄貴達で』
そうして犯人は手錠を嵌められ眩しい赤と共に消えていった。小五郎や蘭は離れた所で安室と話している。さて、腹減った腹減ったと騒ぐ彼女に少しだけ疑問を覚える。
「ねえ、お兄さんさっきの女の人、本気で殺そうとしたよね?」
「んんー?」
「包丁持った相手によく怖がらないで対処出来たね?お姉さんも、やけに堂々としてたし、」
言わずにいれなかった。だってあの力の込め方は尋常ではない。蘭の空手を間近で見てきたコナン、いや新一だからこそ。あの蹴りは、あの踏み方は“手加減などしていなかった”。まさか本当に彼女の為なら人をも殺すというのだろうか。彼女だって、錯乱した人間にあんな迫られ方をしたら多少怯えたっておかしくない。“一般人ならば”。なのに彼女は堂々と、むしろ余裕だと笑みさえ浮かべていたのだ。何かがおかしい、そう思わずにはいられない。
黒澤は人当たりの良さそうな笑顔を浮かべ、コナンの頭を撫でた。
口から出たのは、低い、低い、全てを凍てつかせるような
「お前、次名前の視界に入ったら殺す」
「ッ、え……?」
『山田』
「お前は名前に害だ。お前は凄く気持ちわるい。存在がだ、俺の七個以上ある全ての感覚がお前を名前に近付かせるなって言ってる」
『友哉お前セブンセンス以上あんの強いな』
「名前一回黙ってろ」
『いやん』
鼻頭に傷のある村田十三が言う。黒澤や将五よりもコナンを見る目は険しくないが、決して柔らかい色ではない。
「俺は頭脳派名乗って人を詮索する輩が一番嫌いだ、いかにも俺は悪くねえってツラで地雷を踏み抜いてきやがる。……戸亜留の腹黒連中よりもタチが悪い、名前に近付くな」
「……まぁ、山田は名前ガチ勢だからな。言い過ぎるところもあるが」
十三の鋭い目がコナンを捉える。殺気にも似たそれにコナンは一瞬固まって、
「好奇心は人を傷付けることもあるぜ坊主。随分頭が良さそうだ、解るよな?」
それ以上踏み込んでんじゃねえ、と有無を言わせないその言葉にコナンはひくりと口元を引き攣らせた。