そのろく
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くぅ、と泣き疲れて自分の膝に頭を乗せて寝ちまった名前に苦く笑って頭を撫でる。そんで、目の前の男をちらりと見遣って、溜息を吐いた。
「俺ァ今な、感謝したら良いのか殴れば良いのか解らねえ」
「一発殴られる覚悟で来たんスけど」
「バカヤロ、お前殴ったら俺が名前に嫌われるだろが」
「大阪、行っちまうんスね」
「あぁ。いずれ、名前と来い」
「行きますよ、必ず」
「来る時ャ畏まった格好では来るな俺の胃が死ぬからよ」
「アンタ妹離れは?」
「出来てねえよはっ倒すぞ」
飛び出てってごめんね、と呟いた名前に十三は言葉が出そうにもなく、マシュマロを乗っけたココアで返した。
色々考えてはいたのだ、もうすぐ村田家の両親も戻るしと本当は名前が二年になる頃には大阪行きを決めていて、準備をしていたら鉄生の件で先延ばしにした。あんなボロボロの名前を置いていくなんて事ァ出来る訳がなかった。
「だが、今はお前が居るだろう」
「……」
「言い出すタイミングは悩んだけどな、それでもお前等がくっ付いた辺りでもう決めてたんだ。……原田」
「はい」
「名前を頼むぞ」
あの十三がやけに穏やかな顔で言うもんだから、十希夫はくっ、と唇を噛み締めてから、はいと小さくしっかりと呟いた。
「マ元より離すつもりが無いんで……」
「あ待てやっぱり五発は殴らせろ腹立つ」
「一発しか殴られる覚悟してねーんすけど」
「じゃ五発分を拳に込めるから待ってろ」
「よくそんな状態で大阪行き決めましたね」
「これ以上グダグダしてたら逆に名前の負担になるからよ」
自分のせいで自分の人生を歩めねえんじゃねえか、なんて考えを起こしちまう馬鹿な女を見ながら十三は言う。一生続く痛みより、一瞬の痛みを選んだ名前の兄貴分に十希夫はちょっとだけ寂しそうな顔をしてから、鞄をゴソゴソ漁り出した。
「ストップ」
「なんスか」
「テメーそれ中身なんだ」
「着替えと着替えと歯磨きセットと着替え」
「泊まる気満々じゃねーかふざけんなよ」
「いや十三さんもう俺の義兄さんみたいなモンじゃないスか」
「ふざけ」
「そりゃ行く日まで軽くはドンチャンしなきゃな…ってのが普通でしょうがよ」
「ふざけんなお前」
「あ酒も持ってきました」
「名前とは別の部屋で寝ろよ」
くぅ、と泣き疲れて自分の膝に頭を乗せて寝ちまった名前に苦く笑って頭を撫でる。そんで、目の前の男をちらりと見遣って、溜息を吐いた。
「俺ァ今な、感謝したら良いのか殴れば良いのか解らねえ」
「一発殴られる覚悟で来たんスけど」
「バカヤロ、お前殴ったら俺が名前に嫌われるだろが」
「大阪、行っちまうんスね」
「あぁ。いずれ、名前と来い」
「行きますよ、必ず」
「来る時ャ畏まった格好では来るな俺の胃が死ぬからよ」
「アンタ妹離れは?」
「出来てねえよはっ倒すぞ」
飛び出てってごめんね、と呟いた名前に十三は言葉が出そうにもなく、マシュマロを乗っけたココアで返した。
色々考えてはいたのだ、もうすぐ村田家の両親も戻るしと本当は名前が二年になる頃には大阪行きを決めていて、準備をしていたら鉄生の件で先延ばしにした。あんなボロボロの名前を置いていくなんて事ァ出来る訳がなかった。
「だが、今はお前が居るだろう」
「……」
「言い出すタイミングは悩んだけどな、それでもお前等がくっ付いた辺りでもう決めてたんだ。……原田」
「はい」
「名前を頼むぞ」
あの十三がやけに穏やかな顔で言うもんだから、十希夫はくっ、と唇を噛み締めてから、はいと小さくしっかりと呟いた。
「マ元より離すつもりが無いんで……」
「あ待てやっぱり五発は殴らせろ腹立つ」
「一発しか殴られる覚悟してねーんすけど」
「じゃ五発分を拳に込めるから待ってろ」
「よくそんな状態で大阪行き決めましたね」
「これ以上グダグダしてたら逆に名前の負担になるからよ」
自分のせいで自分の人生を歩めねえんじゃねえか、なんて考えを起こしちまう馬鹿な女を見ながら十三は言う。一生続く痛みより、一瞬の痛みを選んだ名前の兄貴分に十希夫はちょっとだけ寂しそうな顔をしてから、鞄をゴソゴソ漁り出した。
「ストップ」
「なんスか」
「テメーそれ中身なんだ」
「着替えと着替えと歯磨きセットと着替え」
「泊まる気満々じゃねーかふざけんなよ」
「いや十三さんもう俺の義兄さんみたいなモンじゃないスか」
「ふざけ」
「そりゃ行く日まで軽くはドンチャンしなきゃな…ってのが普通でしょうがよ」
「ふざけんなお前」
「あ酒も持ってきました」
「名前とは別の部屋で寝ろよ」