そのなな
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泣くなよォ、なんて笑うけれど目の前の後輩は泣き止んではくれなかった。くしゃくしゃになった顔で涙を拭こうともしねぇ辻本に苦く笑って、山田にハンカチを渡すように顎で促した。
『これからの常磐はお前が背負うんだ、いつまでも泣くンじゃねーよ』
「だ、っだって、」
『好きにしろ。私の背中はさんざ見せてきた筈だ、お前にこうあれなんて押し付けるような事ァしてねえ筈だよ』
「さ、」
『ア?』
「さみしい゛!」
『んフフ』
こうも寂しいと泣かれると名前もちょっと困っちまった。ここまで泣くことある?別に居なくなるわけじゃねーんだから良いだろうに。頬をぽりぽり掻いて、仕方ねえ奴だなと笑った。
名前達は萬侍との戦いを終え、ちょっとしたイザコザもあったけれど無事に常磐連合を引退した。どこぞの太一郎くんとかみてーにオトナな歳にまで馬鹿はやる気は毛頭ないので。本人に言ったら泣かれるし今は良いパパなので言わんけど。
常磐連合の三年は皆引退した。馬鹿は辞めて隠居だーーーッ!となってる奴も居れば、部活の引退みてーな感じの奴等も居る。調理班だとか発明班とか。
『エ?お前法と喧嘩したん?』
「まぁな」
『ふぅん。兄弟喧嘩?それとも尊敬する政兄ィ乗り越えさせてくださいの方?』
「そっち」
『ちょっとショックなんでしょ』
「あたりめーだろ生まれてこの方光法に楯突かれた事もねーんだぞ俺ァ」
『兄弟喧嘩も軽いもんね。どっちかと言うと法止める方だもん』
「信とか光義とかとはアホ程喧嘩したけどな。はー、痛え」
『負けはしなかったのね』
「負けてたらお前の単車出してもらってたわ」
『今でも出してあげるのに』
「バカヤロ、ヤケにならなきゃお前の運転なんざ誰が乗るかよ」
『どーいう意味だコラ……』
ちょっぴしボロボロな光政の背をポンポン叩く。名前が考え事をする時にいつも使う加地屋中近くの人気の少ねぇ公園のベンチで二人してアイスを食いながら。
「俺等、もう卒業なんだなぁ」
『うん。早いね』
「あぁ、怖くなっちまうわ」
『色んなことあったもんね』
「あり過ぎたよ」
『もうちょいで終わりだね』
「あぁ、本当に。寂しくなるな」
『戻れるっつったら、戻る?』
「まさか」
その言葉に名前はダハハ!と笑って光政の背をべちっと叩いた。なんだよとぶすくれた面で言うのでごめんごめんと笑っておく。
『寂しいって思えるって事はなんやかんややり遂げたって事じゃん。実際、お前は色々やったしね。戻らねえって言い切れるって事は後悔も無いって事じゃん。あるならそんな言葉出ないもん。良い男になったね、光政』
言われた光政はキョトンとしてから、バカヤロ、と口元を歪めて名前の肩を叩いた。光政は名前の褒め言葉に弱かった。なんだか、今までの苦労とかが全て報われるような心地がするのである。
ンでも、光政は名前が大事な親友なので……変な重みを負わせたくねえから、なんでもねえフリをするのだった。
泣くなよォ、なんて笑うけれど目の前の後輩は泣き止んではくれなかった。くしゃくしゃになった顔で涙を拭こうともしねぇ辻本に苦く笑って、山田にハンカチを渡すように顎で促した。
『これからの常磐はお前が背負うんだ、いつまでも泣くンじゃねーよ』
「だ、っだって、」
『好きにしろ。私の背中はさんざ見せてきた筈だ、お前にこうあれなんて押し付けるような事ァしてねえ筈だよ』
「さ、」
『ア?』
「さみしい゛!」
『んフフ』
こうも寂しいと泣かれると名前もちょっと困っちまった。ここまで泣くことある?別に居なくなるわけじゃねーんだから良いだろうに。頬をぽりぽり掻いて、仕方ねえ奴だなと笑った。
名前達は萬侍との戦いを終え、ちょっとしたイザコザもあったけれど無事に常磐連合を引退した。どこぞの太一郎くんとかみてーにオトナな歳にまで馬鹿はやる気は毛頭ないので。本人に言ったら泣かれるし今は良いパパなので言わんけど。
常磐連合の三年は皆引退した。馬鹿は辞めて隠居だーーーッ!となってる奴も居れば、部活の引退みてーな感じの奴等も居る。調理班だとか発明班とか。
『エ?お前法と喧嘩したん?』
「まぁな」
『ふぅん。兄弟喧嘩?それとも尊敬する政兄ィ乗り越えさせてくださいの方?』
「そっち」
『ちょっとショックなんでしょ』
「あたりめーだろ生まれてこの方光法に楯突かれた事もねーんだぞ俺ァ」
『兄弟喧嘩も軽いもんね。どっちかと言うと法止める方だもん』
「信とか光義とかとはアホ程喧嘩したけどな。はー、痛え」
『負けはしなかったのね』
「負けてたらお前の単車出してもらってたわ」
『今でも出してあげるのに』
「バカヤロ、ヤケにならなきゃお前の運転なんざ誰が乗るかよ」
『どーいう意味だコラ……』
ちょっぴしボロボロな光政の背をポンポン叩く。名前が考え事をする時にいつも使う加地屋中近くの人気の少ねぇ公園のベンチで二人してアイスを食いながら。
「俺等、もう卒業なんだなぁ」
『うん。早いね』
「あぁ、怖くなっちまうわ」
『色んなことあったもんね』
「あり過ぎたよ」
『もうちょいで終わりだね』
「あぁ、本当に。寂しくなるな」
『戻れるっつったら、戻る?』
「まさか」
その言葉に名前はダハハ!と笑って光政の背をべちっと叩いた。なんだよとぶすくれた面で言うのでごめんごめんと笑っておく。
『寂しいって思えるって事はなんやかんややり遂げたって事じゃん。実際、お前は色々やったしね。戻らねえって言い切れるって事は後悔も無いって事じゃん。あるならそんな言葉出ないもん。良い男になったね、光政』
言われた光政はキョトンとしてから、バカヤロ、と口元を歪めて名前の肩を叩いた。光政は名前の褒め言葉に弱かった。なんだか、今までの苦労とかが全て報われるような心地がするのである。
ンでも、光政は名前が大事な親友なので……変な重みを負わせたくねえから、なんでもねえフリをするのだった。