そつぎょう
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普段遅く登校する奴等も今日ばかりは皆早かった。おはよ、と皆普段通りに挨拶するも、どこかその声に緊張の色が乗っているのは直ぐに察せた。
『アもしもし名前チャンです。なにお前!私だってしてるわ馬鹿!うん。今日は家族で、明日は常磐でするから、明後日でどう?了解~』
「誰?」
『光政。あの野郎「どうしよ名前緊張してきた(笑)」っつって。一服して落ち着かせてるみたい。明後日騒ごうなってさ』
「鳳仙?月本?」
『明後日は萬侍の件の面子で集まる、将五も明明後日までしか居ないからね。あと花もその日梅星出るから飲みついでに泊まらせて次の日帰る感じ。その次の日鳳仙及び月本だから一緒に行こうか』
「名前っち予定詰め詰めでは?」
『多分来週くらいまで二日酔いどころか五日酔いするわ』
通常であればHRの時間、担任は教室へやって来た。今日の日程だけど、と黒板に書こうとして“卒業おめでとう”だの“ありがとう”だの“大津充三年間ありがとう愛してるぜハニー”だのと書いてやがるので溜め息を吐いて口頭で説明する。
「とりあえずこの後後輩共が胸に着ける花を持ってくるので揉みくちゃにされる覚悟をしろ」
『そんな事ある?』
「その後卒アル配るから最後のページに“ぅちらの友情ゎ永久不滅”とか書いとけ」
「ヤみっちゃんそれは古い」
「一期一会かよ俺等小学生の頃だよそれは」
「“うちらはずーっと仲間だから”(笑)」
「エ男子一期一会のメモ使ってた女も居るんですけど辞めてもらっていい?懐かしすぎて吐きそう」
「俺ちん使ってたよ一期一会。名前っちがアレルギー症状出さなきゃもっと使ってたわ」
「あ~名前嫌いそう」
『嫌いっていうか鳥肌立つ』
「アレルギーだわ」
さて、後輩共のご入場である。名前は花を持ってこちらへ向かう辻本に『着けれるもんなら着けてみろや……』という顔でシャボン玉を吹き散らしている。
「あ゛ッ゛」
『おま、お前が泣いてどうする!!!』
「む゛り゛」
『全くお前は涙脆いンだからよ!!!』
はよ着けろバカタレ!と近くに行けば最早べっしょべしょな顔をした辻本が震えまくる手で名前の胸ポッケに卒業おめでとうの垂れ幕が付いた花を着けた。ありがと、と苦笑いを浮かべて写真撮る?と言えば情けねえ面で頷くので素早くシャボン玉を大量生産して山田がパシャリ。後でな、と追いやれば辻本は過呼吸になりそうな程泣いていた。だから早いんだって。
「えー、保護者の皆さんにゃ先に体育館行ってもらってっから。猫被らないのは今が最後になる」
「猫被る前提で話してて草」
「人によっては三年間の奴も居るな。俺が受け持つ生徒は問題児ばかりだったよ、教師にタメ口聞くわ、壊滅的に算数出来ねえわ、怪我で入院するわよ」
『可哀想』
「全部当て嵌ってんのお前だからね」
『嘘ん』
「でも、俺が受け持つ生徒で……こんな良いクラスは初めてだったよ。虐めもねえし、皆、助け合ってここまで来たよな。あー……うん」
ガシガシ頭を掻いて、担任の男は下を向く。いつもならおいおい泣いてんのかよみっちゃん(笑)慰めてやろっか?(笑)と煽る奴等もこの時ばかりは黙っている。皆、この男には世話になった自覚がある。忙しくなってからもここまで来れたのはこの男が担任だったからというのがデカいので。
「……ダメだわ、まぁ。これから授与式だ、校長に怒られねえ程度にやらかしてこい」
『せんせー!!教頭のカツラは取っていいですか!!!?』
「残念ですが教頭はカツラを卒業して植毛に変えたらしいです」
「は?ウケる」
「五回燃やせばそうもなるか」
「嫌われすぎワロタ」
「はい、じゃ皆椅子持って廊下並べ~」
『マジ意味解らんこういう時くらい後輩が椅子持ってお座り下さいすべきだろ』
「いや後輩共を椅子にすべきでは?」
「俺ちんも人間椅子にする方がヘキだから……」
「佐伯そこの馬鹿三人に説教しといて」
「帰りの椅子は後輩に片付けさせれば良いだろ。あと俺は椅子にするなら女の方が座り心地が良い」
「サエ!!!!?」
『うそだろ』
