そのいち
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次の日の昼休み、ちょっとボロボロで疲れてる久我が三年の教室を訪ねた。名前はニッコリ笑ってお出かけしよっか!と声をかける。
『久我ぁお題何出た?』
「仕切り直しでクッキー作り」
『お。上手く出来た?』
「ん」
『くれんの?優しいじゃん。お、美味いね』
「家で飯とか、作るから」
『偉いねえ』
「周りが壊滅的過ぎただけだ」
『後は?』
「柔道とゲーム。ゲームは負けた」
『柔道は勝ったのね。良いね、お前頑張って一年纏めろよ』
「……お出かけって、ここ、」
鈴蘭である。本当は最初に白堂とかも行きたいけどまぁ顔合わせは後日って事で。
『なぁに、久我。たった二人で鈴蘭、ビビった?』
「ッビビってねえよ!」
『ならシャキッとしろ。背筋伸ばせ。舐められる隙を作るんじゃねー』
な!と笑ってずんずん進む名前の背を慌てて追いかける。え、本当に入んの?校舎に?スリッパ履きなさいね。いやそういう事じゃなくて。
「なんだコラァ!」
「どこのモンだテメー!!!!」
『うるせーーーーーーッ!!!!!一年のペーペー如きが私の道塞ぐんじゃねーーーーーーッ!!!!!!!』
「叫ぶなら叫ぶって言ってくんねーかな」
『あごめん。叫ぶよ』
「おう」
『常磐連合、苗字名前様のお通りだーー!!!!!退けクソ鈴蘭共!!!!!』
「叫ぶなら耳塞いでからにしてくんねーかな」
『あ、ごめん』
とんでもねえ声量に周りの一年共がオワ!!!と後退る。するとドタタタ!!!とけたたましい音が響いた。
「名前さーーーーーーん!!!!!!」
『銀次、ステイ』
「はい!!!!」
『相変わらずだな……。花は?』
「屋上に。どうぞ、お前名前さんの半径3メートル以内に入んなよ!?」
「は?」
『悪い久我、コイツは無視していい』
「そんなぁ!!!?」
何アイツ、と歩きながら久我が言う。そんなもん私が知りたい。十希夫と付き合ったと知った銀次は泣きながら(悲しみ)祝福するという妙な芸当までやらかしていた。変な奴だよ本当に。
睨み付けてくる鈴蘭一年生共の中、名前は悠々と笑みすら浮かべて進んでいく。なんなんだこの人は、と何度思ったか解らない感想を頭に浮かべながら久我も後に続く。
『たのもーーーーーッ!』
「お!名前~!!!」
『花ちゃーん!!!お!バックル九里虎に貰ったん?似合ってんね!』
「ありがとな~!!!」
「久しぶりの再会か何かか?」
「いや猿の毛繕いだろ」
『おいコラ蓮次くん聞こえてっからね』
「悪い。んで、どうした?」
「どうかしたのか?」
『あぁ、うちの後輩見せびらかしに来たの。見て!!!山田とタケちゃんにボコられても立ち上がった久我!久我、鈴蘭の頭で私の友達の月島花ちゃん。その他大勢』
「「その他言うな!!!!」」
急にめちゃくちゃ朗らかな顔の男と抱き合ってキャッキャしだした女の言葉を久我は疑った。鈴蘭の頭?この人が?