「佐伯嘘でしょ!!!?お前だけは常識人だと思ってたのに!!!!!?」
普段遅く登校する奴等も今日ばかりは皆早かった。おはよ、と皆普段通りに挨拶するも、どこかその声に緊張の色が乗っているのは直ぐに察せた。
『アもしもし名前チャンです。なにお前!私だってしてるわ馬鹿!うん。今日は家族で、明日は常磐でするから、明後日でどう?了解~』
「誰?」
『光政。あの野郎「どうしよ名前緊張してきた(笑)」っつって。一服して落ち着かせてるみたい。明後日騒ごうなってさ』
「鳳仙?月本?」
『明後日は萬侍の件の面子で集まる、将五も明明後日までしか居ないからね。あと花もその日梅星出るから飲みついでに泊まらせて次の日帰る感じ。その次の日鳳仙及び月本だから一緒に行こうか』
「名前っち予定詰め詰めでは?」
『多分来週くらいまで二日酔いどころか五日酔いするわ』
通常であればHRの時間、担任は教室へやって来た。今日の日程だけど、と黒板に書こうとして“卒業おめでとう”だの“ありがとう”だの“大津充三年間ありがとう愛してるぜハニー”だのと書いてやがるので溜め息を吐いて口頭で説明する。
「とりあえずこの後後輩共が胸に着ける花を持ってくるので揉みくちゃにされる覚悟をしろ」
『そんな事ある?』
「その後卒アル配るから最後のページに“ぅちらの友情ゎ永久不滅”とか書いとけ」
「ヤみっちゃんそれは古い」
「一期一会かよ俺等小学生の頃だよそれは」
「“うちらはずーっと仲間だから”(笑)」
「エ男子一期一会のメモ使ってた女も居るんですけど辞めてもらっていい?懐かしすぎて吐きそう」
「俺ちん使ってたよ一期一会。名前っちがアレルギー症状出さなきゃもっと使ってたわ」
「あ~名前嫌いそう」
『嫌いっていうか鳥肌立つ』
「アレルギーだわ」
さて、後輩共のご入場である。名前は花を持ってこちらへ向かう辻本に『着けれるもんなら着けてみろや……』という顔でシャボン玉を吹き散らしている。
「あ゛ッ゛」
『おま、お前が泣いてどうする!!!』
「む゛り゛」
『全くお前は涙脆いンだからよ!!!』
はよ着けろバカタレ!と近くに行けば最早べっしょべしょな顔をした辻本が震えまくる手で名前の胸ポッケに卒業おめでとうの垂れ幕が付いた花を着けた。ありがと、と苦笑いを浮かべて写真撮る?と言えば情けねえ面で頷くので素早くシャボン玉を大量生産して山田がパシャリ。後でな、と追いやれば辻本は過呼吸になりそうな程泣いていた。だから早いんだって。
「えー、保護者の皆さんにゃ先に体育館行ってもらってっから。猫被らないのは今が最後になる」
「猫被る前提で話してて草」
「人によっては三年間の奴も居るな。俺が受け持つ生徒は問題児ばかりだったよ、教師にタメ口聞くわ、壊滅的に算数出来ねえわ、怪我で入院するわよ」
『可哀想』
「全部当て嵌ってんのお前だからね」
『嘘ん』
「でも、俺が受け持つ生徒で……こんな良いクラスは初めてだったよ。虐めもねえし、皆、助け合ってここまで来たよな。あー……うん」
ガシガシ頭を掻いて、担任の男は下を向く。いつもならおいおい泣いてんのかよみっちゃん(笑)慰めてやろっか?(笑)と煽る奴等もこの時ばかりは黙っている。皆、この男には世話になった自覚がある。忙しくなってからもここまで来れたのはこの男が担任だったからというのがデカいので。
「……ダメだわ、まぁ。これから授与式だ、校長に怒られねえ程度にやらかしてこい」
『せんせー!!教頭のカツラは取っていいですか!!!?』
「残念ですが教頭はカツラを卒業して植毛に変えたらしいです」
「は?ウケる」
「五回燃やせばそうもなるか」
「嫌われすぎワロタ」
「はい、じゃ皆椅子持って廊下並べ~」
『マジ意味解らんこういう時くらい後輩が椅子持ってお座り下さいすべきだろ』
「いや後輩共を椅子にすべきでは?」
「俺ちんも人間椅子にする方がヘキだから……」
「佐伯そこの馬鹿三人に説教しといて」
「帰りの椅子は後輩に片付けさせれば良いだろ。あと俺は椅子にするなら女の方が座り心地が良い」
「サエ!!!!?」
『うそだろ』
「佐伯嘘でしょ!!!?お前だけは常識人だと思ってたのに!!!!!?」