『今年も変わらず常磐は鈴蘭にも手出ししないからね~!そっちはちゃんと纏めてね花ちゃん。いや蓮次』
「う゛ッッッ」
「名前そろそろ虐めてやるなよ……」
『いや虐めてないよ。こうやって言ったよって拓海に言わないと拓海から言われるよ。拓海のネチネチは怖いよ?』
「……」
「あ!蓮次が死んだ!」
『ま、花ちゃん。うちの奴共々よろしくね』
「おう!よろしくな!」
ばいばーい!と元気に手を振って久我を引き連れ屋上を出る。なんだったんだよあの人、と問うのでアイツはすげー奴だよと笑う。
『あの通り太陽みてーな男なの。お前、何かあったらアイツと話してみなよ。別にうちは他所と仲良くするのNGじゃねえからか』
「……」
『そういや、倒してえ奴が居るんだっけ?なんて奴?』
「一年の、さじ」
「あーー!!!!久我じゃねえか!鈴蘭で何やってやがる!」
元気に叫んで久我を睨み付けるのは一年戦争覇者、佐島であった。相変わらず喧しい野郎だと久我の眉間に皺がよる。佐島は二年の連中と居て、二年連中は隣の女を見るとギョッとした顔をした。
そんなのも知らず佐島と久我はいがみ合っている。テメー何してんだよ。関係ねえだろが。なんで鈴蘭来なかったんだよ。テメーがいるからだよ。
『おい』
先程まで温かさを帯びていた女の声が急激に冷える。思わず振り向くと女の視線は佐島に注がれていて、佐島も言葉を止めちまった。
『誰の許可ァ得て私の前で口開いてやがる』
クソ鈴蘭如きが、と吐き捨てた名前の目は鋭い。戸亜留市の勢力分布に詳しい佐島は常磐連合の頭である名前を知っていた。何故鈴蘭を嫌うかまでは知らないけれど。
「おい、コイツ下がらせるからよ。勘弁してやってくれねえか」
ずい、と努が前に出る。名前にとって努は別に可愛げのある後輩な訳じゃないけれど、それでも性根が腐っていない事は知っていたし、不本意ながら自分の後輩である銀次が認めている男だと知っているので……ふぅ、と息を吐いた。
『悪かったよ。大人げなかった』
「いや、」
『ツトム~!お前生意気だぞそろそろ敬語くらい使わんかい』
「いっってえ!!!!!どっから出るんだその馬鹿力!!!!」
『えぇ~?あたちか弱い女の子だから解んなァい』
「クソ」
行こうか、久我。そう言ってまた歩き出す。あの変わりようは一体なんなのか、そんなの今の久我に知る由もなかった。
次の日の昼休み、ちょっとボロボロで疲れてる久我が三年の教室を訪ねた。名前はニッコリ笑ってお出かけしよっか!と声をかける。
『久我ぁお題何出た?』
「仕切り直しでクッキー作り」
『お。上手く出来た?』
「ん」
『くれんの?優しいじゃん。お、美味いね』
「家で飯とか、作るから」
『偉いねえ』
「周りが壊滅的過ぎただけだ」
『後は?』
「柔道とゲーム。ゲームは負けた」
『柔道は勝ったのね。良いね、お前頑張って一年纏めろよ』
「……お出かけって、ここ、」
鈴蘭である。本当は最初に白堂とかも行きたいけどまぁ顔合わせは後日って事で。
『なぁに、久我。たった二人で鈴蘭、ビビった?』
「ッビビってねえよ!」
『ならシャキッとしろ。背筋伸ばせ。舐められる隙を作るんじゃねー』
な!と笑ってずんずん進む名前の背を慌てて追いかける。え、本当に入んの?校舎に?スリッパ履きなさいね。いやそういう事じゃなくて。
「なんだコラァ!」
「どこのモンだテメー!!!!」
『うるせーーーーーーッ!!!!!一年のペーペー如きが私の道塞ぐんじゃねーーーーーーッ!!!!!!!』
「叫ぶなら叫ぶって言ってくんねーかな」
『あごめん。叫ぶよ』
「おう」
『常磐連合、苗字名前様のお通りだーー!!!!!退けクソ鈴蘭共!!!!!』
「叫ぶなら耳塞いでからにしてくんねーかな」
『あ、ごめん』
とんでもねえ声量に周りの一年共がオワ!!!と後退る。するとドタタタ!!!とけたたましい音が響いた。
「名前さーーーーーーん!!!!!!」
『銀次、ステイ』
「はい!!!!」
『相変わらずだな……。花は?』
「屋上に。どうぞ、お前名前さんの半径3メートル以内に入んなよ!?」
「は?」
『悪い久我、コイツは無視していい』
「そんなぁ!!!?」
何アイツ、と歩きながら久我が言う。そんなもん私が知りたい。十希夫と付き合ったと知った銀次は泣きながら(悲しみ)祝福するという妙な芸当までやらかしていた。変な奴だよ本当に。
睨み付けてくる鈴蘭一年生共の中、名前は悠々と笑みすら浮かべて進んでいく。なんなんだこの人は、と何度思ったか解らない感想を頭に浮かべながら久我も後に続く。
『たのもーーーーーッ!』
「お!名前~!!!」
『花ちゃーん!!!お!バックル九里虎に貰ったん?似合ってんね!』
「ありがとな~!!!」
「久しぶりの再会か何かか?」
「いや猿の毛繕いだろ」
『おいコラ蓮次くん聞こえてっからね』
「悪い。んで、どうした?」
「どうかしたのか?」
『あぁ、うちの後輩見せびらかしに来たの。見て!!!山田とタケちゃんにボコられても立ち上がった久我!久我、鈴蘭の頭で私の友達の月島花ちゃん。その他大勢』
「「その他言うな!!!!」」
急にめちゃくちゃ朗らかな顔の男と抱き合ってキャッキャしだした女の言葉を久我は疑った。鈴蘭の頭?この人が?
『今年も変わらず常磐は鈴蘭にも手出ししないからね~!そっちはちゃんと纏めてね花ちゃん。いや蓮次』
「う゛ッッッ」
「名前そろそろ虐めてやるなよ……」
『いや虐めてないよ。こうやって言ったよって拓海に言わないと拓海から言われるよ。拓海のネチネチは怖いよ?』
「……」
「あ!蓮次が死んだ!」
『ま、花ちゃん。うちの奴共々よろしくね』
「おう!よろしくな!」
ばいばーい!と元気に手を振って久我を引き連れ屋上を出る。なんだったんだよあの人、と問うのでアイツはすげー奴だよと笑う。
『あの通り太陽みてーな男なの。お前、何かあったらアイツと話してみなよ。別にうちは他所と仲良くするのNGじゃねえからか』
「……」
『そういや、倒してえ奴が居るんだっけ?なんて奴?』
「一年の、さじ」
「あーー!!!!久我じゃねえか!鈴蘭で何やってやがる!」
元気に叫んで久我を睨み付けるのは一年戦争覇者、佐島であった。相変わらず喧しい野郎だと久我の眉間に皺がよる。佐島は二年の連中と居て、二年連中は隣の女を見るとギョッとした顔をした。
そんなのも知らず佐島と久我はいがみ合っている。テメー何してんだよ。関係ねえだろが。なんで鈴蘭来なかったんだよ。テメーがいるからだよ。
『おい』
先程まで温かさを帯びていた女の声が急激に冷える。思わず振り向くと女の視線は佐島に注がれていて、佐島も言葉を止めちまった。
『誰の許可ァ得て私の前で口開いてやがる』
クソ鈴蘭如きが、と吐き捨てた名前の目は鋭い。戸亜留市の勢力分布に詳しい佐島は常磐連合の頭である名前を知っていた。何故鈴蘭を嫌うかまでは知らないけれど。
「おい、コイツ下がらせるからよ。勘弁してやってくれねえか」
ずい、と努が前に出る。名前にとって努は別に可愛げのある後輩な訳じゃないけれど、それでも性根が腐っていない事は知っていたし、不本意ながら自分の後輩である銀次が認めている男だと知っているので……ふぅ、と息を吐いた。
『悪かったよ。大人げなかった』
「いや、」
『ツトム~!お前生意気だぞそろそろ敬語くらい使わんかい』
「いっってえ!!!!!どっから出るんだその馬鹿力!!!!」
『えぇ~?あたちか弱い女の子だから解んなァい』
「クソ」
行こうか、久我。そう言ってまた歩き出す。あの変わりようは一体なんなのか、そんなの今の久我に知る由もなかった。